学校やめます! 2
職員についていくと、体育館みたいなとこに着いた。
周りでは、
「ここでいい成績を取れば」
「大丈夫、大丈夫」
「俺の能力見てみろよ!」
「なるべくいいクラスに」
などざわざわしている。
「静粛に」
今までざわざわしていた体育館が一気に静かになる。
前を見てみると、ムキムキのおじさんがいた。
「これよりテストを行う。担当の先生がいるから1対1で勝負してもらう。」
生徒の人数は50人ほど。
それに対して先生らしき人は3人。
「てことは3クラスに分かれるのか?」
僕がぼそっと呟くど、前にいたおじさんが
「ある一定の基準に達したらAクラス、達しなかった場合Bクラス、そして先生に一発でも攻撃を当てれればSクラスだ」
なる程
と言うことは先生は強い。
「それを倒せば」
「先生を戦意不能にした場合、卒業認定だ」
僕の読みは当たった。
しかし紛いなりにも先生だ。
しかも冒険者相手に、一撃でも入れたら一番上のSランクの教室に入れると言う。
「一応起きて見とくか」
「ではこれよりテストを行う。前にいる生徒から順に出てくるように」
席順のままなので一番後ろに座っていた僕は、最後ということになる。
そして1人目が前に出た。
すると
「私の能力は、分身だ!」
先生は能力を教えてくれるらしい。
しかし前に出た生徒は聞こえてないみたいだ。
「かわいそうに。一番最初だなんて」
そんな声がちらほら飛び交うなか
「それでは、はじめ!」
マッチョおじさんの合図でスタートした。
先生はさっき言ってたように分身した。しかも3人!
それに対して生徒は、
「くらぇぇぇぇぇ」
そう言うと手から鞭が出現し先生の方に向かって襲いかかっていった。
しかし攻撃したのは分身だったらしく、霧のように消えて残りの2人が生徒の腕を取り関節技を決めた。
生徒がタップすると、
「よし、1人消せたのはなかなかいい能力だ!遠心力をうまく使って破壊力を出している」
先生がそう言うと
ありがとうございました。と言い受付があった方に向かっていった。
そして1時間くらいすると自分の番になっていた。
今のところ先生に一撃当てたのが1人。
なんか消えたり出てきたりしてた気がする。
僕は、睡魔と死闘を繰り広げていたのでそこの記憶が曖昧なのは仕方ないだろう。
そんなことを思っていると、
「最後は君か、よろしく!」
なんと元気な先生だ。15人ほど戦ったのにまだ元気が余っている。
「よろしくお願いします」
挨拶をすると先生は分身してこちらに走ってきた。
そして僕に殴りかかろうとした時
先生と分身の動きが止まった。
先生は何が起こったかわからないといった表情でこちらを見ていた。
「動かないでしょ?僕の勝ちでいいよね?」
そう、僕の能力の念で先生の動きを止めたのだ。
僕の戦闘スタイルは、敵の動きを止める。ただそれだけだ。
だがそれが強い。相手は動かなくなり、されるがままになってしまう。
しかし先生が動こうともがいているので、服の中に隠してあった大量のナイフ念で浮かばせ、先生の方に向ける。
すると先生の顔は青ざめて
「降参です」
といった。
するとマッチョじじいが近づいてきた。
「きみは、相良友紀くんだね?」
「はい」
「三瀬くんから聞いているよ。ペナルティーで1人そっちに強い子をやると」
「あぁ、三瀬くんは君のところのギルドマスターだよ」
「だからうちの学校で一番強い人を当ててくれと言われたんだけどねぇ」
「すみません」
さっきの先生が申し訳なさそうに謝っていた。
「実はこの先生はAランクの冒険者なんだよ」
とマッチョが言い出した。
しかし疑問に思った。
なぜSランクの僕の顔を見て気付かないのか?
しかし自分が傲慢になっていて有名人ぶってるみたいになるのでそれを言うのはやめておいた。
だが気づかないのには理由があった。
それは彼が最速でFからSランクに上がったこと、そしてSに上がってからギルドに顔を出さなかったため、誰もその顔に気づかなかったということ。
そのことを本人が知るのはまた先のことである。
そして無事学校を卒業することができた。
最速卒業!!