07 魔法訓練
初投稿です。未熟者ですので、誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。
【7 魔法訓練】転移元年４月？
さて、いよいよだ。
『ロボ、オレも魔法を使えるのか？ 使えるのなら教えてくれ』
『良かろう。前世では魔法を使わなかったのだな？』
『魔法なんて空想の世界のできごとだぞ。魔法の練習するなんて真面目に言ったら、病院行きだ』
『この世界では魔法は当たり前だから、その感覚はわからんな。空気を吸ったら病院送りになる、って言われたらおかしく感じるだろ？』
『フーム。確かに』
『まあ、やってみよ。まず、お腹のへそあたりに何か温かいものを感じるところから始めようか』
『それが魔法の第一歩か？』
『ああ』
オレは考えた。なんだかそれは前世の自律訓練法に似ている。
自律訓練法は1932年にドイツの精神科医ヨハネス・ハインリヒ・シュルツによって創始された自己催眠法であり、リラクゼーション技法である。
自律訓練法ですぐに第５公式『お腹が温かい』を行なう。
おっ、これか？ 今までにないものがへその奥で熱を発している。
『ロボ、魔力っぽいものを感じるぞ』
『何、早すぎるだろ。普通なら感じを掴むのに数ヶ月かかるんだが』
『前世で自律訓練法ってのがあってな。どうやらオレは前世で魔力を感じる訓練を行っていたらしい』
『フム。じゃあ、その魔力を体内で動かしてみようか』
座禅とか瞑想とかそういう類も効果があるかもしれん。
丹田、チャクラに関係するものとかな。
オレはしばらく魔力を動かすことに専念した。
イメージの問題だというから、水の流れとか温泉に入った記憶とか血液の流れとか、いろいろイメージしてみた。
１０分ほどで体内が暖かくなり始め、魔力を動かせるようになってきた。
どうも血液とかリンパの流れと似ている気がする。
『やっぱり早いな。それじゃ、魔力を体内で循環させよ』
魔力を動かせるイメージさえつかめれば、魔力の循環は難しそうじゃない。
オレは魔力を指の先から脚の指までぐるんぐるんと循環させた。
『外からでも魔力の循環を感じるぞ。普通ならここまでくるのに数年かかる』
自律訓練法ありがとう。
今後、誰かを指導するときに、まず自律訓練法を学ばせてみよう。
自律訓練法自体は早いと数日で初期の効果が出始めるからな。
第５公式は難しいとされるが、体内の仕組みを図示してもいいかもしれない。
リンパとか血液の流れは魔力の流れと被る部分が多いだろう。
などと考えていたら、気持ち悪くなり始め、突然ブラックアウトした……
目が覚めた。数時間ほど気絶していたようだ。
うにゃがオレのお腹の上で寝ていた。
『魔力切れだ。たいてい気絶する』
『にゃー』
それなら、寝る前に循環練習して気絶すれば便利だな。
すぐ寝られる。オレは寝付きが悪いのだ。
具体的な魔法を覚える前に、循環を繊細にする練習をしろと言われた。
繊細と言われても。
『左手薬指の第１関節から第２関節へ魔力を移動させるとか。右手の親指第２関節から左足小指に魔力を瞬時に移動させるとか。いろいろ工夫するがよい』
オレは再びぐるんぐるんと魔力を循環させる。
合わせて魔力を練る、魔力を圧縮する、その２つを教えてもらった。
魔力を練るのは、かまぼこをイメージした。
魔力の圧縮は圧力釜をイメージした。
比較的簡単に習熟していった。
と思ったら気持ち悪くなり、再びブラックアウトした。
オレは魔力の循環をしばらく続けることとなった。
魔力の循環を行うと訓練初期に魔力が増えるという。
よし、朝と寝る前にステータスをチェックするぞ。
ステータスチェックしながら魔力を循環させていて気づいたのだが、魔力切れで気絶するたびに、回復すると魔力が増えているような気がする。そのことをロボにいうと、
『何、本当か。本当なら凄い発見かもしれん。魔力切れをおこす寸前はかなり気持ちが悪いから、気絶する前にやめてしまう。鑑定持ちだからわかったのかな』
オレはステータスを頻繁にチェックして、魔力を使い切ると魔力が増加する確信を持った。
自律訓練法に続き、秘伝の技を発見してしまったぞ。
あともう一つ。魔力の循環は訓練初期に魔力が増えるとのことだったが、初期でなくても、圧力釜のイメージがよかったせいか、魔力の循環訓練をすると僅かであるが魔力が増えていく。
そんなんで１週間たったオレのステータス。
HP ３４２
MP ３７３
○筋力 ７７(一般男性４０)
○体力 ６７(一般男性４０)
○速度 ６８(一般男性４０)
○知力 ９８(一般男性４０)
○精神 ７７(一般男性３０)
○意思１３０(一般男性４０)
○物理基礎力 ８６
○魔法基礎力 ９３
ロボいわく、人間としては一流の魔法使いのステータスらしい。
しばらくは６時と１８時頃に投稿します
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