プロローグ
プロローグ 取り敢えず、やれるだけやってみます。
「やっと、着いたか」
愛馬に跨がりながら安堵の表情を浮かべる中年の男がいた。
その男の名は、ジェームス・R・ウィリアム。
ソレイユ王国のコーシャン地区を統治するウィリアム伯爵家の三男で、現当主ゴードン・M・ウィリアムの弟である。
若き日はソレイユ王国軍のエリート軍人だったのだが、職を捨てて勇者(冒険者の総称)として旅を始めた。
様々な場所を巡り、軍で培った戦闘力を生かして幾多のクエストを攻略。
その実績が評価され、勇者の中でも最高クラスの特級勇者の称号を得ている。
そんなソレイユ王国に四年ぶりに帰って来たジェームス。
ソレイユ王国の国境沿いの街、ミラルグは人々の往来が激しく、商業が栄えている。
また、異国人も商売目的で訪れるのもあって市場はとても活発である。
「・・・よし、
入国を許可します」
「はっ! ありがとうございます」
国境に設置されている、関所の審査担当から入国許可が下り、無事に故郷の地へと足を踏み入れたジェームス。
(4年ぶりのミラルグだが、
相変わらず活気に満ちてるな)
活気ある街を見て、笑顔が溢れるジェームス。領地を治める一族の人間として、その光景はあるべき姿と考えている。
(さて、コーシャンへ1日でも早く着かなくては)
ジェームスは急いで故郷を目指すことにした。
愛馬を駆けさせながら、その背中に乗る姿は逞しく、勇ましく見えた。
その頃 関所の事務室では、
「遂に、帰国なされた様です」
「よし、ゴードン様に早馬を送れ」
「はっ!」
「ゴードン様も喜ぶだろうな。
勇者様の帰還には」
異世界版ならではの世直しを書ければと思います。