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閑話2 とあるなんでもない1日

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などどしどしお待ちしております!

「ふあぁ…」


おはよう世界。僕はリュウ・ランデルという何の変哲もない一般人である。

冒険者になるためにギルドにやってきたはいいものの、そこでとんでもない事件に巻き込まれた結果、

気づいたら迷宮を攻略していたりエルフの仲間ができたり飛び級で金級(ゴールド)からスタートしたり…


まぁ一般人の範疇といっていいだろう。


「あら、おはようリュウ」


「おはよう、母さん」


迷宮から帰還したとき…といっても僕は意識を失っていたから、あとからきいた話なのだが、母さんと父さんには目いっぱい心配をかけてしまってらしい。


それもそうだ。一人息子が初心者向けだ~って触れ込みの迷宮から大怪我負って意識もないまま帰ってきたんだし。


「今日も早いのね。また迷宮の調査?」


「いや、今日はお休み」


ここ数日、さっそくギルド長からの指名依頼が舞い込んできた。

迷宮飽和(スタンピード)から約1週間。

ナールビエ迷宮の再稼働に伴って、迷宮飽和以前と内部の様子が変わっていないか、数回にわたって調査に向かってほしい、という依頼だ。


1週間ほどですでに3度迷宮に潜ったが、今のところD級から大きく離れた難易度にはなっていないようだ。このままいけば、来週にでもナールビエ迷宮は、一般に開放されるだろう。


「ここ何日か迷宮に行ってたおかげでいろいろ入用になったから、今日はエリーと買い出しに行く予定だよ」


「ふ~ん…エリーさん…ねぇ…」


「な、なんだよ…」


「いいえ~なにも~。リュウくんにも春が来たのかな~って」


「急に何を言っているんですか」


つい敬語になってしまった。

いやエリーとは戦友であってそういう関係ではない。いらぬ勘違いをしないでほしいものである。


「王都に行く前に信頼できる人ができたみたいでよかったわ~予想よりだいぶ早かったけれど」


「それは…まぁ、そうかも」


「ふふっ。今日は遅くなるの?」


「夕飯までには帰るよ」





母に見送られて町へと出る。

待ち合わせ場所である町の中央部、大きな噴水のある広場に向かう。


「エリー、待たせてごめん」


「いや、私も今来たところだ」


おや、このくだりは普通男女逆ではないか?

まぁいいか。


「今日はどこで買い物をするのだ?」


「ポーション類全般と保存食用の野菜、あとはもろもろ消耗する類の道具かな」


「では、一番街の商店から行くのが良さそうだ」


「そうだね。じゃあ早速行こうか」





それから僕たちは、商店街で顔なじみになって人たちと談笑を挟みながら買い物を進めていった。

ところどころ、ご年配のご婦人方に


「あら~仲の良いご夫婦ねぇ。これもっていきなさい!」


「い、いえ。我々は夫婦なのでは…!」


「あらやだじゃあまだ恋人さんだったのねきがやはくてごめんなさいねじゃあこれ持っていきなさい!」


「いや恋人でもなくてですね…!」


なんていう一幕もあった。

エリーの照れている姿をまた拝見できて役得であった。


結局「あらあらうふふ」なんて意味深に笑う皆様に大量の野菜や果物を渡されてしまって、本来想定しているよりもかなりの大荷物になってしまった。


「うぅむ…果たしてこの量を消化しきれるのであろうか…」


「ディルーネさんにも渡そう。ギルドの皆さんにもおすそわけして…」


「その手があったか」


ディルーネさんがギルドの受付でくしゃみを連発していたとかいないとか。




「そろそろ昼時だな。どこかで買ってたべようか」


「あ、それならこっちに美味しい屋台があるんだ」


「いいな。ではそこにしよう」


くだんの屋台は串焼きのお店である。

牛肉を甘辛いタレにつけ焼きしており、それはそれは美味しいのである。

よく師匠の修業終わりによく食べたものだ。


そういえば師匠のことだが、

僕の修業を終えたあと、


「ワシもちょっと鍛えなおさんといかんなぁ」


といってどこかに旅立ってしまった。

まぁあの飄々とした人ならどう転んでも問題はないだろうし、大丈夫でしょう。


と、話がそれてしまった。


「ここがそのお店だよ」


「牛串か!いいな!では先ほどの公園で落ち着いて食べようか」




「…正直、こんな穏やかな日を迎えることができるとは思わなかったよ」


「ほんとうになぁ…」


あの迷宮での一件は、僕らにとってはもちろんこのナールビエ、ひいては国を揺るがす一大事件になった。


迷宮飽和(スタンピード)に加えて、迷宮を操る力を持つ魔人の出現…


実際僕らじゃなかったら、あの異常事態満載の迷宮から脱出することはかなわなかっただろう。


「まぁ、たまにはこういうのんびりした日があってもいいんじゃないかな」


「そうだな。今度はディルーネも誘ってでかけるのもいいかもしれない」


「エリーって、ディルーネさんと仲いいよね」


「まぁ、ギルドに入ってそこそこ長い付き合いだしな。友人…といって差し支えない…と信じたい」


「急にトーンダウンするじゃん…」


僕の目立てが正しければ、ディルーネさんもエリーのことをしっかり友人判定してると思うぞ。

むしろ親友ぐらいには思っているかもしれない。


牛串をほおばりながら、ゆったりとした時間を過ごす。

迷宮に初めて潜ってからここ2週間ほどは、いろいろな手続きや依頼でバタバタしていたおかげか、

こういう時間がすごく貴重に感じるなぁ。


割と本気でディルーネさんとエリーと3人で出かけるの、しっかり計画立てていくのもいいかもしれないな。心の休養も冒険者にとって大切な要素である。


「そうだ、そろそろナールビエ迷宮も一般開放されるされるのだろう?そうすれば我々の迷宮調査の依頼も完遂ということになるのか?」


「そういうことになるね」


「では、それを見届けたらいよいよ…?」


「うん、いよいよだ」



そう、僕たちの目標でもある魔人の情報を得るため、そして上級迷宮の踏破を目指して





向かうは、王都へ。








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