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無色の英雄~職業無職でも成りあがります!~  作者: どら
第3章 C級迷宮、攻略
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第4話 予感とは、いやなものほど当たるもの

10階層の主を撃破した僕らは、その後ギルドに帰還してディーと合流。

宿の近くにあった食堂で食事をする運びとなった。


「来なかった?」


「えぇ。パーティー【岩石獣】のメンバーは、今日はギルドには来ていなかったようですね」


昨日、シャルを逆恨みしたうえ、上から目線でメンバーへの再加入を強制しようとした男たち。

てっきりシャル、というか僕らにちょっかいかけるために毎日のようにギルドに通い詰めると思ってたんだけど。


「普通の神経をしていれば、あれだけ騒ぎを起こした後では、顔を見せられないものだが…」


「そんな殊勝な精神はしてないわよ、あいつら」


僕の考え過ぎならいいんだけど、なんか嫌な予感がするんだよな。

こう、何か引っかかるような感覚、僕はこの自分の直感めいた感覚を無視してはだめだと、あの事件で学んだからね。


「少し不便かもしれないけど、この町にいる間は4人でずっと行動するようにしよう。僕らがが迷宮に潜っている間は、申し訳ないけどディーはギルドから動かないようにしてもらっていい?」


「わかりました」


「リュウは、彼奴らが何か仕掛けてくると考えているのか?」


「う~ん、何とも言えないけど…いやな予感がしてるのは確かかな」


「…ふむ、用心に越したことはない…か」


「私は構わないわ。どうせほぼ迷宮にこもりっきりになるんでしょうし」


そういいながらサラダをモシャモシャと食べるシャル。

彼女のことも考えなければならないな、と思う。

元々は、シャルはこの迷宮に挑戦している間の助っ人の予定だったわけで、迷宮が攻略できたら、契約を解除するつもりだった。


ただ、いざいっしょに戦ってみたら、彼女の能力の高さに驚かされた。

今日なんて、まさか魔力の合成と特殊詠唱を組み合わせて、下級魔法を上級魔法と同じ威力まで引き上げるなんて芸当、普通じゃできないと思う。


それに、今回の騒動のせいで、彼女自身この町で冒険者活動を続けるのは難しいのではないか、とも思う。これも僕らが彼女を勧誘したことから始まったわけで、多少なりとも責任は感じているのである。


でもそういった事情を抜きにしても、付き合った期間は短いとはいえ、彼女の人となりはある程度理解できたつもりだ。彼女なら、一緒に冒険していきたいと思える。これはパーティーの共通認識だ。


「ねぇシャル…」


ではいざ、勧誘のお時間です。断られたらどうしようか。いやほんとうにどうしよう…

そう思っていた矢先である。


「キャアアアアアアアアアアア!」


「なんだ!?」


結構近いな。すぐ表のとおりから聞こえてきたのは女性の叫び声であった。いや普通嫌な予感ってこうもすぐ当たるものなんですかねぇ!?


「エリーとディーはここにいて。シャル!」


「えぇ!」


僕はシャルを連れて店を飛び出し、叫び声のした方へと目を向けた。

そこにいたのは、


「ギャハハハハハハハハハハ」


「誰か助けて…!」


女性の襟をつかんで持ち上げている男、昨日シャルにいちゃもんを付けていた人物張本人であった。







「くそがっ…!」


俺たち【岩石獣】は、鳴り物入りでここリーザナにやってきた。

地元ではだれにも負けなかった俺たちは、きっと都会に出たって負け知らずで富や、名声をほしいままにできると、そう思っていた。


だが現実は違った。

いざ迷宮に潜ってみても、D級を攻略するのがやっと。

C級だって中層の上の方をうろうろして日がな暮らせる金を稼ぐので精一杯。

等級は銀級から一切上がらず、自分たちより後に冒険者になったガキどもが、あっという間に金級になって王都に進出していったのを何度見送ったか、もう覚えてねぇ。


だが、そんな俺たちにもついにツキが回ってきたと思ったんだ。

C級迷宮の突然の変化。この大騒動を解決できれば、俺たちは一躍この町のヒーローになれる。

だから、そこらへんで歯牙にもかけられていない魔法職を女をひっかけて、さっさとちんけな迷宮なんて攻略して、王都へ凱旋してやろうと思ったのによ…!


「あんのガキどもが調子に乗りやがって…!あぁいう目をしたやつらが一番イラつくんだ…!」


俺の仲間どもは、ちょっとゴーレムに殴られたからってピィピィ泣いて病院送りになりやがった。

おかげで多少は残っていたパーティーの資金も底をつきつつある。このままじゃいずれ破産だ。


「何かお困りのようですねぇ…」


「…何もんだてめぇ」


気配もなく突如背後に現れたのは、

シルクハットにスーツを着たいかにも胡散臭そうなジジィ。


「私、ボランティアでお困りの冒険者の方々をお助けしているものでして…」


普通なら。こんな変な見た目をしたやつの言うことなんて聞くだけ無駄、そのはずだ。

だが、なぜか俺は、話ぐらいは聞いてやろうじゃねぇかって気分になってる。

そしてその感情に違和感を感じない。


「なにやら、あなた様も相当にお困りのようですので。わたくしになにかできることはございませんか?」


「…てめぇになにができるってんだ」


「そうですねぇ…考えるに、あなた様には今、相当にお怒りをぶつけたいお相手がいらっしゃるのではありませんか?」


「…だったらなんだ」


「あなた様に、そのお相手を打倒するだけのお力を、お渡しできます」


「…詳しく聞かせろ」


…どうやら、まだ天は俺を見放してねぇみてぇだな。

見てろよあのガキども。てめぇらのことは絶対に許さねぇからよ。

俺はもうその時には、俺をコケにしやがったあの憎たらしいやつらに復讐することしか考えていなかった。

だから気づかなかった。


目の前のジジィが、これまでの人生で一度も見たことないような、凄惨な笑みを浮かべていたことに。









「あれはっ…!」


間違いない、昨日シャルに絡んでいた冒険者だな。

あの様子、明らかに普通じゃない。


眼は血走っているし、よだれをまき散らしながら喚き散らしているさまは、まさに精神異常者というようないでたちである。


「その女性を放しなさい!」


シャルの声に反応した男、確かガスマンといったか。

こちらの声に反応すると、それはもう不気味な笑みを向けた。いや鳥肌やばすぎるんだが。


「…よぉてめぇら。まってたぜぇ…?」


「どういう意味よ」


「俺はなぁ…てめぁら後輩どもが調子に乗ってるみたいだからよぉ…ちぃっとばかしお仕置きしてやろうと思ってたんだ…」


「はぁ?」


「その前にちょうどよくいい感じの女がいたからよぉ…こいつでちょっと発散させてもらおうとおもってなぁ…ヒャハッ」


完全に狂っている…

ギルドで見かけたときは、良識はなくともまだ理性は感じられた。

だが今は違う。あれではもはや、本能に従うしかないただの獣だ。


「だが…てめぇらのほうから来てくれたんならもうこいつは用済みだぁ…」


そういうとガスマンは、抱えていた女性をまるで物のように投げ捨てる。


「シャル!」


「わかってる!」


シャルには女性の介抱を頼むとして、僕はこいつを無力化しなければならない。

ギルドで相対したとき、こいつの実力はだいたい測れた。ならば、一撃で意識を刈り取るのは容易なはずだ。


「安心しろ。峰内で済ませてやる」


___最刃流 紫電一閃___


稲妻のような一閃を首もとに。一瞬での上の血流を遮断されたガスマンは、そのまま意識を失い…


「…は?」


刃が、通らない。ただの人間の皮膚に。

いくら峰での攻撃とはいえ、全くダメージが入らない人間なんて存在するはずがない。

瞬間、まるで馬車に追突されたかのような衝撃が、僕を襲った。





「なによ…あれ…」


あの男、ガスマンに投げ捨てられた女性は、打ち捨てられた衝撃で気を失っていたものの、目立ったケガもなく、命に別状はなさそうだった。


巻き込まれないように道の端に彼女を寄せて、いざリュウの援護に向かおうと思った。まぁ、リュウなら私の助けなんてなくても、あんな筋肉を無駄に膨らんだだけの風船男なんて一発で…


ドガァァァァァァァン!!


最初は信じられなかった。

だって、リュウが頭をぶん殴られて吹き飛ばされてる光景なんて。

近隣の壁まで吹き飛んだリュウは壁を突き破って、動かなくなった。


え、うそでしょ…?そんなわけない。なんなに強かったじゃないのあんた。

なのになんで。私が、私のせい…?私が、変なやつに絡まれたせいで…?


「まぁず一匹ぃ…」


「…っ!射撃(ショット) (フレイム) 一重(シングル) 球体(スフィア)火炎弾(フレイムショット)】!」


下級とはいえ魔法よ。直撃したら人間なんてひとたまりもないはず!


私の火球はヤツの顔面を正確にとらえた。とらえたはずなのに。


「効かねぇなぁ…?」


「うそでしょっ!?」


無傷なんてことある!?火の玉顔面に食らってんのよ!?普通の人間じゃありえないでしょ!?


「さぁて、てめぇはどうしてやろうかぁ…?」


「くっ…」


どうする?どうすればいい?今から詠唱したって魔法の発動は間に合わない。かといって走って逃げたってどうせすぐ追いつかれる。もしかして、詰ん…


技能(スキル) 突撃盾(バッシュ)!」


「あぁん?」


鈍い衝突音とともに、ガスマンが吹き飛ばされる。


「エリー!?」


「けがはないか!シャル!」


「リュウが…!リュウが…!」


私が指さした先を一瞥したエリーは、一瞬顔をしかめたものの、

すぐに視線を敵に戻した。


「今、ディーがギルドに走っている。それまで耐えるぞ」


「…でもっあいつっ」


「大丈夫だ。耐えるのは得意なのでな」


リュウを助けるにしても、こいつをどうにかしないといけないのは間違いない。


「私が魔法を使う時間稼いで。でかいのでいくわ」


「つまりいつも通りというわけだな。理解した」


ここからはわからないけど、リュウがもし重傷を負っているなら、早く病院に連れて行かなければならない。なら、とにかく早くこいつを倒さなければ。


「さっさとぶったおすわよ、こいつ!」


「承知!」



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