25 トムの視点
初投稿です。誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。
とりあえず、最後まで書き終えました。煮詰めつつ投稿する予定です。
次は夜の8時頃に投稿予定です。
【トムの視点】
オレはランスター王国のしがない村の出だ。
小さい頃から悪ガキだった。
付近でオレの名を知らないものはいなかった。
おまえなんか、都会にいったらタダの暴れん坊だ。
ってよく言われたが、都会に出てきてもやっぱりオレは強かった。
でも、ある日こてんぱんにやられた。
A級パーティにいたグレアムという男に。
てんで相手にならなかった。
オレは彼に教えを請うた。
負け犬にはなりたくなかった。
今は頭を下げてるが、必ず見返してやる。
グレアムは朝稽古にオレを参加させてくれた。
そこはAクラスパーティ、後にSクラスになるパーティの稽古だ。
とんでもなく厳しかった。
オレはグレアムたちから基礎を学びなおした。
そして、彼等と実践的な稽古。
オレはぐんぐんと実力が上昇した。
オレは若手の強い奴らとともにパーティを組んだ。
若手期待とおだてられ、実際強かった。
Aクラスパーティにまで上り詰めた。
あと数年、しっかり成果をあげていけば、Sクラスも狙えた。
ところが、ちょっとした口論からパーティが紛糾した。
誰もがお山の大将だった。
プライドの塊、挫折をしらないものの集まり。
引くことのない口論ーそして大げんかのはて、
パーティはあっさり分裂した。
オレは荒れた。
金だけは十分にもっている。
博打、女、その他、今までの鬱憤を忘れるかのごとく、
湯水のように金を使った。
気がついたら、オレは薄暗い牢屋の中で雁字搦めに縛られていた。
奴隷商に売られていたのだ。
強制力のある首輪をして、オレは数ヶ月はリハビリをさせられた。
ドラッグもやっていたので、薬を抜くのに時間がかかった。
なんとか回復、厳しい修練のあと、オレは昔の実力を取り戻した。
『ようやく、投資を回収できます』
奴隷商はオレに言った。
売られたのは、どこかの子爵だった。
1億pかそこらだったと思う。
そいつはケチな差別主義者~貴族にはよくいる~だった。
そこで、アーノルドという男がオレの相棒となった。
アーノルドもオレと同じような境遇で奴隷に落ちていた。
アーノルドとは気があった。
仕事は主に息子の護衛、時には領地の紛争にも投入された。
ある日、息子はオレとアーノルド、奴隷メイドのグレースと共に
カザールの冒険者ギルドに向かった。
そこで子爵の息子がトラブルを起こした。
決闘だと。
やれやれ。適当にお茶をにごすか。
相手は覇気のない20歳ぐらいの男だった。
オレは相棒となったアーノルドに目配せすると、男に切りかかった。
途端に男は変貌した。
『しまった、奴は気を隠していた』
上級冒険者にはよくいるタイプだ。
オレはやつが冒険者初心者だと思って油断したのか?
いや、やつの気の隠し方は上級レベルだ。
オレが瞬時に判断した瞬間、オレは吹っ飛ばされた。
あちこちが折れ曲がっている。
激痛に耐えながら、護衛対象の子爵息子を見る。
子爵の息子は、負けたら奴隷、という契約を結んでいた。
そして、何をされたか知らないが、頭髪が真っ白になり、
目から輝きが失せていた。
決闘相手の男は俺達の治療をしてくれた。
しかし、子爵息子には容赦をしなかった。
子爵家に戻ると、息子は廃嫡、勘当された。
そりゃ、恥ずかしいだろう。
一方的に喧嘩をふっかけ、奴隷に落とされても文句がいえず、
しかも覇気を一切剥ぎ取られてしまった。
それが、格好の噂となって、領地を駆け巡っている。
今は離れた土地で誰かに面倒を見てもらって暮らしているらしい。
オレは一緒にいたアーノルドと奴隷メイドのグレースとともに、
再び奴隷商に売られた。
ショーアップで出ていくと、あの男がいた。
オレを瞬殺した男だ。
彼はオレたちを評価していた。
そして、アーノルド、グレースとともにオレたちを買った。
聞くところによると、子爵家は何故か館ごと爆砕したらしい。
好かない連中だったが、何があった?
それからは天国だ。
オレたちは奴隷の扱いをされなかった。
街の外へは出られなかったが、それはこの街の住民全てだ。
ノウハウの流出防止のためであった。
それに、2年後、オレたちを奴隷から開放してくれた。
どこへ行っても構わないという。
三人ともそんな気はない。ここは天国だ。
何よりもここに来て良かったとしみじみ思うのは、礼拝。
世界樹に毎朝晩礼拝するのだが、これが心地よい。
だからか、いろいろ素直に反省してしまうんだな。
ちょっと残念だったのは、グレアムの娘ブランシェがこの街に来て、
どうもオレの主、リョータとくっつきそうなことだ。
別段、狙ってたわけじゃない。
だが、彼女の美貌は飛び抜けてた。
オレが初めて彼女を見かけたのは、グレアムとの朝稽古を始めたばかりの頃だ。
グレアムの奥さんも超美人だったが、ブランシェはその血をよく引き継ぎ、
その時から将来が楽しみな娘だった。
『よくぞ、女房そっくりに生まれてくれた』
グレアムはブ男ではないが、強面の容貌の持ち主だ。
数年後、彼女はエルフ並みの美貌を備えた女性に成長した。
エルフのように整ってはいないが、柔らかい美貌の持ち主だ。
その代わりと言ってはなんだが、オレはグレースと仲良くなった。
グレースの容姿はブランシェほどではない。
それでも人目を惹く美貌の持ち主だ。
それに料理が上手で、オレは胃袋を掴まれた。
彼女の料理の腕はユグド街一番だ。
つまり、王国一と言っても過言ではない。
結婚するかもしれない。
結婚は墓場だぞ。そう言うお節介な輩も多いが、死んでしまえ。
オレは幸せなんだ。
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