12 サタンの会
初投稿です。誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。
とりあえず、最後まで書き終えました。煮詰めつつ投稿する予定です。
【サタンの会】
かつて『サタンの会』、というのがあった。
先年、国の異端審問で異端と判定された。
悪魔を奉る教えなんだと。
それだけじゃなく、貴族を中心としてこの国の中心にいるような人々に
この『サタンの会』が食い込んでいて、国の破壊活動を行っていたらしい。
悪魔を奉るだけじゃなく、
徹底した人間中心主義、貴族中心主義で、
封建主義の悪霊みたいな会だという。
そういう教えは確かにあるのだが、実はサタンの会、教会の裏部門であった。
教会のダークサイドなのである。
異端判定後、『サタンの会』は『堕天使の会』と名を変え、活動を継続した。
『堕天使の会』は教会の教えに背く人物、はっきりいえば教会の利益を損なわす人物を排除する暗殺部隊である。
教会の洗礼で魔力なしと鑑定された孤児たちが、実は優秀な魔法使いであった。
何しろ、エレンなる孤児はダントツトップで学院に合格したのである。
この事実は教会には絶対看過できないものであった。
排除すべき。
教会はそう判断した。
ところが、孤児院にはまるで入り込めない。
しかし、孤児の代表者であるエレンという学院生はガードが甘そうだ。
そこで選ばれたのがロバートである。
元々、根っからの貴族中心主義者。
平民は唾棄すべき存在であるし、なんなら王族でさえ無視したい、
そう考えていた。
要するに、地方領主の悪い考えがこびりついていたのである。
そのロバートに暗示をかけた。
エレンを排除せよ、と。
ロバートは、無理なく決闘に持ち込む作戦に出た。
決戦用に火の上級者魔法を放つ魔導具と大きな魔石をもって。
決闘はこの国では名誉なこととされる。
入学からエレンを煽り倒した。
エレンが歯向かえば、すぐに決闘に持ち込むつもりであった。
この魔導具さえあれば、あとかたもなくエレンを粉砕できるであろう。
多少の不自然さなど関係ない。
ロバートは勝利を確信し、決闘に臨んだ。
しかし、結果はあのとおりであった。
いいところなく、一方的に敗れ去った。
しかも、サタンの会に関わっていることがばれてしまった。
学院を追い出され、実家も追い出された。
しまいにはリョータの幻想魔法により、廃人になってしまった。
『ロバートはいい』
頭を抱えたのは、教会と実は裏でつながっていたロバートの実家、アビントン伯爵であった。
『あのような無能がどうなろうと、いやむしろ、排斥されたのは好都合。儀式に色を添えることができる』
アビントン伯爵は邪悪な笑みを浮かべると、魔法陣を浮かび上がらせた。
それは禁断とされるものであった。
『悪魔よ、いでよ現世に』
しかし、悪魔は現れなかった。
その代わり、アビントン伯爵は魔法陣の捧げものと認定された。
黒い霧とともに、伯爵は魂ごと永久に消滅したのであった。
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