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09 魔法訓練3

初投稿です。未熟者ですので、誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。

【魔法訓練3】転移元年4月


 風魔法の次は水魔法と土魔法の発動に成功した。


 分子の状態をイメージするだけでいいのなら、水魔法は分子の詰まった状態。

 土魔法はぎっちりかつ整頓した分子の並び。

 そうイメージしつつ、魔法を詠唱してみると案外簡単に魔法を発動した。


 イメージ魔法なので、風魔法なら空気、土魔法は大地を資源にできる。

 水魔法は? そばに川や海があれば簡単だが、なければどうするか。


 その点でリョータは当初まごついた。

 水魔法を発動できても水源が見当たらないと威力が出ないのだ。


 それを解決したのは雨のイメージだ。

 オレは前世の現代人だから、雨のメカニズムを知っている。

 空気中の水が飽和して雨が降る。

 このイメージを追加したところ、水魔法を強化できるようになった。

 空気中から水を供給してもらうのである。


 しかし水魔法は砂漠のようなところでは勢いのある魔法を打てない。

 それでも、水を簡単に供給できるようになるので、大変便利な魔法となった。



 ただ、火魔法はイメージができずになかなか発動しなかった。

 キャンプファイアとかガスコンロとか、火は身近なんだが。


 火魔法はあきらめて他の魔法の練習をする。

 詠唱を早口で唱えると、詠唱が終わらない前に魔法が発動するようになった。


 ひょっとして、と無詠唱で魔法を発動してみた。

 するとイメージだけで魔法が発動するようになった。


『無詠唱か、やるな。そこだけなら魔法の上級者だな』


 と褒められる。またもや得意なオレ。オレは褒められて・・・略


 魔法をドッカンドッカンやっていたら、そこら中の土がめくれて大変なことになった。

 そこでロボは土魔法で整地しつつ、そばの木に何か語りかけていた。


 すると驚いたことに、多くの草木が自分の枝でスカートを持ち上げるように根を引っ張り上げ、てれてれ奥へ移動していった。


 あれらの木が魔木だとは前に説明してもらっていたが、実際に目の当たりにするとなんだかユーモラスな光景に笑ってしまう。


 ちなみに奴らは光合成もするが、近づいた獲物を捕食する肉食植物でもある。

 オレたちに危険はないのか、と聞くと


『私たちは神の使徒、神獣だし、主はオレたちの加護持ちだ。攻撃されることはない。それに、奴らは世界樹の眷属(けんぞく)。世界樹のガーディアンでもある』



 無詠唱を練習しつつ、火魔法について考えてみた。


 他の魔法も分子レベルでイメージできるのなら、火も同じだ。

 火の分子運動。化学式でも試してみるか。


 ということで、火ー燃焼の化学反応を思い出してみる。

 燃焼は可燃物と酸素が激しく反応する酸化反応だ。


 簡単なのは水素ガスの燃焼である。

 つまり酸素分子+水分子を思い浮かべ、分子を激しく衝突させて爆発を起こさせるイメージを思い浮かべる。


 すると、目の前で小さな爆発がおきた。

 驚いて1歩下がってしまったが、これはちょっと危ないな。

 分子を飛ばして数メートル先で反応するようにすると、うまくいった。



 しかし、水素はどこから湧いたのか。というか、今のは水素ガスなのか。

 少なくとも、何もないところから可燃物が現れたのだろうか。

 詠唱はそれを補助するのか。


 火魔法は謎がとけないまま、魔法の練習を繰り返す。

 火魔法は発動はできるのだが、無詠唱ができない。


 疑問をもってしまったからだろうか。

 それに火魔法というよりは爆発魔法になってしまった。


 そこでプロパンガスの燃焼をイメージしてみる。

 水素ガスの燃焼はイメージできたんだから、ガスも同じだろう。

 なんとか小さな炎が指先にポッとついた。


 熱いので、ちょっと炎を離してみる。

 炎の移動がうまくいったので、炎を人魂のようにぐるぐる動かしてみる。


 火の発生するイメージができてきた。

 次はガスコンロを強火にしてみたり、キャンプファイアを思い出してみたり。

 火炎放射器をイメージしたりして、火魔法ファイアを発動していく。



 結局、火魔法ファイアは、イメージによりガスコンロから火炎放射器や水素ガスの爆発まで様々な形になった。


『それは火魔法ファイアというよりは、おまえのオリジナル魔法だな』


 と評してくれた。

 ただし、可燃物をどこから持ってくるのか。

 その謎がとけない。魔法も威力のあるものが放てない。



 もっとも、ロボ曰く、火魔法は室内では使えない。窒息する。

 可燃物のそばもあぶない。延焼する。

 人の近くも気をつける必要がある。ていうか、本人が下手すると火傷する。


 結局、火魔法の使う場所は火種にするためのファイアに限定した。

 他に使えるとしたら、戦争か?オレは戦争に行く気はないし、

 大規模破壊なら他の魔法でも実現可能だ。


 ということで、オレ的には火魔法は積極的に使わないことにした。

 封印してもいいかも。風・水・土魔法でも十分だからな。



 というか、可燃物取扱技師みたいな許可書を火魔法士に発行する必要がある。

 将来は火魔法士は登録制にして火魔法士を取り締まるとか。

 妄想が広がる。


 これは後年の話だが、オレ達の街ユグドでは様々な魔法が登録制となった。

 例えば、同じ火魔法ファイアでも人により個性が出る。


 その個性とともに登録されたることになり、

 魔法の登録制は、この世界初のプロファイリングとなった。



しばらくは6時と18時頃に投稿します

面白いと思った方、ブックマーク、ポイントを宜しくお願いします。

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