19 クロマトグラフィーと石鹸類
初投稿です。未熟者ですので、誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。
とりあえず、最後まで書き終えました。煮詰めつつ投稿する予定です。
なお、本日は3話投稿する予定です。
【クロマトグラフィーと石鹸】転移元年のある日
オレは魔法の覚え方として、分子の動きを説明したことがある。
更に物質は色々な分子から成り立っていることを説明し、空気を鑑定するよう促した。
モフモフたちは、さっそく空気を鑑定してみた。
『(●●78%、○○21%・・・)』
『●●は窒素、○○は酸素だ』
ピョン太だけは、それ以外の分子も測定できるようだった。
『(▲▲0.9%、△△0.041%・・・)』
『▲▲はアルゴン、△△は二酸化炭素』
ピョン太は大喜びでいろいろなものの分析を始めた。
ピョン太はホント、科学者向けだな。
ピョン太が植物の分析を始めた。
オレはピョン太にこの花の匂いの物質はなんだろうと聞いてみた。
すると、
『(■■)』
と答えたので、その物質をこの瓶へ採取可能か聞いてみた。
一瞬にしてそのあたりの同種の花から僅かばかりながら液体を採取した。
『これは精油、アロマだ。これをお風呂や自分の部屋に少しだけ垂らすと、花に囲まれたようになる』
すると、九尾の狐ラパンと白孔雀ブーレが食いついた。
いくつか、採取用の瓶、不透明なガラス瓶スクリューキャップ付を作り上げ、ピョン太を引き連れて色々な種類の花やいい香りのする草のアロマを集め始めた。
しまいには、ピョン太なしでアロマを採取できるようになり、そのまま日がくれるまでアロマ採取に熱中した。
オレは、ディフューザーを教え、石鹸、リンス、コンディショナーに混ぜてみたいから、今後も定期的にいろいろな植物のアロマを集めてほしい旨を頼んだ。
1週間後、とんでもない種類と量のアロマを集めてきた。
まさしく、好きこそものの上手なれ、だな。
何にしても、歩くクロマトグラフィーだ。
※クロマトグラフィーとは、物質の分離・分析の方法。
【石鹸】
九尾の狐ラパンと白孔雀ブーレがアロマ集めに精を出し始めたので、オレも『きれいな生活』向けの製品開発を本格化させることにした。
衛生観念の向上はこの世界でのオレのテーマの一つである。
というか、この世界、汚い。物理的に。
オレが石鹸類に詳しいのは、今は亡き前嫁が凝っていたからだ。
前嫁は、スィーツと石鹸やリンス類とあとなんだったか、とにかく好きなものに夢中になる傾向があった。悲しいことに。
大昔から石鹸はあった。
石鹸は、オイル+アルカリ+精製水で作ることができる。
オイルにアルカリつまり灰汁が混入して石鹸ができる、
なんてことは普通にあったと考えられる。
例えば、雨水に灰汁が混ざり込み、そこに焼いた獣の脂がたれる。
こんな状況はしょっちゅう起こりそうだ。
出来上がるのは液体石鹸であるが。
この世界でもそうした原始的な液体石鹸はあった。
しかし、獣脂を使うと臭い。
洗浄力は高くない。
アルカリが残っていると危ない。
など使い勝手のよくない石鹸になっている。
オレは21世紀レベルの石鹸開発を目指した。
■オイル
オリーブオイル
肌に優しい。保湿効果。
パーム核油
アブラヤシの種から。保湿効果。泡立ちが良い。
若干刺激が強い。
ココナッツオイル
洗浄力が高い。泡立ちが良い。若干刺激が強い。
■アルカリ※取り扱い注意 劇物
水酸化ナトリウム 苛性ソーダ。固まりやすい。
焼いた貝殻+水(水酸化カルシウム)と
天然ソーダから得た炭酸ナトリウム水溶液を混ぜて作る。
又は重曹鉱石から重曹⇒加熱⇒炭酸ナトリウム+焼いた貝殻で作る。
鉱石はピョン太が見つけてくれる。
水酸化カリ 苛性カリ。固まりにくく、液体石鹸用。
焼いた貝殻+水(水酸化カルシウム)と
灰汁(炭酸カリウム)を混ぜて作る。
※アルカリは劇物である。
肌についたら肌は溶けるし、目に入れば失明の危険がある。
■水
精製水でないと、不安定
■その他
アロマ、蜂蜜・グリセリン(保湿)、世界樹の雫
世界樹の雫入りとなると、これは薬用石鹸かもしれない。
これでいくつかバリエーションを作る。つまり、
一般向け ココナッツオイル+苛性ソーダ+グリセリン
乾燥肌用 パーム核油+苛性ソーダ+蜂蜜
敏感肌用 オリーブオイル+苛性カリ+世界樹の雫(液体石鹸)
といった具合に。
他には、普及品、中級品用、高級品などとバリエーションを増やした。
香りも無香料から各種アロマで選択できるようにした。
また、石鹸を作る過程でグリセリンもできるので、保湿効果のある
スキンケア溶液も作れる。
これで、一般向けに質が高くて安価で香りの高い石鹸を作れる。
暴利を貪る気はない。衛生観念の向上が目的だから。
暴利は、ハイソ向け。対面販売にて肌にあった石鹸を提案できる。
貴族の館を買い取って、そこでパーソナルな商売をすればいい。
そのとき、さらに高級な商品を並べればいいだろう。
そのために、各種スィーツを開発している。
ファッション好きな人がいるなら、生糸とか生産してもいいかもしれない。
製糸・紡績とか織物は産業革命の尖兵だった。
オレも簡単な紡績・機織りの技術は知っているからな。
NHKかなんかの番組で見たことがある。
一気に18世紀レベルぐらいにはもっていけるぞ。
但し、世情を見つつ、になるだろう。
産業革命進展時にはいろんな騒動が起きているからな。
【液体石鹸】
さて、もう一つの目玉。液体石鹸だ。
これを、泡ポンプ付きのキレイなガラス容器に入れて商品化する。
液体石鹸にしても泡ポンプにしても、真似るのは簡単かもしれない。
液体石鹸は昔からあるしな。
泡ポンプなんて、ポンプに網張っただけだからな。
しかし、ガラス容器とぴったりハマった精密な泡ポンプは製造技術がチート。
特に泡ポンプは側をステンレスで作成したい。
ステンレスが作れるようになると、さまざまな場所に応用がきく。
後年、泡ポンプ付きの液体石鹸はハイソな人たちの間の必需品となった。
コピー商品もたくさん出回ったが、ユグド街製品は品質感が圧倒的に高く、
コピー商品は普及品、という認識になった。
【リンスとコンディショナー】
リンスの基本は、酸性溶液。
石けんで頭を洗うと髪の毛が弱アルカリ性に傾いてごわごわになる。
そこで、酸性の水溶液を使えば中和され、サラサラヘアになる。
酸性といっても、硫酸とか塩酸では困る。
使うのは、酢とかクエン酸。
酢だと臭いがきついから、りんご酢とか臭いのマイルドなもの。
クエン酸はレモンなどの柑橘類。
コンディショナーは髪の艶を出し、保護するもの。
保湿成分をアップさせるために、オイルやグリセリン、蜂蜜。
オイルはオリーブ、ココナッツ、アーモンド。
前嫁はアーモンドオイルを使っていた。一番酸化しにくいらしい。
香りを高めるためにアロマオイル。
石鹸・リンス・コンディショナーを一つにまとめた商品とか、
髪用のシャンプーとか、シャンプーも色々なバージョンを作ってみたり、
どんどんと商品の種類が積み重なっていった。
これらを適宜合わせて販売する。
日持ちがしないため、少量ずつの販売になる。
容器にも無駄に力を入れ始めた。
クリスタルガラスに細かいカットを入れたり、
デザインに凝ってみたり、香水がはいっているんじゃないか、
というぐらいに洗練された高級感あふれる容器が続々出来上がってくる。
エーガ・ラパン・ブーレはその容器を自分専用にして満足そうだ。
作りやすそうなのは、商品の容器に指定して販売している。
『あのね、ウニャくん。それ体を綺麗にするもの。なめちゃってどうするの。いや、サラダにかけてもいいけどね。でも、ドレッシングはこちらの容器』
『うにゃ』
うにゃはレモン・オリーブオイルが大好きで、
視界に入ると一心になめ始める。
色気よりも食い気なのであった。
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