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第六話 邪神の語りと新たな力

第六話 邪神の語りと新たな力


「テスカ・・・トリポカ・・・?」


テスカトリポカ・・・確かアステカ神話に登場する元最高神の邪神だった気がする・・・。

原初の神が赤と黒のテスカトリポカがいて、五つの世界の太陽になっていたらしいが嫉妬したケツァルコアトルという今の太陽がその座を奪ったという神話だったはずだ。

でも、これは地球の神話だ。

なぜ、この世界に・・・?


『なぜ、僕がこの世界にいるのか・・・という顔をしているね』


思考を読んだ!?


『ははは、僕は神だからそのくらいお手の物さ。それと、これからの話はこっちでやろう』


シュリィィィィンン


甲高い音が響き視界がホワイトアウトする。

余りのまぶしさに目をつぶる。

暫くして目が光に慣れ、徐々に目を開けていくと・・・。


黒い白、そう言ったらいいのか。

不思議な色に覆われた世界が、俺の目の前にあった。


「やあ、直接会うのはこれが初めてだね。いや、さっきのことだから少し語弊があるかな?」


炎を体現したような赤い髪、全てを吸い込んでしまいそうな闇色の瞳、年の頃は十五、十六といったところか。

目鼻顔立ちの整った美少女がそこにいた。

まさか、コイツが・・・!?


「ふふふ、信じられないという顔をしているね。そう、僕は女だよ。まあ、性別は神にとってあまり関係ないんだけど・・本題に移ろう」


いやいやいやいや、邪神がこんな神々しい美少女の姿をしていて驚かない方がおかしいだろ!!

何をどうしたらこんなデティールの邪神が誕生するんだよ・・・。


「君の今までの質問は二つだ」


スルーかよ・・・・。


「なぜ、地球の神話に登場する神である僕がここにいるのかということと、なぜ僕が君を知っているのかだ」

「それよりもお前の姿のほg」

「僕がこの世界にいるのは・・・まあこの地へのしがらみからだよ」

「しがらみ・・・?」


俺の言う事が全く無視されたことは憤りを感じるがここは我慢だ、我慢。


「確かに君の言う通り僕は地球の方の神だ、だけどね実は僕は渡り神なんだ」

「渡り神?」

「そう、渡り神は界を渡る、どんな世界であろうと渡れる。ケツァルコアトルにとられたという神話は嘘で、僕が自発的に譲ったんだ」


あの神話、嘘だったのか。


「で、渡っててた中の世界の一つがここだったわけ、実はここ地球の存在する世界と非常に密接でね生まれ故郷のような地球の力を存分に受け取れる、でもあの世界には転生できるほど魂の強度が高い子たちが多くてね、おいそれと近づけないんだ、一度出ると。だけど、地球の近くにいたい、その思いでここに居るわけさ」


魂の強度ってなんだよ、というか俺、魂とやらが結構強かったんだな。


「君と、あと・・・5人くらいは跳び抜けて強い魂を持っていたね、そういえばその中に君が、心配している最上虚君もいたなぁ」

「う、ウツロもか!?」

「ああ、あの子も転生というか転移して滅茶苦茶強くなってたねぇ」


あいつも、別の世界に・・・。


「で、君のことを知っている理由は・・・さっき言ったように強い魂の持ち主だっていうのもあるけど。もう一つあるんだ」

「それは?」

「君が僕のお気に入りだからだよぉ、今すぐ僕のものにしたいくらいだ。ちなみにウツロ君は%&$%$のお気に入りね。あ、これは声が化けちゃうんだった、シークレットだからね。ということでこれが理由さ」


いや、お前に気に入られる理由が分からんのだが・・・。


「理由?好きになるのに理由なんていらないでしょ?」


地球のどこぞのロマンチストみたいに言うな。


「で、君をここに呼んだ理由だけど・・・ごめん、君が転生する際に一つつけ忘れたスキルがあるんだ」


そんなものがあったのか。


「究極スキル覇鬼之王、君の月夜之王と同じ僕の直系スキルさ」

「直系スキル?」

「ああ、僕自身の権能から生み出した特別なスキルでね、非常に高性能なスキルだよ」

「ふうん、で、それの対価は?」

「対価なんていらないよ、と言いたいところだけど、一つ頼みがある」

「なんだ?」

「ここの太陽を・・・殺してほしい」


ふむ、元からそのつもりであるので拒否はしないが・・・。


「なぜ、自分で殺しに行かないんだ?」

「ははは、そう来ると思った。そうだねぇ、事実としては、僕があれに手を出すことができない。という事かな。実は今の神、僕の眷属なんだよね、だけど、僕に向けるはずの信仰を全部横取りしてきたんだ、だからこの世界で僕が震える力はすっからかん、とてもあいつに太刀打ちできない。そこで君だ!!僕はこの世界以外なら力を振るえる、だから代わりにその力を振るってくれる相手に上げることにしたんだ。でも自分の嫌いな奴に上げることは出来ない・・・だからこそ託すんだ。君に」


ふむ、つまり気に入った相手に力を与えて討伐してもらおうと。

話が単純で裏表がなさそうだ。


「よしっ、その依頼受けた!!」

「やったぁぁぁぁぁああああああああ、これであの問題も片付く!!そうと決まれば・・・!!」


《究極スキル覇鬼之王を獲得しました》


究極スキル覇鬼之王

権能

帝権支配・・・万物を支配する

事象演算・・・自身の演算領域において自分の近くできたものを完全に情報開示をする

鬼神背力・・・打撃の根本に対して莫大な力を与える

万象喰い・・・万物を喰らい、別空間に隔離解析することで完全なるコピーを実現する


「うん、ありがとう」

「ああ、君が快く承諾してくれて楽になったよ、ありがとう。それじゃあ」


再び烈光が俺に降り注ぐ。

気付くと再び魔界のあの場所にいた。


~テスカトリポカの神宮~


「ふふふふ、頑張ってくれ未来の僕の旦・那・様」


はははははは、というテスカトリポカの笑い声がその神宮に何日もこだましたという。

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