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2168年4月15日(金)

 2168年4月15日(金)。今日も逍遙は登校した。この時代の公立高校なら他校でもだいたいそうだが、朝のHR(ホームルーム)が始まるのは午前8時50分頃、朝のHRが終わるのが午前9時頃、1時間目が始まるのは午前9時10分である。若いのに朝早く行動することがもたらす健康への悪影響が広く国民に知られた為、平成期・令和期よりも遅い時間に始まることとなったのだ。公津の杜(こうづのもり)駅南口から出る路線バスが渋滞で遅延した為、HRが始まる直前、逍遙を含む多くの生徒が各教室に流れ込んだ。時刻は午前8時49分。逍遙は、彼に恋している里穂や礼佳と同じバスに乗ってきたが、今日は近くに座ってきたのが二人ではなく友人の大河だけで本当に良かったと安堵していた。もっとも、里穂も礼佳も逍遙と同じ3年文科2組なので、今この教室の中に逍遙、里穂、礼佳が揃っているのだが……。

 1時間目は古文漢文の授業、2時間目は英語の授業だったが、特筆すべきことはなかった。休み時間、逍遙は大河と共に他愛もない話をしていた。3時間目、4時間目は体育の授業。逍遙と大河たち文科1組・文科2組の男子は1500m走、里穂と礼佳たち文科1組・文科2組の女子はバレーボールだった。里穂も礼佳も、逍遙に本能的にどうしようもないほど発情して意識してしまっているので、スポブラの中で胸が揺れるたびにかすかだが感じてしまうのは言うまでもない。細身で色白の里穂、太ももむちむちの礼佳の吐息が、耳を澄まさねば分からないレベルではあるけれど甘く響く。勿論、スポーツをしている女子は、ちょっと美人な里穂と礼佳でなくとも、多くの人々――バイではない女性(全女性の1割だけ)とゲイの男性を除くほとんどの人々――にとって、どうしようもなく官能的なのだが。

 逍遙と大河は4時間目が終わると今日も食堂へ向かったが、やはりというべきか里穂と礼佳から逃れることはできなかった。結局今日もまた逍遙、大河、里穂、礼佳の4人で同じテーブルに着いた。但し、さすがにもう里穂も礼佳も露骨に逍遙を求めて修羅場を演じたりはしなくなっている。逍遙も大河も、ああ、これはこれから毎日4人でこうして食事をすることになるな、表向きは友達同士として……と悟った。

 5時間目は専門科目「経済学」、6時間目は「論述」。くどいようだがまた説明しておくと、この時代の高校は5年制、つまり5年間あるので、逍遙たち3年生以上の高校生は平成期・令和期には大学の学部1年生・2年生で履修していたあたりの教養科目や論述科目を履修しているのである。義務教育となった高校でまともな文章を書けるようになる為、日本国民のレベルは全体的に高い。多くの分野の教養科目に親しんでから大学受験を迎えるので学部選びで失敗することも少ない。それに加えて就職活動では大学生になってからの成績にも力点が置かれている。したがって大学生の能力も意欲も平成期・令和期に比べて圧倒的に高くなっているのだ。閑話休題。時刻は午後3時25分。6時間目が終わるまであと5分。逍遙たちは高校3年生になったばかりでまだまだ手探りの状況だが、なんとか「論述」レポート課題を書き上げ提出した。

 逍遙のような他の高校からの編入生を対象とする部活動勧誘は来週月曜日の昼休みに行われる。会場は文化館大講堂だ。逍遙は部活どうしようかななどと大河と話しつつ、幸せな気持ちで帰宅した。帰宅してスマホを見た逍遙は、母からのメールに気づく。冷蔵庫にコンビニ弁当があるらしい。逍遙がコンビニ弁当を見ながら編入学式でもらった編入生向けの部活動紹介パンフレットに目を通していると、弁論部と社会科学部に関心を持った。逍遙はとりあえずこの2つの部活動の勧誘を見ることとした。

次回、とうとう主人公の部活動が決まる――!

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