表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/187

◆012配信準備 地球編2

いつもありがとうございます。

これでようやく配信にたどり着けそうです。 ※明日です。

また、誤字報告も大変ありがたいです。

それでは本話もお楽しみください。

「ほっぺがプニプニ。最高」

「はうぅ」


 ガリッガリに痩せたロップイヤーの女の子は、名前をルルちゃんと言った。口減らしのために二束三文で売られたらしいのだけれど、お値段なんと銀貨10枚。

 ちっちゃく見えたけどそれは種族特性らしく、14歳でした。

 おれの推定年齢より上なんだけど。

 解せぬ。

 天幕の中で裸に剥かれたルルちゃんはおれと奴隷契約を結ぶこととなった。結構特殊な魔法によって結ばれる契約らしく、クリスでも扱えないものだった。契約を破ると動けなくなる、というありがちなものから、破った瞬間に頭が爆散するなんていうスプラッタなものまで、オプションでいろんな契約が結べるらしい。

 もちろん物騒なオプションなんていらないので、契約を破ったら動けなくなる、で十分だ。

 契約時に行われる取り決めは購入者側には衣食住の保障、奴隷側には命令の遵守をベースに条件を詰めていくらしいのだが、ルルちゃんからは「よろしくお願いします」の一言だけで他には一切の要求なし。

 まぁ後から聞いたルルちゃんの悲惨な人生から考えると、要求なんてできるはずもない、と分かるけど、要求されていない分もおれなりに甘やかしていこうと思う。

 おれからは、クリスの勧めで「逃げない」だけを足させてもらった。

 逃げたら保護できないからね。特に地球に連れてった後だと逃げ場とかないだろうし。


「あーでももうちょっと肉付きが良いほうが良いわね。さ、食べましょ」

「ひゃうっ!? なんふぇほほふぇっふぇ」


 ちなみに現在、そのルルちゃんは環ちゃんの膝の上で餌付け(強制)されている。

 セクハラタッチをされて悲鳴をあげたところにクッキーを放り込まれたため、それをもぐもぐしながらも涙目でおれに助けを求めている。

 涙目の女の子、てぇてぇな。

 心に()みるぜ。


「大丈夫。落ち着いたら教えてあげるから」


 クリスは座卓の反対側、おれのとなりに腰掛けて優雅にお茶を飲んでいた。紅茶じゃなくてほうじ茶なのはご愛敬だろう。


「とりあえずルルちゃんのお仕事は、元気になることです。たくさん食べて、たくさん寝て、元気になったら一杯はたらいてもらうからね」

「はいっ! ご主人様のお役にたふぇるひょうひ――」

「タマキ、流石に無理やり詰め込むのは可哀そう」

「だってもぐもぐしてるルルちゃん、可愛いんだもん」


 再び涙目のルルちゃんを眺めながら、苦笑する。

 あの後、ルルちゃんを連れて宿にいこうとしたら宿の人に拒否された。なので、クリスの鎧ができあがるのを待って、さっさと地球に連れてきた。清潔感が、と言われてめっちゃくちゃ不愉快だったのであの宿は二度と使わん!

 ちなみに地球に転移するための魔力はルルちゃんに手伝ってもらってチャージしました。

 いい子過ぎて何をしても、「大丈夫です」しか言わないのですっごく罪悪感が湧きました。ごめん嘘。興奮した。真っ赤な顔でぷるぷるしながら「大丈夫」とか言われたら興奮するに決まってるでしょ!

 一応、おれがサキュバスであることや、ここが魔族も獣人族もいない平和な異世界であることは教えたけど、はてなマークが頭の上にたくさん浮かんでいたのであまり理解できていないだろう。

 風呂場に連れ込んで丸洗いしたあと、大悟にお願いして買ってきてもらったコンビニご飯を食べたらわんわん泣き出した。そして、大悟にくっついてきた環ちゃんがルルちゃんを捕獲して今に至ると。


「とりあえずルルちゃんはおれのことをご主人様って呼ぶのやめようか」

「……ぇ」


 なんでそこで絶望、みたいな表情になるんだろうか。

 見捨てられると思ったのか、一瞬で顔色まで悪くなっている。


「ああ違う違う。名前で呼んで欲しいってこと」

「名前、ですか」

「そうそう」


 ちなみにおれは動画配信者として、本名をそのまま使うつもりである。とはいえ、名前をあまね、姓をそうやと逆転させるつもりだけど、まぁバレないだろう。漢字を充てるなら宗谷天音とかその辺りになるだろうか。宗谷はともかく名前はひらがなで大丈夫そうだけど。

 一応ネットで検索したら、中学校の頃に人権作文で表彰された前世のおれの記録と、直近の事故で死亡した前世のおれの記事がでてきたけれど、性別年齢とも違うので結びつけられる人はいないはずだ。

 これからは宗谷あまねで通す、というのは大悟にも環ちゃんにも了解を得ている。

 クリスに至っては元々ソウヤがファミリーネームだって思っていたのでまったく問題なし。


「あまね様、です?」

「うん。それで。あまねちゃんとかお姉ちゃんでも良いけど」


 何故か謝られた上に断られた。

 解せぬ。

 予期せぬ増員があったものの、とりあえず配信を始めますか!

 おれはサキュバスっぽさをアピールできる翼や尻尾が見えるよう、ホルターネックのミニワンピを買った。ネット通販様々である。本当はどう頑張ってもぱんつが隠せないくらいの超ミニサイズっぽかったんだけど、おれが着たら良い感じのワンピースだ。脇の辺りがスカスカだったので環ちゃんに少し縫ってもらって、腰に細いベルトを巻いて調節すれば完成だ。


(とうと)み……」

「あまね様、素敵です」

「先輩、いいっす」


 三人が三人とも拝むようなポーズなのは何故だろうか。

 クリスだけは無言でおれを後ろから抱っこしているけど。

 まぁおれの服装は良い。

 本命はクリスの鎧だ。

 こいつはすごいぞ。


「おおっ!? ドレスアーマーっすか!? 令呪が欲しいっす!」

「カッコいい!」

「騎士様、です!」


 そう。

 クリスとおれが買ってきたのは、ドレスアーマーなのだ。

 クリスの瞳に合わせて鎧の下は赤を基調とした布。肩、胸、そしてスカートの両脇にはぴかぴかに磨かれた金属が取り付けられている。

 スカート自体も足の動きを邪魔しないよう、フレア系のロングスカートにスリット入りという罪深い作りになっている。

 見えぬなら、めくってしまえ、ロングスカート。

 字余りなんだけどそんな勢いに乗って試着の時にめくろうとして怒られたのは皆には内緒だ。

 あとはほとんど見えないけど、ブーツも金属パーツがたくさん付いたものになっている。グリーヴというらしい。

 まぁ普通の金属鎧も売ってたんだけど、パーツ多すぎて一日じゃサイズ調整終わらないって言うし、別にクリスも誰かと戦うわけじゃないし、見栄え重視ならこれ一択でしょうよ。

 まぁ実戦にも耐えられるように魔法金属を使ってるとかで超高額だったけど。

 

「どう?」

「かっっっこいい!!!」


 真っ直ぐにおれの感想を求めてきたので直球で思ったことを述べたら、柔らかく笑った。

 ……ふいうちは、ずるい。


「とりあえず、これで準備はできたね。配信、始めようか」


 おれたちの戦いは、ここからだ!

三大欲求を我慢できる(元)人間なんていません!


***


ストックが切れるまでは毎日最低一話ずつ更新します!

更新無かったら予約ミスってんなコイツ、くらいの生温かい目で見てやってください。


ブクマや評価等を頂けますと作者のモチベーションと作品の健全度が上がりますので、ぜひともお願いします。

総評価1000pt超え、PV20000超え、ユニーク3000超え、非常に嬉しいです。

また、ジャンル別ランキングも連日100位以内に入っており、スマホでアクセスしてスクショ撮るくらい嬉しいです。

嬉しいので、明日(4/11 Sun.)は09:00と18:00の二回更新します。

これからも応援よろしくお願いします。


それでは次回「【第一回配信】前編・後編」もお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◆別作品
「実は最強なFランク底辺職の死霊術師は今日もおっぱいに埋まる。」
カクヨムにて毎日更新中の新作です!こちらもぜひ応援よろしくお願いします!
― 新着の感想 ―
[良い点] ごはんは大事、太らせて食っちまおうな…… [一言] ようやく本編始まりそうやな……きな臭い異世界はほっといて地球でイチャイチャパラダイスしような!!!!!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ