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08 奴隷 グレース視点

初投稿です。未熟者ですので、誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。

【奴隷 グレース視点】


 私は、ランスター王国の東隣の国、アーロッシ帝国で生まれた。

 ランスター王国との国境近くのカリダっていう港町。


 ごく普通に育ったと思う。

 両親もいたし、弟もいたし。友達もたくさん。


 小さい頃、帝国と王国とが国境あたりで小競り合いを起こした。

 そのとき、お父さんが戦死してしまった。お父さんは兵士だったから。


 それで、私はお母さんを助けるために、冒険者になった。

 なったていうか、小さいときから森には入っていたから、その延長。


 弓矢にそこそこ才能があったみたいで、個人でDランクになれた。

 弓って真っすぐ飛ばないし、力は結構いるし、大変なのよ、上手くなるには。


 でも人に自慢できるほどじゃないし、私もそんなに上手くなる気ないし。

 弓は弱い魔物避けってぐらいの意味。メインは薬草採取だから。



 そんな私に転機が訪れたのは、Cランクパーティに誘われたから。

 気鋭の若手パーティで、近々Bクラスになりそうなチーム。

 Aクラスも夢じゃないって言われてた。


 私が誘われたのは、薬草採取の腕と探索魔法? を買われたから。

 探索魔法? って?マーク付きなのは、私には魔法の才能がなかったから。

 後でわかったのだけど、気配をさぐるスキルらしい。

 魔法とは関係がないんだと。


 探索魔法はレベルが高くないと相手にこちらの位置を教えてしまうことがある。

 私のは待ちの探索? そういうので、秘密に敵を探れるらしい。

 昔から敵を避けるのがうまかったのはそれが理由。


 森で彼等と出会い、少し案内したのがきっかけ。

 危険なものを回避していく私のスキルに驚いていた。

 私はみんな同じだと思ってたけど。



 このパーティーに入ってからはもう爆進!

 収入が全然違う。


 私は攻撃面ではあまり役に立たない。

 でも、私の探索スキルはものすごく役にたつらしい。

 背後をとられない、こちらから先に手を打てる、あと罠なんかも見破れるし。


 私が来てから、撃破速度が倍ぐらいになったって言ってくれた。

 しかも、怪我も少なくなった。

 だから、収入は均等割。私の数年分の収入が数日でもらえるって感じ。


 だから、調子こいちゃったんだろうね。

 まず、宝石に目がなくなった。田舎の子だから。私。

 都会に出て、キレイな宝石みたらもう手がとまらなくなった。



 あと、これは黒歴史であんまり言いたくないんだけど、

 私には面倒みている男がいた。


 年上なのに頼りなくて、私はいろいろしてあげたんだけど、

 そのうちお金をどんどんつぎ込むようになって。


 私、おかしいとは全然思わなかった。


 パーティの皆も注意してくれた。それが奴の手だって。

 でも、私は怒ったりして聞かなかった。みんな、ごめんね。


 で、気づいたら借金まるけになってた。

 なんかヤバそうなところに売られる寸前だった。

 パーティには愛想をつかされていた。

 だから、私の馴染みの奴隷商人のところへ行き、精算してもらった。


 奴隷っていっても、普通、借金奴隷は無碍なことはされない。

 借金を完済すれば開放されるし。



 最初に売られたのは、隣の国のヒースコート子爵家だった。

 嫌なやつらばかりだった。貴族最高、平民死ねみたいな感じ。

 亜人なんかもってのほか。そばにも寄りたくないらしい。


 最悪なのが、長男のアンドリュー。

 私、奴隷から開放されたら真っ先に殺しに行くリストを作ってた。

 あの馬鹿はリスト№1。



 他の奴隷にアーノルドとトムってのがいた。


 二人共20台後半ぐらいで、元Bクラスの冒険者っていってた。

 剣は凄腕。私の前のパーティたちとは比べ物にならない。

 あんな凄い剣使い初めて見た。


 二人の練習風景なんて、突風が起こるからね。

 ギンギンガンガンと剣のぶつかり合う音も衝撃波に聞こえる。

 とにかく圧倒された。



 で、奴隷3人を引き連れて、お坊ちゃまが冒険者登録に向かうことになった。


 お坊ちゃまは、この年齢としては剣が上手いかも、というレベル。

 Cクラス、っていわれても納得できる腕前。

 本当に嫌なやつだけど、流石に子爵の長男だけはある。



 ところが、冒険者登録をするところでトラブルが起こった。

 アホのアンドリューが窓口に割り込みをかけて、それを注意されたんだよね。


 それで、なぜか決闘。吹き出しちゃったよ。

 なんで決闘なのよ。馬鹿なの。ああ、バカだった。


 バカだけど、トムとアーノルドがいるから気が大きくなってるのかな。

 彼等を決闘の代理人にして、自分は高見のつもりだったみたい。


『決闘でもいいけど、お前ら全員とだな。4対1。それなら、お坊ちゃんも受けるよな?』


 違うでしょ、私は。決闘なんてごめんよ!と叫びたかった。

 でも決闘することになった。4人で。涙目。

 私は後ろの方でノロノロと弓をかまえた。



 気づいたら、私は壁にもたれかかってた。

 なんだか、腕とか変な方向に折れ曲がってる。


 ああ、私このまま死ぬのね、お母さん、ごめんなさい。

 などと激痛にのたうち回りながら、そう考えてた。


『ぎゃあああああ』


 あれはバカアンドリューの叫び声。

 私は死ぬけど、バカの苦しみを見れて少しだけ痛みが和らいだ。

 ついでだから、私もバカめがけて弓を射ぬいておこうか。どうせ死んじゃうし。

 腕折れてるけど行けるよね。


 気が遠くなりそうな意識のなか、そんなことも考えていたら急に体が楽になる。

 腕も真っ直ぐになった。折れてない。


 相手の男が治してくれたみたい。神様?

 あ、バカの怪我は治さなくてもいいのに。

 あっ、蹴っ飛ばした。ナイス。


 でも、バカの髪の毛は真っ白、顔は一切の生気がなくなっている。

 何が起こったんだろう。


 結局、バカは廃嫡、勘当。

 私たち奴隷三人は奴隷商に売り払われた。



 再び私は奴隷ショーアップをすることになった。

 すると、目の前にいる人は、バカをやっつけたあの男。


 よく見ると、なかなかのイケメン。

 イケメンじゃないんだけど、雰囲気があるっていうか。

 で、その雰囲気イケメンが買ってくれた。

 私とあの二人の元Bクラスも。



 後は、夢のようだった。


 まず腕輪をはめさせられた。

 魔素の強いエリアに連れて行くけど、これが守ってくれるんだ、とか言われて。

 で、広い土地にポツンと立つ建物に連れてこられた。

 ユグド街というらしい。


 まず驚いたのが、ご飯の美味しさ。

 ご飯が美味しくて5回は気を失った。

 特にスィーツ。あれ、この世の常識突破してる。


 天国って本当にあったんだ。


 なんとかっていう練習を続けていたら、魔法に目覚めた。

 私、17歳で年寄りじゃないけど、子供でもない。

 そんな私でも魔法が目覚めた。ちょっと驚き。そんなこと聞いたことがない。


 しかも私よりも一回りは年寄りっぽいあの二人の元Bクラス。

 彼等も魔法を覚えたって喜んでる。


 寝るところだって凄い。


 温風・冷風の出る魔導具。温水・冷水上水道。温水シャワー。

 石鹸、リンス、コンディショナー常備。分解魔法付きトイレ。


 おっきな露天風呂っていうのもあるし。


 王族より豪華な暮らしだって、雰囲気イケメンがいってた。

 名前はリョータさん。


 魔狼もつけてくれた。ボディガードなんだって。奴隷にボディガード?

 毎晩、枕代わりにして一緒に寝てる。


 それから、世界樹への礼拝。

 最初は、はいはいって感じでやり始めたんだけど、

 すぐに効果がわかった。


 すごく平安な気持ちになる。

 何、これ。

 朝晩やれって言われたけど、1日に何回もやってる自分がいる。

 よく煩悩が消えるとかいうけど、まさにそれ。



 2年働いたら、奴隷開放してやるから好きなとこ行ってもいいよって言われた。

 行くわけがない!むしろ、奴隷になって感謝みたいな。


 でも、お母さんに仕送り送らなきゃ。

 リョータさんに聞いたら、もうちょっとしたら、家族呼んでもいいよって。


 生意気な弟も、私に土下座したら連れてきてやることにしよう。

 ま、スィーツ食べさせたら、マッハで土下座するだろうけど。うふふっ。




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