16 隣国アーロッシ帝国侵略
初投稿です。誤字・脱字等ご指摘いただけると幸いです。
とりあえず、最後まで書き終えました。煮詰めつつ投稿する予定です。
【隣国アーロッシ帝国侵略1】転移6年6月
隣国アーロッシ帝国が、ランスター王国の国境付近できな臭い動きをしている。
そういう報告が増え始めた。
きっかけは小麦の値上がりである。
時期は6月、春小麦が収穫されたばかりであり、値上がるはずがない。
調査してみるとアーロッシ帝国の様々なものが値上がりしていた。
それはランスター王国の物価にも影響を与えていた。
しばらくすると、軍隊が国境近くの街ルビオスの近郊に駐留するようになった。
開戦する気まんまんであった。
兵力、推定20万人。
アーロッシ帝国の人口は3千万人。
動員兵力は100万人を越えると言われている。
国土が広いから、20万人という兵力は周辺の兵力を総動員したのであろう。
当然、王国も準備をする。
軍団長の一人として、ウィリアム王子にも白羽の矢がたった。
もっとも、誰も王子に期待しているわけではない。
王子は若年で、戦争の経験がない。
従って、後方でいわば王族の言い訳としてそこにいたに過ぎない。
ランスター王国の人口は1千万人。動員兵力は全国からかき集めても、
50万人というところが常識的な線だろう。
今回は、5万人程度しか集められていない。
しかも、僻地のことゆえ集合が遅れている。
王国は国境近くの砦に先発の5千人にて帝国軍を待ち受けた。
籠城して、援軍を待つか?
それとも、早期に砦を放棄してより防衛に有利なエラーノ街まで戻るか?
このままでは早期に抜かれるのは確実だとして、
エラーノ街では住民の避難勧告が発令された。
エラーノ街まで戻るしかないだろう。
砦にこもっていた5千人の王国軍は撤退の準備を始めた。
だが、国境を越えてきたアーロッシ帝国軍の攻撃は苛烈を極めた。
想定した以上の進軍スピードでもって砦を攻略。
砦を放棄しようとしていた5千人は壊滅状態になり、
一部がエラーノ他に撤退できたにすぎなかった。
エラーノの作戦本部では緊急会議が行われた。
敵は20万人。しかも進軍速度が速い。
現状、エラーノでは2万足らずしかいなかった。
十倍以上の敵を相手に、籠城戦。援軍が近づいているとはいえ、
勝敗は歴然としていないか。
この世界は魔法があるため、基本は遠距離攻撃戦。
城壁にかけられた結界や防御魔法が破られると、城壁は崩壊。
敵はなだれ込んでくる。籠城戦はあまり有効ではない。
勇者はいないか。
『私に策があります。軍勢は私の部隊50人だけで結構です。ちょっと一当てしてきたいのですが、宜しいでしょうか』
ウィリアム王子である。無謀に見える。
しかも王族を危険な目にあわすわけにはいかない。
『いや、王子。貴方様を危険な目に合わすわけには参りません』
『危なくなりそうなら直ぐ撤退します。威力偵察だと思っていただけませんか』
若気の至りか。
しかし、そこまで言われては司令官もうなづくしかない。
『くれぐれも危なくなりそうでしたら、撤退してくださいね』
実は、ウィリアム王子には自信の裏付けとなる作戦があった。
リョータはじめとするモフモフ軍団と、部隊シャドーの全面的な協力である。
しかも、リョータはウィリアム王子たちに向け、新兵器を用意していた。
『ビッグスクーター』
元は、ウォータジェット推進機をエアジェットにできないか、から始まった。
エアジェットは効率が悪く、水上ではレジャーバイク程度がやっとだった。
ならば、陸上で二輪車の推進機にしては。
陸上ならば、水の抵抗を受けない。効率よく二輪車を動かせそうだ。
それで開発されたのが、『ビッグスクーター』である。
スクーターにしたのは、取り回しがいいからだ。
形は、前世で格好のいいのが出回っていた。
勿論、エンジンはない。
排気管の位置にエアジェットが取り付けられている。
燃料は魔石機関。
この機関は、魔素を魔力に変換し魔石に取り込む魔導具で、魔素の多いエリアならば、無限に魔力を取り出すことができる。
元々は、世界樹の森やユグド街のある緩衝地帯用に作られたものだ。
人間居住区のような微魔素エリアならば、魔石の補充が必要になるが。
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