12 ブランシェの相談
初投稿です。未熟者ですので、誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。
とりあえず、最後まで書き終えました。煮詰めつつ投稿する予定です。
【ブランシェの相談】転移3年9月
『ちょっと相談があるんだが』
オレが訓練をトムとし終えて汗を拭っているとき、トムが何気に言い始めた。
『ブランシェって娘、冒険者ギルドにいるだろ。彼女、移民したいんだって』
ブランシェは、冒険者ギルドの窓口にいる美形だ。
この国には美形が多いが、その中でも上位のルックスの持ち主だ。
ギルドにいくたびに世間話する程度には仲良くなっている。
トムは元B級冒険者で、彼女のことを知っていたようだ。
トムは数ヶ月前に奴隷を開放し、外出できるようになっている。
トムがオレの命を受け、冒険者ギルドマスターのグレアムに密かに移民の紹介を頼みにいったのだ。
トムとグレアムは元々師弟関係で、馴染みだったのである。
そのときに彼女から相談を受けた模様だ。
『彼女のお父さんって、誰か知ってる? ギルマスなんだよ。厳しくってさ』
『え、ギルマスか。彼女はお父さんの血を引かなかったんだな』
『ま、そういってやるな。奥さん、美人だぞ』
そのグレアムだが、娘の監視が厳しくて、
冒険者ダメ
オレより強くないとダメ
という基準があるんだと。
グレアムは元Aクラス冒険者。
近衛兵や王立魔導士とかはコネで入っているものが多く、強さは期待薄らしい。
つまり、ブランシェには対象者がいない。
あの美貌だから寄ってくる男は多いはずだが、元Aクラスが睨んでいる。
男を漁りたいんじゃない。そういう縛られた環境が嫌なんだと。
それと、トムからユグド街のメシの美味さを聞いたらしく、興味深々らしい。
小さい頃の夢がお菓子職人で、グレースに弟子入りさせてほしいとのこと。
ああいう銀行の窓口でもできるような優秀ぽい娘に来てもらうのは大賛成だ。
しかし、お父さんは大丈夫なのか。
それは説得すると。
規律が厳しすぎるのはグレアムも承知してるらしい。
しかし、娘可愛さでどうしても厳しくなってしまうらしい。
ユグド街については、グレアムはかなり好意的に捉えているとのこと。
ギルマス曰く、あれだけ神様みたいな存在のいる場所だから、ご利益ありそう。
ギルドやめたら移民させてほしい。とのこと。
『ありがとうございます。リョータさん』
『客じゃないから、リョータでいいよ。案内はグレースにまかすね』
『グレース、よろしくね』
『ブランシェ、同い年だし仲良くしましょ。まずは宿舎から』
家族用居住地として、3LDKのアパートを作ってある。
グレースもトムやアーノルドとともに数ヶ月前に、奴隷から開放した。
グレースは、お母さんと弟を呼んで一緒にくらしている。
お母さんは40ぐらいだが、彼女にも魔力が発現した。
ブランシェは魔導具の数々を試してみた。
あまりに便利すぎて驚いていた。
『噂には聞いていたけど、まるで貴族の部屋みたい』
内装も派手ではないが、高品質だからね。
『驚くのは、料理よ』
ブランシェは食堂で、ハンバーグ、パン、スープのセットを頼む。
まずパンに感銘を受けていた。
『柔らかくて、香りが良くて、きめが細かくて味が濃い。なにこれ』
ハンバーグやスープも水準の高さに驚くだけであった。
そして、極めつけは苺ケーキ。
『私、ここに骨を埋めるわ』
『苺ケーキだけじゃないからね。すんごいスィーツがたくさんあるのよ』
感涙に咽ぶブランシェであった。
ゆっくりとだが、ユグド街は人が増え始めている。
孤児は毎年10人ずつ増やす予定である。
それに合わせて、シングルマザーや寡婦といった女性を呼ぶことにした。
経済的な救済の意味もあるし、彼女らの子供も将来の戦力だしね。
ちなみにブランシェは努力のお陰で3年でスィーツ士の資格を得た。
スィーツ士はグレース、キャサリン、ブランシェの3人しかいない、
狭き門であった。
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