06 ヘンリー商会を立ち上げる
初投稿です。誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。
とりあえず、最後まで書き終えました。煮詰めつつ投稿する予定です。
【ヘンリー商会を立ち上げる】転移6年4月~
さて、エレン軍が圧倒的な行軍を見せている頃、
もう一つの重要な動きを見せる人物がいた。
ヘンリーである。
ヘンリーは、首都に本拠地をかまえるアディソンSS商会の三男であった。
アディソン商会は、ランスター王国を代表するような大商会である。
しかし、その教育は厳しかった。
その教えはこうである。
『レストランに入る。席に座る。隣のテーブルに座る男に料理が運ばれてくる。それをいかにタダで自分のものにするか』
そういう教えをしてきたのが、現当主のクレイグ・アディソンであった。
叩き上げの彼は20年たらずで、立志伝中の商会をつくりあげたのだ。
元々は靴磨きから始めた。僅かな元手で始めた商売がSS商会。
SSとはシューショップの略である。
靴磨き転じて、靴の小売から始めたのだ。
その商会長の教えはある意味正しい。
それで商会を大きくしてきたのだから。
しかし、その反面、多くの敵を作ったのは確かだ。
しかも、厳しく育てあげられたとはいえ、
彼の子どもたちは裕福で教育がある。
そんな教えに納得できないのは当たり前である。
ヘンリーもそうだった。
父親を嫌いではなかったし、尊敬もしていたが、
彼のもとで商売をする気になれなかった。
だから、リョータの独立への誘いにはすぐに乗った。
そもそも、世界樹に信奉していたのだ。
礼拝は簡単でも、言葉では表現できない力がこの礼拝にはある。
ヘンリーは日々の礼拝でますますそれを確信していくのであった。
実際、ヘンリーのステータスは同年代とは比べられないほど、強化された。
ただ、エレンの強化には及ばない、というだけである。
ヘンリーの現状はこんな具合だ。
名前 ヘンリー
年齢 15歳
性別 M
出身 ランスター王国カザール
種族 ヒューマン
○HP 225(15歳男子平均は約120)
○MP 440(15歳男子平均は約110)
○筋力 52(15歳男子平均は約30)
○体力 58(15歳男子平均は約30)
○速度 47(15歳男子平均は約30)
○知力 65(15歳男子平均は約30)
○精神 260(15歳男子平均は約20)
○意思 68(15歳男子平均は約30)
○物理基礎力 56(15歳男子平均は30)
○魔法基礎力110(15歳男子平均は27)
このステータスは、15歳としてはトップクラスと言えよう。
そのヘンリーだが、海外貿易を担当してもらうことになった。
合わせて、『ヘンリー商会』を立ち上げる。
そのために外洋用の船を作ることにした。
以前、港を整備したときに200トンクラスの船を作った。
今度は500トンクラスに挑戦する。
外板も、ピョン太の鋼板の研究が進んでいる。
鋼に少量のレアメタルを混ぜて圧延し、
より丈夫でサビに強い船体を作れるようになった。
もっとも、マゼランは100トンぐらいの船で世界一周とかしていた。
当時、中国には2千トンクラスの船があったらしいが。
つまり、現状の200トンの船でも南の島程度なら問題はないと思うが、
将来は貿易範囲を広げたいからな。
ヘンリーの最初の任務は、南の島エレレニアとの貿易。
例のモフモフを崇める部族を中心とした交易である。
出来上がった船は、時速20km程度で巡航する。
この時代の船としては、規格外の高速艇である。
他の帆船はせいぜい時速10km弱だった。
大抵は人間の小走り程度の速度しか出なかった。
オレたちの作った港マピアから、あの部族の村トライドまで、
1500km3日の旅。
これで、カカオと香辛料、特に胡椒の安定供給にこぎつけた。
ただし、中世のような胡椒で大儲けとはいかない。
割と気軽に手に入るからだ。
遠いインドとかまで出かけていたから高額なのであって、
本来はさほど値の張るものではなかった。
ただし、チョコレートは違う。
カカオはそれほど珍しいというわけでもないが、
仮にチョコレートにする方法をみつけたとしても、
ウチとは精度が違う。
しばらくは、先行者利益を貪ることができそうだ。
次に、隣国ローマン帝国の東南の街バレガーと
東の隣国アーロッシ帝国の南西の街カリダとの交易だ。
両方ともランスター王国との国境近くの街だ。
バレガーはローマン帝国首都ゴスメラから遠い。
元々ホラレスを首都とする王国の一都市で独立機運が高い。
カリダはアーロッシ帝国とランスター王国国境近くの街。
元々アントゥーゾンを首都とする王国であった。
首都アルメロから遠いので、こちらも独立機運が高い。
ここに、こっそりユグド街製品販売所の拠点を作る。
そして周辺の街に拡散していく。
最後に、ローマン帝国の西側の海を渡ったところにある大陸。
特に、その大陸の東端にワーコクという島国があるそうだ。
良質の刀を製造しているという。昔の日本に近そうだ。
もしあるのなら、良質な米・醤油・味噌などの前世日本の特産品が欲しい。
オレは米がなければ、というタイプではないが、
ウチには小麦があり、とうもろこしもある。
米だけない。
南の島の住民に作らせる、という手もある。
というか、その辺で作っていそうだが、
米って面倒くさそうなんだよな。
特に前世日本の米は典型的な集約農業って感じ。
腰が痛くなりそうで、生産は少し敬遠している。
あと、ワーコク周辺にカイコがいそうな気がする。
カイコはなんというか、非常に健気な昆虫で、
愛玩昆虫としても人気があるという。
なんとか見つけ出せないだろうか。
そしたら、ウチでも養蚕業を起こせるんだが。
絹はかなり付加価値が高いからね。
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