08 ブランシェ視点
初投稿です。未熟者ですので、誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。
【ブランシェ視点】
私はブランシェ。17歳。
冒険者ギルドの窓口で働き始めてから2年。
ここで働き始めたのは、お父さんの命令。
だって、私のお父さんは冒険者ギルドマスター。
元Aランクの冒険者。
ランスター王国に10人いないんじゃないかしら。
自慢のお父さんと言いたいところだけど、締め付けがすごく厳しい。
男にうるさいのよ。
冒険者はダメだとか。
オレより強いやつじゃないとダメだとか。
じゃあなんで私が冒険者ギルドで働いてるわけ?
オレより強いって、この国にそんな人何人いると思ってるわけ?
そんな人、みんなおじさんばっかりよ。しかも、冒険者ばかり。
王立魔導士とか近衛兵とか、嫁的な意味で女性に人気の職種の男性。
みんなコネでポジション勝ち取った人ばかり。
それでも構わないんだけど、収入的には。
でも、強さはからっきし。
実戦経験ないから、ゴブリンがせいぜい。
魔狼レベルだと、パーティ組まないとムリ。
それって一般男性よりちょっとだけ強いってだけ。
もう、どうすんのよ。
私、学生の頃ミス○○にもなったことあるし。
隣街で噂になる程度には人気あったし、
頭だって悪くない。
早い子なんて、15歳ぐらいで結婚する。
20歳だとちょっと遅いかも、ってなる。
25歳だと行き遅れ。
ところがお父さんのせいで誰も近寄ってこない。
冒険者ギルドは男ばっかりだっていうのに。
たまに若い子が私に声をかけてくるんだけど、
すぐに他の冒険者に言いくるめられている。
お父さんのせいよ。
もっとも、私も目が肥えたせいであれこれ目移りしなくなった。
これも行き遅れる原因なのよね。
昔かっこいいと思ってた人でも薄っぺらくしか見えなくなった。
かといって、カッコいい人ってみんな結婚してるの。
不倫に走る人、気持ちがわかるかも。
でも、この前ちょっと有望株見つけた。
最初窓口に並んでたときは、影の薄い人だった。
なぜか、チンピラ貴族に絡まれて『決闘』だって。
あれ、チンピラが連れてる奴隷って、トムさんじゃない。
いつのまに奴隷に?
Aクラスパーティの『闇の簒奪者』のバリバリ前衛だったのに。
ちょっと前になにかのトラブルで解散したって聞いたけど。
どうでもいいけど、なんでパーティの名前ってあんなに気張ってるのかしら。
で、トムさんが相手? わっ、相手死んだ。かわいそうに。
そしたらその男、『4人でかかってこい』だって。
何カッコつけてんのよ。命かかってるのに。
トムさんが気になったし、みんな決闘会場にいっちゃったから、
私も、こそこそ見に行ったわ。
びっくりした。
一発で4人を吹き飛ばした。
あの影の薄い人は、これ以上ないくらい凄腕だった。
お父さんが言うには、攻撃魔法だけじゃなくて精神魔法も凄いらしい。
チンピラ貴族がずっと悲鳴をあげていた間、ずっと精神攻撃をしてたという。
お父さんはその魔法の精度に寒気ボロが出たって言ってた。
しかも、私の窓口に並んだってことは冒険者になろうっていう人。
冒険者初心者であの強さ。
もうひとつ驚いたこと。
物凄くカッコよかった。
あの人、影薄かった理由がわかった。
魔法で気配消してたのね。
冒険者の上級者によくいるタイプ。
でも、冒険者じゃなくて気配断ってるって人、初めて見た。
冒険者って、オラオラ系の方が圧倒的に多い。
そうじゃなきゃ、オドオド系ね。
で、気配隠さなくなったら溢れ出るオーラ。
本当にびっくりした。
見てる女の子、みんな声をあげてたわ。
これは是非ともお近づきになりたい……
彼は窓口で冒険者登録をした。
リョータ・ミコハラ。聞き慣れない名前だけど、どこの国の人かしら。
出身不明? 孤児とかによくあることだから、問題ないけど。
年齢19歳。
これであの強さ。
お父さんより強いんじゃないかしら。
お父さん、トムさんと戦ったら負けると思う。
だって、引退してから結構経ってるし。
スキルはすぐにレベルが下がるからね。負荷をかけないと。
お父さん、毎日素振りとかしてるけど、あれじゃダメなのよ。
自分でも言ってるけど。
強い人と稽古するか、それこそ強い獣と戦う必要がある。
私、彼がギルドを出てってから、急いで後つけた。
仕事? あとで。緊急事態なんだから。
そしたら、美形のエルフに捕まってた。
あー、エルフ。浮世離れした美しさ。
嫉妬心もわかないわ。
彼がエルフと別れた後、思い切って声を掛けてみた。
エルフの一人は男だって。それには少し腹がたったわ。
思わず嫉妬心が。
男が私よりキレイだなんて。
でも良かった。
だいたい、エルフは競争相手にならないのよ。
エルフはエルフ同士で結婚するから。
それに、ちょっとだけどリョータさんとお近づきになれた。
可愛い猫ちゃんも見れたし。
ちょっといないわよね、あんな品のある猫ちゃんは。
できれば、もっと押したいんだけど。
恥ずかしくてできなかった。
リョータさんも気のきかない人よね。
でも、後日あることを願って。
そんなことを思ってるときもありました。
あれから、リョータさん、ほとんどギルドにきません。
3ヶ月に一回ぐらいかしら。
来たら速攻で声を掛けに行くんだけど。
でもね、わかるのよ、私には。
競争相手がたくさんいる。
みんな、あの日のリョータさんの闘いを見た人。
リョータさんの魅力に気づいているのよ。
私がリョータさんに近づいていくと、怖い目で睨んでくるもの。
めげないけど。
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