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04 孤児院2 初級教育

初投稿です。未熟者ですので、誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。

【孤児院2】転移元年7月


 次の日。今日も快晴だ。

 爽やかな早朝の空気に全身を目覚めさせながら、全員を起こし、一日のルーティーンを説明する。


『まず、起きたら世界樹に向けてお祈り。次に身の回りの掃除。これは徐々に範囲を広げる。それから、全員で剣の素振り。終わったら、各自のモフモフにご飯を与えて、おまえらの朝食だ』


 オレは早速お祈りの方法を教える。2礼2拍手1礼である。

 これは『オラに元気をわけてくれー』ってやつだと理解している。

 世界樹が参拝を望んでいるみたいだ。


 無論、異議はない。参拝すると気持ちいいいし。

 モフモフたちも一緒にお祈りする。


 崇める方法は神道から。オレが建設業界出身ということもあるが。

 神道なんだから、大切な教義、清め、つまり掃除を盛り込む。

 掃除は各自に箒・ちりとり・雑巾・ばけつを渡す。


 掃除も細かいチェックをしていく。

 棚の表面を人指し指で拭って『汚いぞ』とやる、例のうざいチェック方法だ。


『『『『『うげー』』』』』


 まあ、最初が肝心だ。


 もっとも、気持ちの問題だから、形はなんでもいいけど。

 2礼2拍手1礼でも十字切っても、五体投地でも。



 剣の練習は剣道方式の素振り。最初だから50回ぐらいでいいだろう。


 素振りの次は、モフモフのご飯。

 大きな袋に入れてあるドッグフード狼用を皿に移す。

 新鮮な水も合わせて小皿に入れて、自分たちのモフモフに与える。


『『『『『キャンキャンキャン』』』』』


 小皿に群がるモフモフ達。

 元気よく振れる尻尾に和む。


 そして、ようやく子どもたちの朝ごはんだ。

 ふかふかパンと牛乳、ゆで卵だけ。

 しかし、それぞれが現世の標準を軽く突破しているレベルにある。


 特にふかふかパンは滑らかな小麦粉にイースト菌入り。

 おそらく数世紀前倒しの食い物だ。


 さらに、魔牛の牛乳とバター、魔鶏のゆで卵は高級品で金貨数枚が必要である。

 ましてや昨日までスラムにいたのなら、美味しすぎて死ぬってレベルだ。



 子どもたちの満足顔をみてからは勉強会だ。


 まず各自にノートと筆記具、そして自作の教科書を渡す。

 教科書には、文字と簡単な計算問題が難度順に盛り込まれている。

 ちなみにこの世界で紙はさほど珍しいものではない。


 一部だけはオレが手書きで作成し、あと50部ほどは魔法でコピペした。

 グーテンベルグも真っ青だな!


 先生はオレとロボだ。

 ロボがしゃべることができるので子供たちは当初は驚いていたが、すぐに慣れたようだ。


 ウニャ丸もいるが、あれはこういうのにはまるで向いていない。

 喋れないということもあるが、気まぐれだからだ。

 今だって木陰でぐっすりと睡眠中だ。


 勉強会は2時間ほど、休憩後昼飯。



 現世では1日2食が標準らしいが、オレは日本の習慣により1日3食とする。

 特に子供は3食必要だろう。

 メニューはパン・バター・野菜と肉のスープ・果物だ。


 モフモフたちは子犬のうちは1日4食とする。3食と夜食だな。


『にゃ』


 ウニャも子猫だって?君は元々ご飯不要でしょ?子猫じゃないし。



 午後からは1時間ほどシエスタ。

 軽く休憩したら、魔法の勉強。


 この世界では、誰もが体内に魔素をもっている。

 しかし活用方法を習わない。

 だから、貧しいほど魔力が低いということになる。


 そこはチャレンジだ。

 貴族や金持ち以上の食生活・健康な毎日・オレサマ特製の教材でもって

 スラムの子どもたちを引っ張り上げる。

 どこまで習熟できるか楽しみだ。


 実はオレには仮説がある。

 貧乏人の魔力が少ないのは遺伝と教育の差。それは確かにそうだろう。

 オレはそれに加えて、食生活が重要な影響を魔力に与えていると考えている。


 それは自然な発想じゃないだろうか。

 特に前世の現代生活を送ってきたオレは、

 食事がどれだけ重要な影響を身体の発達に与えるかを学んできている。

 魔力に食事が影響を与えない、などというのは考えにくい。


 ただ、この仮説は現状では実験しづらい。

 子どもたちに飯を抜け、とは言えまい。


 あえて言うならば、栄養素の多寡によってグループを作り、

 魔力の発達具合を観察する、というのはありかもしれない。

 肉の多いグループ、野菜の多いグループ、といった具合だ。

 まあ、それは将来の課題だな。



 さて、魔法の練習だが、まずは魔力を見つけることから始める。

 それにはオレがマスターしている自律訓練法だ。

 ドイツの精神医学者であるJ・H・シュルツが創始した。


 ちょっと座禅とか瞑想・ヨガとかに似ていると思う。

 リラックスしながら『手が重い』とか『脚が温かい』とか

 頭の中でその状態をイメージしながら唱えていく方法である。    

 これが第5公式まで行くと『お腹が温かい』というイメージ操作を行う。


 この方式が気の操作を学習する上で効果があった。

 そして、これは魔力を感じる上でも効果があると考えている。


 この世界での魔力の感じ方に『お腹の温かい物を感じる』というのがある。

 それはお腹の丹田を指すと思われるからだ。


 自立訓練法自体は早い人は1週間程度で第5公式まで行く。

 子供なら一ヶ月以内に全員マスターするんじゃないだろうか。

 いやマスターしなくてもいい。

 さわりだけでも体感できれば、魔力の感知にかなり有利ではないかと思う。



 魔力の時間が終わったら、みんなで素振り。今日は100回ほどで終える。


 終わったらおやつの時間。お茶と簡単なお菓子。

 モフモフにもほんのちょっぴりのカリカリ。


『にゃ』


 こういう時は絶対にはずさないね、ウニャくん。

 というか、モフモフたちも勢揃い。



 その後は自由時間、夕食、シャワーときて寝る前にも自律訓練法を行う。

 長くても20~30分程度のものだから簡単に終わる。終わったら就寝。



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