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08 エレン、ロバートと決闘

初投稿です。未熟者ですので、誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。

とりあえず、最後まで書き終えました。煮詰めつつ投稿する予定です。

【エレン、ロバートと決闘】転移3年6月


『本当にトロい奴だな、このクズが。一度言われたら理解しろ。同じことを聞き返すな』

『ホント、学院やめてくれないか。生まれながらの負け犬』

『臭いから、口開くな』


 意地悪伯爵嫡男ロバートはその意地悪な目を上下させながら、

 エレンに事あるごとに突っかかっていった。


 エレンはずっと我慢していたのだが、だが次の言葉には我慢ならなかった。


『おまえに妹がいる?○婦になったほうがいいんじゃね』


 おもわず、


『なんだと、訂正して謝罪しろ』

『おおっ、平民のくせにエラソーに。ぼこぼこにしてやる』


 ロバートはいきなり殴りかかってきた。

 遅い。おそすぎる。

 エレンは練習で培った対応で、反射的にロバートに膝を入れてしまった。


『ううっ、ゴホゴホ、やったな。クソ平民が。決闘だ』


 ロバートはエレンに対して左手袋を叩きつけた。


 この決闘は、ランスター法に基づき、正式なものとして承認された。

 学院内の不祥事だ、ということはない。

 決闘は栄光あるものとして、敬意を払われる。

 審判は先生が務める。決闘だから殺しても許される。


 実技エリアに移動する。

 他の生徒も観覧席に向かう。

 観覧席は結界魔法と防御魔法で保護されている。



 先制はロバート。

 あらゆる魔法を僕に打ち込み続ける。


 しかし、エレンの結界と防御魔法に簡単に跳ね返される。


 逆にエレンは魔法じゃなくて、拳で顔面を思いっきり殴りつける。

 魔法でやったら殺してしまうからだ。


『うう、畜生。おまえなんかこれで燃え尽きよ!』


 吹き飛ばされたロバートは、ポケットから大きな赤い石を持ち出した。

 魔法石だ。魔法石の使用は禁止されているはず。


 すると、ロバートはとんでもない魔法を詠唱始めた。

 これは上級魔法だ。


 ロバートの頭上に大きな赤い炎がたち始める。

 しかし、ロバートはこれを制御できない。


 このままでは爆発してしまう。

 この強さだと、結界魔法を破って観客に被害を与えるかもしれない。



 エレンは、とっさにその赤い巨大な炎を結界魔法でくるんだ。

 そして上空へ打ち上げる。


『ドバーン!!!』


 強烈な爆発音とともに炎は炎上四散した。


 炎をくるんだ僕の結界と、予め学校側の用意した観客保護用の結界の一部は、その爆発で霧散してしまった。



『危ないところだった……』


 その威力に驚きながら、ロバートに目をやると、泡吹いて地面に倒れていた。


 審判役の先生が駆け寄り介抱すると、とんでもないものが見つかった。

 ロバートの首にかけられたネックレスである。


“サタンの会”のものであった。


“サタンの会”は悪魔を称賛する結社である。

 異端審議会で異端とされたばかりであった。

 それを上級貴族の嫡男が信仰する。大スキャンダルである。


 ロバートは放校された。

 廃嫡され、追放された。



 それだけでも十分なはずだが、事の一抹を伝えられたリョータは怒り狂った。


『とりあえず、教育的指導レベル1をしといたから』


 リョータに言わせると、宗教に狂った奴は少々のことでは改心しないらしい。



『心配するな。地獄の一丁目をみせてやっただけだ。少し泣き叫んでいたが、反省しているか経過観察中だ』


 いや、心配しかないんだけど。エレンはそう思った。

 あれ、良くて廃人。心がボロボロに破壊されて屍のようになる。



『お前は人を甘く考えすぎ。ああいうタイプは治らんし、しつこく粘着するぞ。てか、おまえそんなんだといつか痛い目にあうぞ』


 それにしても、この国の人間は決闘が好きだな。

 リョータは初めて冒険者ギルドに行ったときのことを思い出す。


 あっという間に決闘騒ぎにまきこまれたな。

 そういや、廃嫡、勘当も同じ流れか。流行ってんのか?

 リョータは呆れるのであった。


 リョータの危惧する通り、事態は次の展開を迎えるのであった。



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