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14 孤児院4 順調に推移

初投稿です。未熟者ですので、誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。

【孤児院4】転移元年10月


 ユグド街で生活し始めて3ヶ月がたった。

 空が遠い。雲も高度が高そうだ。


 日本だとそろそろこたつを出そうか、という地域も出始める季節だ。

 ここでは気温はようやく朝晩ちょっと冷えるだけで、昼は半袖で十分だ。


 季節同様、子どもたちにも結構な動きが出始めている。

 まず、魔法を覚え始めている子が出始めている。

 早い子だと初級の風を起こしかけているのだ。


 オレの経験及び観察によると、風魔法の習熟が最も早い。


 空気は素の状態で動きが活発だから、エネルギーを与えやすいのかもしれない。

 オレは、子どもたちに気体と液体と個体の関係を絵により教えている。

 そのイメージも魔法習得に貢献していると思う。


 そして、風、水、土魔法のいずれかを発動できれば、

 その他の魔法も順次覚えていくかもしれない。



 それに対して火は少し時間がかかる印象だ。

 火魔法は最もポピュラーだし、みんな覚えたがるのだが。


 魔法はある程度科学と通底するものがある。

 風・水・土魔法は単純に分子の動きが魔法に影響する。

 ところが火魔法の発動は化学反応だから、なかなかイメージができないし、

 火を発動できてもしょぼいことが多い。


 加えて、火魔法は他の魔法に比べて危険だ。


 室内では火災の危険があり、洞窟などの狭い場所で窒息の危険がある。

 広い場所が火魔法の最適な場所となり、

 戦争なんかだと見栄えのいい魔法なんだが、実際のところ使い勝手が悪い。


 だからオレはみんなには火魔法を推奨していない。

 むしろ、危険を強調して安全第一を徹底させている。


『火魔法による火事は凄い多いですね』

『初心者が洞窟で慌てて火魔法を繰り出して窒息して全滅、という事例もけっこうあります』

『城や魔法協会でもよく議論されますよ、火魔法の使い方』

『料理には便利で生活に欠かせないし、戦場では戦意高揚の意味でも火魔法は花形だし。痛し痒しの魔法ですよね』



 算数は流石に習熟度にストップがかかっている子が目立ち始めた。

 つまずいているのは小3後半程度、例えば分数とかだ。

 ちなみに、小数はまだ発見されていないようだ。


 小4の内容となると、分数の足し算・引き算とかお手上げの子が出てくる。

 まあ、このあたりだとつまづいてもいいけどな。

 この世界だと多分、高等教育機関で教えるような内容だろう。

 ひょっとすると教えないかもしれない、というレベルらしい。



 確かに現世の教育事情は貧相だ。

 それを差し引いてもうちの子達の習熟度はかなり高い。

 前世の子たちとさほど差がない。

 年齢を考えると進んでいる子も出てるぐらいだ。


 ひょっとしたら、うちの環境がかなり良い影響を与えているのかもしれない。

 そうだとするとそれは何だ?

 食事の内容・遊びの活用は影響していそうだ。


 それとオレは最近考える。

 根本的な環境の違い。

 魔素濃度が教育に与える影響だ。


 アンチ魔素腕輪により、子供たちの被る魔素の影響はかなり小さいとされる。

 だが、オレたちの預かり知らない影響が魔素によりもたらされているとしたら?

 重力波はたいていのものを通り抜ける。

 そういうものが魔素にもあるとしたら。


 何しろ、魔素は色々と促進させる。

 野獣が魔獣になるだけで身体能力が数倍アップする。


 頭脳も活性化され、うちのロボのようにしゃべることのできる個体もいる。

 うちのモフモフたちとはほぼ十全なコミュニケーションが取れている。

 彼等は神獣だから、魔獣とは違うかもしれないが。


 子どもたちは知らないうちにいい意味で魔人化し始めているかもしれない。

 オレのようにハイ・ヒューマンになるといった可能性だって排除できない。



 ただ、全てのスキルに言えることだが、ある程度の負荷をかけないと、

 スキルレベルがあがらない。


 魔法や物理攻撃の場合、一番手っ取り早いのは、強敵との対戦。

 日課である、魔法の精密コントロール練習と超高速素振りを終えたあと、

 モフモフに加えて、奴隷のトムとアーノルドも練習に加わった。


 彼等は実践的な技を繰り出してくるので、オレの剣は段々とずるくなってきた。

 ただ、彼等はフェイントのかけまくりで、罠をかけたり、一筋縄ではいかない。

 防御魔法をかけているので大丈夫だが、剣勝負だとたいてい負ける。


 だてに、元Aクラスパーティの前衛なだけある。

 しかし、彼等もモフモフたちとは勝負にならない。


『昔から強い魔獣とは戦うな。が鉄則やったけんど彼等の強さは異次元じゃなあ』


 アーノルドは、西部なまりだ。

 西部なまりとはランスター王国西からローマン帝国東部にかけての方言である。

 彼はローマン帝国出身らしい。


 練習は毎朝晩2時間ずつ行うようにしている。

 孤児たちはオレたちとは別メニューだが、とりあえず一緒の練習場にいる。


 みんなオレたち、というかモフモフの圧倒的な強さに目をまわしている。


『おまえたちも強くなったら、モフモフにしごいてもらえるぞ』


 なんだか嫌そうな顔をしたが、楽しみである。




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