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02 エレン視点

初投稿です。未熟者ですので、誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。

【エレン視点】転移2年9月


 ボクはこの街カザールに生まれた。

 記憶のたどる限り、ボクには父親がいなかった。

 小さいときに病死したらしい。


 お母さんと2つ下の妹との借家住まいだった。

 お母さんは優しかった。

 でも、毎日朝から晩まで働いて、大変そうだった。


 生活も苦しかったし、ボクもあんまりいいことがなかった。


 まず、6歳になるとみんなが受けに行く洗礼式。

 ボクも教会へ行ったのだけど、そのときに鑑定してもらう魔力の有無。

 ボクには魔力がなかった。何の加護もなかった。


 続いて、6歳になった妹もやっぱり、魔力がなかった。


 お母さんはボクたちを慰めてくれた。

 もっとも、周りの子供達も大部分が魔力がなかったから、

 それほど落ち込んだわけじゃない。

 でも、魔力があると人生逆転の目がでてくるからね。


 魔力があれば、大変そうなお母さんを助けられるのに。

 妹にももっといいご飯を食べさせてあげられるのに。



 そんなお母さんはボクが8歳のときに病死してしまった。

 家に帰ってきて、すぐにベッドに横になり、そのままだった。

 慌てて教会に駆け込んだが、追い返されただけだった。


 落ち込む暇もなかった。すぐに借家を追い出された。

 なんとか慌ただしい葬式を済ませると、

 妹とストリートチルドレンになるしかなかった。


 “ふほうせんきょしゃ”っていうらしい。

 そういう人たちのたくさんいる場所だった。


 狭い通りはなぜか人が多かった。

 いい大人が昼間から酒のんで、ゲームみたいなのをしていた。

 子供も多かった。たまに雨が降るとみんなシャワー代わりにした。


 8歳の子供にまともな職があるわけがない。

 中にはあの汚い川に潜って廃品回収している子供もいる。

 目が真っ赤だ。


 廃品回収も考えたけど、妹がいる。稼ぎが必要だ。

 ボクはスリで生計をたてはじめた。

 才能があったのか、そんな才能いらないけど、場所を変えつつ、

 毎週、それなりの稼ぎがあった。



 そのうち、同じような境遇の子が固まるようになった。

 スリで荒稼ぎすると変な大人が出てきたり、

 同じ子供同士でもいがみあったり。


 ボクたちは自衛のため、できるだけつるむようになった。

 ボクは腕っぷしも強いほうだったし、いろいろ知恵も回るほうだった。

 だから、リーダー的な存在になった。


 怖い噂もある。

 ボクたちの住んでいる場所はボクたちのものじゃない。

 違法に住んでいる。

 だけど、立ち退きをさせると住民が立ち向かってきて面倒だから、

 時々、火の手があがる。放火らしい。


 この前なんかも、すぐそばの焼け跡が教会になってたし。

 教会っていっても、なんにもしてくれないんだけど。



 そんなふうに2年ほどなんとかやってこれた。

 でも、栄養失調で妹はどんどん痩せていき、ゴホゴホ咳をするようになった。

 多分、老咳だ。多くの人がこれにかかって死んでいく。薬がない。


 治すには、美味しい食事ときれいな空気だって言われている。

 いい食事なら用意できるかもしれない。

 ボクは殴られたり、追いかけられたりしながら、毎日街じゅうでスリとか

 置き引きとかに励んだ。



 でも、ある日やらかしてしまった。

 犬連れの高そうな服を着ている人を狙ったときだ。

 気づいたら、跳ね飛ばされていた。


 そして、脅されて腰が抜けてしまった。


『スリか?』


 ボクはうなづくしかなかった。嘘いう気もおこらなかった。

 ものすごく怖かった。ものすごくヤバい人に捕まった気がした。

 心臓がバクバクして、呼吸がまともにできない。


 でも許してくれた。ホッとした。気がつくと汗をかいていた。



 ボクは這々の体で逃げていき、ボクの小屋で震えていた。

 すると、さっきの恐ろしい男が小屋に入ってきた。つけて来たんだ!


 なぜ? ボクは混乱した。意味ないぞ。捕まえて売り払うのか?


『なんだよ、まだなんか用か』

『その子は妹か?』

『だったらなんだよ』


 ボクは警戒心が溢れ出た。妹も一緒に売ろうってのか?


 すると、その男はなんかの葉っぱを差し出した。

 危ないものじゃない、とわかるように、葉っぱをかじりながら。


『これをその子に食べさせろ』


 世界樹の葉? そんなおとぎ話みたいなもの、この人おかしいのか?

 ボクは警戒しながら妹に葉を食べさせた。

 すると驚いたことに、妹の体が白く光り、妹の青い顔が生気を取り戻していく。



 それからクッキーをくれた。

 甘くて美味しいどころの騒ぎじゃない。貪り食った。


 なんで、こんなに親切にしてくれるんだろう。

 ボクはますます混乱した。タダなんて信じられない。何が目当てだ?


『そう警戒するな。オレも親をなくしてるから、ちょっと助けてやろうと思っただけだ。とって食おうというわけじゃない』


 信じられるか。すると、


『にゃー』


 一気に和んだ。


『あっ、猫ちゃん』


 小さな黒猫が男の服のフードから飛び降り、妹のそばに降り立った。

 妹はすぐさま頭をなぜなぜして顔が輝いている。

 ネコもしっぽをゆっくり振って、嬉しそうだ。



 友達を連れてこい、と言われ、

 連れてくると、スラム街を出たければ明日の今の時間にここに来いと言われた。


 みんなと話し合った。信用していいのか。

 最後は妹の一言で決まった。


『この病気を治す薬なんて聞いたことがない。そんなのをくれる人。例えなんか理由があるとしても、私は信じたい。それにこのままでもどうせだし』



 次の日、みんな集まった。全部で20人になった。

 さて、ボクたちはどうなるんだろうか……


 ステータスも測ってくれた。教会で調べて以来だ。


   名前 エレン

   年齢 10歳

   性別 M

   出身 ランスター王国カザール

   種族 ヒューマン

   HP 109

   MP   0

   筋力 23(10歳男子平均は15)

   体力 24

   速度 22

   知力 28

   精神 18

   意思 40

   物理基礎力 27

   魔法基礎力  0



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