09 世界樹食堂
初投稿です。未熟者ですので、誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。
【世界樹食堂】転移元年8月
グレースという料理に才能を示した人材を得たため、
グレース・ブーレ・ガッロの三人で食堂を運営してもらうことにする。
ブーレは普段は白孔雀だが本来は鳳凰である。品格が高そうだ。
しかし人間の姿になると、峰不二子のようなセクシーネーチャンになる。
しかも農業・醸造を得意とする、というチグハグなモフモフだ。
ガッロは朱雀で、これまた品格が高そうだ。
牧畜、料理 蒸留担当で、こっちは違和感を感じるほどではない。
ただ、人間の格好をすると、ガテン系になる。
というか、ねじり鉢巻して明らかに一心太助だ。杉良の。
なぜそんな昔のことを知っているかといえば、母が熱狂的な杉良ファンだった。
遠山の金さん、大江戸捜査網、とかが定番だったな。暇さえあれば、DVDだ。
カラオケでは『すきま風』が定番で、時々おっかけ。
だから、オレも母親と過ごした記憶にはほぼ杉様が出てくる。
オレ達の母親世代には神様みたいな人だったんだよ。
だから、杉良の格好はオレにはちょっとくるものがある。
この三人に加えて、週替りみたいな形で孤児を手伝いにつける。
将来的にはこいつらの中で才能を示したやつを料理担当にする。
『料理担当希望者、手を上げて』
『『『『『はいっ!!!』』』』』
希望者が全員なんだよな。ここの料理は美味すぎる。
しかも、ずっと欠食児童だったわけで、食への執念は半端ない。
ついでにいうと、他のモフモフたちも調理場に入り込もうとするので、
オレは罰則を設けた。
『邪魔したらご飯はカリカリのみ』
『『『『『うげっ』』』』』
カリカリだって最初は物凄く喜んで食べていたのに、今じゃ目もくれない。
チュ○ルは相変わらずだけど。
そもそもこいつら食事が不要だしね。
だから、カリカリのみってことは実質上の食い物抜き。
食い物抜きは奴らには何よりの罰則。
食べる必要がないんだけどね。
それはともかく、『焼き肉』『魚フライ』『刺し身』『各種スィーツ』に加えて、
『トンカツ』『唐揚げ』『ハンバーグ』あたりからメニューを増やす。
トンカツなんか難しいから。
トンカツに火を通しすぎるとパサパサになる。
理想は火を通しつつ、中のジューシーさをなくさないこと。
だから、中火程度でじっくり肉に火を通し、最後に高温でカラッとあげる。
場合によっては予熱を利用したり、高温で2度揚げしたり、
其のへんは各自の個性で。
断面がうっすらピンクなら完成。これ、ちゃんとやれば火が通っているから。
難しいといえば、天ぷら。
衣が厚くなりすぎたり、カラッと揚がらなかったり。
かと言ってやりすぎると火を通しすぎたり。
オレは天ぷら、凄く苦手だった。
海外でもああいうフライ料理ってそこら中にある。
しかし、天ぷらみたいな繊細な火のコントロールをしているの見たことがない。
まあ、刺し身だって、切り方で味が変わるし。
寿司になると、さらに寿司飯が大変だ。
オレは昼は奥さん、夜は大将が握っている寿司屋に行ったことがある。
ネタは同じなのに、味がぜんぜん違う。
あれ以来、寿司はシャリ、と思うようになった。
寿司を見て、ただ固めたご飯のうえに切った魚のせてるだけじゃん。
なんて、いう外国人がいる。
驚くことに、寿司握っている、という人にもそういうのがいる。
そういうやつにはサッカーってサッカーボール蹴るだけだよね。
簡単だよね。って言ってやる。
それでも理解できない奴多い。
場合によっては、もっと科学的に説明してやるんだけど、
大抵はそこで話が終わってしまう。面倒だから。
もっとも、ウチの料理担当にそこまでの腕を求めているわけじゃない。
オレだってへっぽこ料理人だし。
ただ、素材の扱いだけはきっちりやろうと思っている。
だから、製粉、肉や魚の熟成、魚の新鮮さの維持には特別注意を払っている。
で、世界樹食堂の夕食は、
日 焼き肉
月 魔牛ハンバーグ
火 トンカツ
水 魚フライ、刺し身
木 唐揚げ
金 ハンバーグ/トンカツ/唐揚げ 選択
土 ハンバーグ/トンカツ/唐揚げ 選択
という風にした。
これに、いろいろなスープがつく。概ね、野菜たっぷりスープだな。
スープっていったって、バリエーションは無限にある。
ボルシチ、トムヤムクン、ポトフ、ブイヤベース、ミネストローネ。
有名なスープだけでもこれだけ出てくる。
材料さえあれば、味噌汁もこの中に含まれる。
パンは食い放題だ。
ソースにも力を入れる。最低限、マヨネーズ、照り焼き醤油、ホワイトソース、
タルタルソースは作れるようにする。
ソースだけおかわりする人が多くて、困っている。
特にタルタルソース。
スィーツは3時のおやつだ。
チーズケーキ、プリン、アップルパイといったところが人気。
お菓子部門はグレースが凄く力を入れている。
オレの前世の記憶をなんとか再現しようと日夜努力している。
最近だと、シュークリームとかバウムクーヘンとか。
あと、苺は品種改良まち。カカオはもうすぐ。
これで、料理人が育っていったら、メニューを増やしていく。
小麦ととうもろこしは栽培している。
米をみつけるべきか、考え中。
軽食コーナーも設けたぞ。
時間外にお腹のすく人向けだ。
ハンバーガー(プレーン、テリヤキ、チーズ)
ピザ(トッピング各種)
サンドイッチ(カツ、タマゴ、野菜)
ドリンク ミルク、果実ジュース
『気のせいか、太ってきた気がするのじゃ』
『うにゃ』
前世アメリカと言えば、“デ○”の代名詞であった。
ところが、50年前のアメリカ人はさほど太っていはいない。
マ○ドの影響が密かに言われている。
80年代以降、ジャンクフードの値段が下がったのが原因だと。
『きみら、気の所為じゃないぞ。そのうち、ダルマさんになるぞ』
オレはダルマの絵を描いて、脅しておいた。
この世界でも、スリムな方が健康的で美しいとみなされる。
少なくとも、あの北米の有り様は、と思う。
デ○の基準が、日本とはまるで違う。
当のアメリカ人は
『太っているのは個性』
とか言い出している。別に良いんだけど。
『太っているのは自己管理ができないから』
とか、前まで言ってなかったっけ。
ああ、あきらめちゃったのかな。
日本人はすぐに太ったね、とかいっちゃうけど、
あれはアメリカ人的には嫌らしいね。
もっとも、日本人は世界で最もスリムな国民の一つ。
それもどうかなと思わないでもないけど。
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