03 孤児院建設
初投稿です。未熟者ですので、誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。
【孤児院建設】転移元年7月
今回の件は、思いつきで始めたわけではない。
あらかじめ頭の中に計画があり、それをモフモフたちには話してあった。
一言で言えば、孤児にチャンスを与えようと。
まあ、将来オレたちの役に立ってくれるかな、ぐらいの期待はある。
あと、不思議なんだが世界樹がそう願っているような気がするんだな。
世界樹にはお世話になっているから、喜んで従う。
有名な漫画で『オラに元気をわけてくれー』ってやつと似てるからな。
参拝すると、こちらも気分がいいが、世界樹も喜んでいるのが伝わってくる。
あのガキの目もよかった。
追い詰められた野良猫のような目。
他人を信じず、妹を思いやるあの目。
ああいう境遇で生きていく生気に溢れていたな。
オレは拠点2のある壁の内側へ例の飛行機で飛んだ。
時速500km、距離は30km弱で数分程度で到達した。
そこで待っていたのは白孔雀と朱雀と月の兎、九尾の狐の4柱。
コイツラの得意分野は以下のとおりだが、何でも一通りはできる。
ラパン/九尾の狐
土・土木・建築魔法、木工
ピョン太/月の兎(白虎)
鉱石、錬成、鍛冶、魔導具
ブーレ/白孔雀(鳳凰)
農業、料理 醸造
ガッロ/朱雀
牧畜、料理 蒸留
みんなで相談し合いながら、まず体育館のような建物を建てた。
ただし、高さは3mもない。
併設する形で、トイレとシャワー室を複数、それに大きな台所と食堂を設けた。
ベッド・収納家具・テーブルなどの家具も十分に用意し、井戸もいくつか掘る。
魔素を軽減する腕輪『アンチ魔素腕輪』とでもいうような魔具を数十個作った。
服とシーツも用意した。
作業が終わると世界樹の拠点に戻り、宴会をしてみんなを労う。
次の日も快晴だった。日差しの照りつけがきつい。蒸し暑くはない。
エレンの小屋に行くと、汚いガキが20人ほどいた。
匂いがあれなので、軽く清浄魔法をかける。
オレは3畳部屋程度の箱を2つ作り連結した。
内壁から安全ベルトのようなものを生やして、ガキどもをそこに押し込んだ。
ますはアンチ魔素腕輪を腕にはめさす。
『みんな、安全ベルトを締めよ』
オレは見本を見せながらベルトを締めさせた。
各自のベルトの締まり具合をチェックした。
念の為に各自に結界魔法を張り巡らせる。
ウニャに頼んで、オレたちは一気に昨日建設した建物まで飛んだ。
時速500kmとはいかず50km位だったから、ちょっと時間がかかったが。
到着すると、ガキどもは真っ青な顔をして中から四つん這いで這い出てきた。
漏らしているやつがいたので、清浄魔法をかけておく。
とりあえず、建物に引率する。
『ここが当面のお前たちの家だ。あとで個室にするがそれまでは集団生活だ』
各自に服と石鹸とタオルをもたせ、まずシャワーを浴びるように言いつける。
ガキどもがシャワーから戻ってくると、早いものがちで自分のベッドを決めさせた。
『場所に不満があったら相談して変更しろ。不平があっても喧嘩するなよ。面倒臭いやつは放り出すからな』
次に夕食の準備をする。
焼き肉の乗った大皿数枚、小皿とフォーク数人分、パンの入ったバスケット数個、水さし、コップ人数分などをテーブルの上に並べていく。
『準備できたぞ、こっちこい』
ガキどもはワラワラと食堂に集まってきた。
焼き肉を見た瞬間、大歓声を上げて席についた。
『じゃあ、自分の分の小皿2枚、フォーク、コップをとれ……いきわたったら、まずコップに水を入れて……慌てるなよ、量はたくさんあるから……よし、まずは頂きます……じゃあ思う存分食え』
で、戦争が起こった。
『うにゃうにゃうにゃ!』
いや、ウニャくんたち。君たちには別にご飯あげてるでしょ?
なぜ、参加するの?
結局、大皿もパンもいくつか追加しながらガキどもは満足したようだ。
食後、オレは説明する。
『お前らの腕にはめてもらっている腕輪は、魔素を防ぐものだ。というのはな、ここは世界樹の森の近くだからだ』
みんな心配そうな顔をする。
世界樹の森は魔素が濃くて人間が生存できないことの知識は持っているようだ。
『心配するな。俺たちは世界樹に住んでいる。お前たちの守り神を紹介する』
そうして、ウニャ丸は本来の姿に戻り、オレのフードからテーブルにおりたった。
本来の姿といっても生後四ヶ月の子猫が生後一年になった程度だが。
『こいつは森の精霊、神様の使いだ。こいつがそばにいる限り、おまえらは安全だ』
そして、歓声をあげているガキどもにゆっくりとウニャをさわらせる。
モフモフに安心したのか、そのうち笑顔が出始める。特に女児は嬉しそうだ。
そして、次にロボを紹介する。
大きさは本来の1/3程度で、ゴールデンレトリバーぐらいだ。
『こいつも森の精霊だ。同じく神様の使いでおまえらの安全を守るためにいる』
ロボを初めてみたガキどもは最初は不安そうだったが、モフモフをナデナデさせているうちに笑顔になった。
『では、おまえらがここで何をするのかの説明をする。まずは数ヶ月ほどかけておまえらはオレたちから教育をうける。その後、おまえたちはいろいろな職業についてもらう。安心しろ、無理なことは言わない。食事も宿も安全もずっとオレたちが保証してやる』
ガキどもは納得できたのか、真剣に頷いている。
『では、お前らのパートナーを紹介する。お前らは今後ずっとそのパートナーの面倒を見るように』
オレは人数分の魔狼を食堂に引き入れた。子狼なので実に可愛らしい。
チュ○ルを与えているが、ロボの配下である。
『そいつらは子供の狼だが安心しろ、犬と同じだ』
子魔狼たちは一匹ずつ子どもたちの横にチョコンと座った。
歓声とともに子魔狼をナデナデしている子供も多い。
中には顔をモフモフに突っ込んで狼吸い?しているやつもいる。
まあ、概ね大好評のようだ。
相性が悪そうなら、次の手も考えてあるが、これならみんな大丈夫そうだ。
最後に子どもたちと名前と性別、年齢を一覧表に記入させる。
年齢は自己申告。ほとんどは代筆だ。
それによると、男子対女子は7人と13人。年齢は最低5歳から最高11歳。
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