03 鑑定したら
初投稿です。未熟者ですので、誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。
【鑑定】
落ち着け。まだ慌てる時間じゃない。
漫画の名言を思い出しながら、その実心臓ドキドキで今後を考える。
異世界に転生したなんて、厨二すぎて納得できるわけがない。
とりあえず、わけのわからないところにいるとして、現在地を示すものは。
携帯はもっていない。財布を持っているが、役にたたない。
遭難レベルだとして考えよう。
オレはボーイスカウトの経験があり、サバイバルには人一倍の関心がある。
●水の確保。頭の中にいくつかの方法が列挙される。
周りを見よう。大木から雫が垂れている。水の確保終了。
●火の確保
ポケットにライターあり。
これ、スイスアーミーの超簡易版にジェットライターのついたスグレモノ。
いつも財布に紐つけていた。
●住居の確保
オレの目の覚めた場所が大木の幹の中。
気温も適温で地面は分厚い芝生のような感触。快適。
●食料の確保
周りの森林に果物が結構ぶらさがってるぞ。
本当に慌てる時間じゃなかった。
ウニャ丸を地面に下ろし、果物をもぎ取りに行く。
そしてマンゴーのような果物にかぶりつきつつ、メニューを眺めてみた。
メニューの2ページ目を見ると
【加 護】
ケット・シーの加護
【スキル】
刀 L4 格闘術 L3 料理 L3 鑑定 L1 気配察知 L1
計算 L4
【特 技】
チュ○ル
ペットフード固形
などと表示された。
ケット・シーの加護? ケット・シーって猫の妖精?
おれは香箱座りしているウニャ丸をじっと眺めてみた。
すると目の前に浮かび上がってくる。
名前 シュワルツ・ウニャ丸
年齢 ∞
性別 F
出身 異世界・日本
種族 ケット・シー
特記
『お前、妖精だったんかー』
本日何度目かになる驚きの声をオレはあげた。
『うにゃー』
ウニャ丸は起き上がると、伸びをして得意そうに尻尾をピンと立てている。
ちなみに、こいつに最初につけた名前はウニャ丸。
というかオレはペットに名前をつけることに抵抗がある。
だから、ペットも近所の猫も友達の猫もみんなまとめてウニャって呼ぶ。
いや、猫ちゃん、にゃこ、フニャとか適当に呼ぶ。
ウニャ丸も病院行ったときに名前の欄があってウニャじゃかわいそうか、
というオレのなけなしの常識が発動された結果、丸がつけられたのだ。
しかし常識2が発動され、ウニャ丸って結構恥ずかしいかもと思い直した。
黒猫だったからドイツ語の黒・シュヴァルツから、シュワルツをつけてみた。
ウニャの年齢は∞無限大?
妖精だからってことで納得することにした。
オレのステータスに戻る。
スキルの刀と格闘技も納得だな。俺は剣道2段、空手初段だから。
剣道は年少時から嗜んでいたが、高校ぐらいから空手も覚えることにしたのだ。
まあ、剣道2段とか空手初段って結構微妙かもしれんが。
料理もわかる。俺は一人暮らしで料理好きだったから。
気配察知もわかる。武道やってたせいか、
オレは相手の殺気みたいなものを感知することができていたし、
空手なんかでも気を練る練習とかしたからな。
気なんて錯覚とかいう奴。実際みたら驚くぞ。
気を察する練習は多くの武道に取り入れられてる。
オレの師匠なんか、後ろから攻撃しても受け止めるからな。
音とかで判断してるんじゃないぞ。起こりで気づくからな、奴らは。
ちょっと話がそれた。問題は鑑定だ。
異世界あるあるのスキルだ。
なんでも見るだけで鑑定できるとしたら、これで一財産稼げるぞ。
まだレベル1だから貧弱だが、今後に期待だ。
あっ、だからウニャのステータスが覗けたのか?
よし、使ってみるぞ。
まずは後ろの大木。『鑑定』
名前 ユグドラシル
年齢 ∞
性別 ー
種族 世界樹
特記
おー、本日〇度目の驚き!
これ世界樹かー。ユグドラシルって北欧神話? ラグナロクとかあるんかな。
ケット・シーは確かアイルランド。何でもありか。
しばらくは6時と18時頃に投稿します
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