04 悪役令嬢
初投稿です。未熟者ですので、誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。
とりあえず、最後まで書き終えました。煮詰めつつ投稿する予定です。
【悪役令嬢 】転移3年4月
『どうなさったの。私の飲み物忘れていてよ。そんなんじゃ私の下僕にはなれなくってよ』
下僕になってるらしい。
『キャサリン様、ボクは貴方の下僕ではありません』
『本当に恥ずかしがりさんだこと。でも過剰な謙遜はいけませんわ。ちょっと体育館で教育的指導をしてさしあげますわ』
教育的指導っていうと、リョータさんのを思い出して、青くなる。
地獄の体験を味わわせる幻想魔法だ。
これを掛けられると、自力では戻ってこれない。
『いや、お嬢様それは……』
『きっと私に感謝することになりましてよ。ああ、私ってなんて寛大な女性なんでしょう!』
うん、やっぱりこの人、おかしい。
でも、キャサリンの取り巻きに囲まれ、無理やり連れてこられた。
『では始めますわよ』
キャサリンが詠唱を始める。
ああ、遅い。何の魔法を打つのか、まるわかりだ。
『~詠唱~火魔法ファイア』
『(水魔法ウォータースクリーン)』
ボクは簡単に対抗魔法でキャサリンの魔法を防いでいく。
もちろん、孤児院では基本、無詠唱だ。
詠唱は実戦ではかなり分が悪い。
特級魔法とかを遠距離から打ち込むとかでなければ、詠唱は命とりになる。
『~詠唱~土魔法バレット』
『(風魔法ウィンドガード)』
『~詠唱~水魔法ウォーターアロー』
『(土魔法土壁)』
『~詠唱~風魔法ウィンドカッター』
『(火魔法フレイムカーテン)』
ことごとく、キャサリンの魔法をガードしていく。
『ハアハア私がハアハア一歩的過ぎてハアハア攻撃ハアハアできなさそうねハアハア』
一歩的? ボクサー? キャサリンは息切れしてつらそうだ。
『ハアハアこのくらいにハアハアしておいてハアハアさしあげてよハアハア』
許してもらえるようだ。
公爵令嬢を傷つけたなんてことになったら、よくて縛り首だろう。
『ハアハア次もハアハア首を洗ってハアハア待っててハアハア頂戴ハアハア』
えっ次回もあるの。口の悪いお嬢様だ。
で、これは後日、キャサリンの話。
お父様もお母様も二人のお姉さまもお兄様もみんな私を大切にしてくれるわ。
執事のセバスとかメイドのイレースとかは厳しいですわ。
けれども、私のことを大事にしてくれているのは伝わってくるわ。
でもね。わたくし、本当に窮屈なの。
公爵令嬢って制約のなかで、将来はどうせ政略結婚。自由恋愛なんて夢なの。
わたくしはハーレムクィーンロマンスのファン。
素敵な男たちに傅かれて無双するのよ。
そんな素晴らしいことがおこらないかしら。
そう公爵令嬢キャサリンが頬杖をつきながら妄想していたところ、高等学院で事件が起きた。
高等学院3年で学ぶキャサリンの姉、公爵の長女が婚約破棄されたのだ。
それも一方的に、婚約者である第一王子により、みんなの見てる前で。
『おまえは悪役令嬢だ』
しかも、王子の友人である騎士団長の息子、大主教の息子、大商会の息子、宰相の息子に取り囲まれて、暴力を振るわれて。
無論、そんなことが許されるはずがない。
王族と公爵令嬢の婚約を王子が個人的に破棄、
しかも、公衆の面前で恥をかかせ、
男数人でもって一人の女性に暴力をふるう。
その理由の元は男爵令嬢オリビアの横恋慕である。
『僕は真実の愛をオリビアに見出した』
そうですか。
しかし、どれだけ公爵令嬢がダメ女だとしても許される行為ではない。
しかも、後で検証してみると、オリビアの告発には厳密には証拠がない。
全て第3者の裏付けがないのだ。
対して、公爵長女の発言はごくごく当たり前のことであった。
人の婚約者に近づくな、とか誰がそれに文句をつけるというのか。
この問題が起こると、大問題となった。この醜聞は隠しきれない。
特に公爵は怒りに怒った。当たり前である。
挙兵する寸前にまでに至った。
王子たちはことの大きさに全く気づかない。
自分たちの想いを貫いた“英雄的な”行為に酔いしれていたのだ。
あまりのことに宮廷、貴族間だけでなく、庶民も騒ぎ始めた。
ここでシャドーがネタを拾ってきた。
オリビアは隣国の帝国が送り込んできた刺客。
魅了の魔法持ち。
手引した男爵と伯爵は国家転覆を図ったもの。
シャドー⇒ロボ⇒リョータ⇒エレン⇒ウィリアム
と伝言ゲーム、王家は証拠固めを行った。
オリビアは王国で禁止されている魅了魔法を使ったことがわかった。
結局、男爵家、伯爵家はお家断絶、当主はじめ一族郎党は縛り首。
オリビアは磔。
王子はじめ友人の4人は廃嫡、勘当。王子は幽閉。
公爵長女は、西の大国であるローマン帝国皇帝の次男と結婚することになった。
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