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閑話「今日は何の日? 6月25日編」①

「……ゑっ!?」

「どげんしたと?」

「何で?! 何で唐突に閑話!?」

「あー……作者が今日は百合ん日だって気づいてしもうたみたい」

「だからって本編の途中に挟まなくても……!」

「まぁまぁ。記念日系は時系列バグるし閑話とか番外編とかにせざるを得ないんですよ」

「いや、素直に本編書こうよ」

「本編ば書いとーよ? ばってん、新作も投稿したかー言うて書き溜めとる」

「新作!? しかも書き溜め!?」

「ですねー。寝食を削って書いてるらしくて、ここしばらくで8kgくらいやせたとか何とか」

「……どこから突っ込めばいいの?」

「はっはっはっ、ナイスジョークですあまねさん」

「「?」」

「百合ってことは突っ込めない――」

「アウトぉッ! アウトだよ環ちゃん! 柚希ちゃん、とりあえずアルマ呼んできて!」

「アルマも罰ゲームみたいな扱いになっとーね……」

「はーい皆さん、こんキュバス!」


 カメラに向かって手を振ると、サブモニターにずらりとコメントが流れた。

 いつも通りの配信画面だ。

 モニターに映っているのはおれと環ちゃんのみ。とはいえ、画面外にクリスやルルちゃんをはじめとした皆がいるので心細くはない。


「さて、六月二五日です。今日は何の日でしょう?」


『あまねたんがおとなになった日』『なんかあったっけ?』『【¥4545】ニワカどもめ』『【¥50000】あまねの悲鳴がたすかる日(になる予定)』『るるたそいないのなんで』『単独配信だっけ?』『何の企画だろ』『【¥1919】期待』『【¥1919】ふぅ……』『今日は百合の日』


 流れるコメントの中に正解が出てきたので、溜めるのをやめて今日の企画に繋がるオープニングトークに移る。


「今日は百合の日です! 良いですよね百合! 白いし綺麗だしおっきいし凛々しいし清楚だし良い香りだし!」

「聞きましたか皆さん! 百合は良い匂いがする! これがあまねさんの見解ですよ!」


『これは血流改善』『完全にちょうきょうずみ』『【¥50000】柚希と百合ん百合んしてください』『百合と聞いて』『【¥31500】クリスたんに責められてください』『【¥10000】環による悲鳴を待ちわびる』『草じゃなくて百合生える』『あまねチャン(と)ネルで百合って言えばな』


「なんでだよ!? まだ植物の話しかしてないだろ!?」

「ええそうですね。百合の話ですよ? ほら、良い匂いなんですよね?」

「ぐぅっ……!」


『さっそく捗る』『てぇてぇ』『【¥1000】よくやった環』『【¥5000】かいまくたすかる』『開始直後でこれってことは本編では・・・』『ベッド用意しろ! お風呂も沸かしておけ!』『お風呂とかマジ無能』『良い匂いを落とすなんてとんでもない』


 なんかとんでもない方向へとコメント欄が流れていきそうなので軌道修正を図る。

 っていうか環ちゃんさ。

 おれに台本渡しておいたくせに、自分でその台本から外れさせるってどういうことですか……?


「さて、そんなわけで今日のテーマは『あまねさん』です!」


 訳が分からないだろうけれども、今日の配信は今までとは一味違う。あ

 なんといっても、おれがターゲットではないのだ!

 騙されたり! 引っ掛けられたり! 陥れられたり! そんな心配はしなくていいのである!

 ……いや改めて考えるとホントに碌でもないね。


「さて、あまねさんと言えば、ククッ、思わず手折りたくなる大輪の百合、ぷぷっ、誰もが認める清楚で可憐な華ですが」

「思ってないだろ!? めっちゃ笑ってるじゃん!?」


『大丈ブブッ』『思ってる思ってるプププ』『【¥2525】環の意見に同意』『これは百合生えるわwww』『花 畑 不 可 避 !』『【¥2828】環ブレなくてすこ』


「なんでコメントでまで笑ってんだよ!? おかしいだろ!?」

「はいはい。おかしくて良いのでちょっと静かにしときましょうねー。話進みませんから」

「お、おれのせいみたいに言われた……ッ!」


 解せぬ。

 絶対おれのせいじゃないのに!


「さて、今回はそんなあまねさんを掛けて、他のメンバーでちょっとしたゲームをしてもらいます! 優勝者にはあまねさんを食べ放題のお代わりし放題です!」


 普通に意味わかんないと思うんだけども、なぜかコメント欄は大盛り上がりである。誰が俺を食べ放題にするのがエモいなんて話まで始まり、完全に収拾がつかなくなっている。


「はい、それでは選手紹介! エントリーナンバー一番! クリスさん!」


 環ちゃんのコールに合わせてクリスが画面内に入ってくる。ジーパンにティーシャツというラフなスタイルだけども、キリっとした姿はかっこいいし強そうだ。


「正妻として、まず私が食べ放題だ。他の者たちは私が食べた後にしてもらおう」


 環ちゃんプレゼンツのコメントは切れ味が凄まじくコメント欄が滝みたいな速度で流れていってる。うん、クリスは気にしないだろうけども、比喩表現的になんかすごい絵面になりそうだもんね。


「エントリーナンバー二番! 柚希さん!」

「食べ放題はみんなで食べるとがうまかて思うばってん、せっかくやけん一位ば狙うばい!」

「三番、ルルちゃん!」

「がががっ、がんばる、です! あまね様と、お昼寝、です!」


 ルルちゃん……ルルちゃんだけがおれの癒しだよ……!


 その後、リア、葵ちゃんと続いて最後はアルマだ。


「六番、アルマ!」

「環さまのために死力を尽くします」

『やる気を感じないwww』『アルマは環とあまねの間で揺れ動くのか』『普段なにも言わないからこそベッドの中のギャップがはかどる』『【¥10000】揺れ動く(物理)』『もうちょっとテンションあげていこうぞ』『メイドさんはいつでも冷静なのがエモ』


「あー……確かにやる気って意味ではちょっと下がるかも? アルマとしてはおれよりも環ちゃんが良いもんね?」

「比べられるものではございませんが、アルマの存在意義は環さまに尽くすことですので」

「んー……じゃあアルマが優勝したら、環ちゃんお世話し放題ってことでどう?」

「本当によろしいのですか!? 全力で頑張ります! 全力で! 頑張ります!」


 いや別人かよ。


「あまねさん!? 良くないですよ!?」

「ほら、じゃあ陰キャバスのみんなに聞いてみようよ」

「ヴェッ!?」

「いつも環ちゃんがやってるし」

「ヴォッ!?」


『これは良い反撃www』『【¥2000】たまきのひめいたすかる』『こうして環からのヘイトを高めていくんだなwww』『あまね・・・かしこくなって・・・!』『【¥500】これはこれではかどる』『てぇてぇ』


 結果的に賛成多数となりました。

 ふふーん。いつもやられてるだけじゃないもんね!

 ニヤニヤしながらややテンションが下がった環ちゃんを眺めていると、大きく深呼吸をして気持ちを切り替えるところだった。

 用意してあった小道具を取り出し、俺の首に掛けた。

 パーティーグッズのたすきシリーズで、『私のために争わないで』と書かれたものだ。ご丁寧にも『私』を赤いバッテンで潰して、変わりに『おれ』と書かれている。


「さて、あまねさんの癖に小癪な真似をしてくれましたが、アルマが一位にならなければ問題ありません!」


 ナチュラルにディスりやがって。

 たまには陥れられる気持ちを味わうと良いよ。普段おれがやられてるみたいに。


「というわけで気を取り直していってみましょう! ミニゲームを三つやって、順位ごとにポイントを割り振って決めますよー」


 さて、おれはアイスカフェオレを片手に優雅な鑑賞タイムといきますか。

 普段だとだいたい身体を張らされるから滅多にこんなチャンスないもんね!

「まさかのゲーム内容までいかないとか」

「パッション、です! 仕方ない、です!」

「次回更新はいつになると?」

「今週中にはなんとか、です? 新作のだっこー? にむけて? が忙しいみたいです!」

「ルルちゃんだっこ―って分かりますか?」

「分からないです!」

「ほぉら、これが抱っこですよー」ムギュッ

「ナチュラルに嘘ついとーばってん、新作の抱っこってどげん意味やね?」

「あーSAN値チェック失敗して不定の狂気なんですよ、作者」

「まさか、ミニゲームの未定とか……?」

「あるって言ってます! あたまのなかには、です!」

「いやそれをないって言うんだよ……!」


※頭の中にはあります。

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