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ラブコメは刺激臭と共に  作者: 天秤
第1章 【高校時代】
60/60

第60話 『刺激臭と共に』

 そして今日、吉田くんと瀬川さんの夫婦は、列席者として式場に訪れている。


 回想を終えて、私は目の前の鏡へと視線を向けた。


 鏡には、真っ白なドレスを着た私が映っている。


 始まりは中学時代の過ち。

 高校に入学して、友を得て、恋人も出来た。

 それから大学へあがり、就職。

 意外にも思うかも知れないが、私は教師になる道を選んだ。


 瀬川さんの父親に暴言を吐き、その責任を取る形で左遷された恩師の言葉が、今も耳に残っている。


「お前らはまだガキだから、いろんな大人に守られている。ただし、これからはそうはいかない」


 最後の最後で、目標たる女教師は、初めて歴史の教師である片鱗を見せた。


「戦国時代における三大悪人を知ってるか?」

「斎藤道三、松永弾正久秀、宇喜多直家ですよね?」

「そうだ。そいつらのような存在が、今後必ず現れる」


 そう語る先生はかつて、愛憎は表裏一体と私に説いた。

 そのことを引き合いに出して、忠告してくる。


「前にあたしは嫌いな相手でも好きになることがあると教えたが、例外も存在するってこった」

「例外?」

「そう。世の中にはどうしようもないクズがいる。そいつらとは決してわかり合えない」


 そんな風に断言されると、つい反発したくなってしまう。


「そうやって決めつけるのは、先生の悪い癖です」

「これは確定事項だ。わかり合えるような奴なら、悪人とは呼べない」

「では、私にとって先生もそのうちの一人ということですか?」

「抜かせ。あたしはせんせーだからな。ガキにはどうしても甘くなる」

「どの口がそんなことを言うんですか……」

「冗談を言ってるわけじゃねぇ。マジで言ってんだよ」


 真顔で言われて、先生が真剣であることを理解した。


「わかりました」

「本当にわかってんのか?」

「そう言われましても、実感は湧きませんね」


 今のところ私の人生においてダントツで最低最悪なのは目の前の教師だ。

 それでも良いところもあるので、完全に悪人であるとは言えない。

 彼女が言っているのは、そうしたどうしようもない存在であり、まだ出会ったことはなかった。


「いいか、そういうクズに出会っても、相手にするな」

「ですが、話もせずに断定するのは難しくありませんか?」

「関わりを持つだけ無駄だ。そして、そういうクズは人生の節目において必ず三人くらい現れる」

「だから、三大悪人ですか」

「そうだ。これからはあたしが守ってやることは出来ない。自分の身は自分で守れ」


 そんな教師らしいことを言って、菊花姫は去った。

 あれから数年が経ち、その言葉の意味が少しはわかるようになった。

 数名、悪人の候補が居て、そのうちの一人の大学で知り合った先輩は、確定だろう。


 私が大学に進学して、シュウは父の会社に就職。

 父は彼のことを厳しく指導して、研修と称してマグロ漁船へと乗せた。

 その遠洋漁業でシュウは心身共にボロボロとなるのだが、そんな彼を私は支えることが出来なかった。


 悪人は言った。


「本当に彼氏が大切なら、優しくしないほうがいいよ」


 なんで、と尋ねると、先輩はこう説明した。


「君に依存したままだと、本当の強さは得られないから」


 その言葉に納得して、私はシュウと距離をおくことにした。

 シュウはさぞ、私のことを薄情者と思ったに違いない。

 それでも彼の為だと思って、私は連絡を取ることをしなかった。


 その結果、マグロ漁から帰ってきた彼に、嫌われた。


 港で待っていた私に、やつれた彼は取り合うことなく、完全に無視。

 私は知っている。中学時代に、それを実践したことがある。

 自分にとって都合の悪い存在を完全に認識外に追いやることで、心の平穏を保とうとする、防衛本能。

 私という外敵を、彼は認識することなく、意識の外に追いやっていた。


 それを察した瞬間、自分の愚かしさに気づく。

 なにが彼の為だ。

 そんなのは自分勝手な思い込みに過ぎなかった。


 辛い時に支えてやれないで、なにが彼女だ。


 高校から交際している彼との、破局の危機。

 とにかく、傍にいなければと思った。

 彼の怒りはもっともだし、どれだけ無視されても仕方ないと理解はしている。

 それでも、私はシュウが好きだったし、諦めきれなかった。


 最終的に、シュウは折れて、元鞘に戻ることが出来たが、本当に危なかった。

 なんとか仲直りしてから、彼は漁での出来事を少しだけ話してくれた。

 辛い日々だったけれど、そこで父性を感じる人と出会えたらしい。

 だから、そう悪い経験ではなかったと、彼は言っていた。


 ともあれ、私が許されたのはひとえにシュウが優しい人だったからだ。

 きっと、世界中どこを探したって、これほど慈悲深い彼氏はいないだろう。

 そんな彼と破局しそうになったあの時から、大学の先輩は、私にとって悪人となった。

 しかし、シュウにとってはそうならなかったらしく、案外気が合うとのこと。

 彼は私の先輩と会って離した際に、こんなことを言っていた。


「本当にお前は、厄介な女に好かれるな」


 それは高校時代、鷹宮さんや早乙女先生と仲が良かった私によく言っていた言葉。

 どうやら、大学の先輩は彼女達と同じ系統であると感じたらしいが、理由は不明だ。

 ともあれ、そうした危機を乗り越え、今日の良き日へと辿り着いた。


 せっかくめでたい結婚式だ。

 昔の嫌なことを思い出すのはやめて、スマイルを心がける。

 ドレスを着て、髪をあげて化粧をした今の私は、それなりに見栄えはいい筈。

 暗い表情をしていては、シュウが不審がると思い、思考を切り替える。


 私のことばかりではなく、夫となるシュウのことにも触れよう。


 三大悪人と言えば、高3に進級してまもなく、彼にとっての悪人が現れた。


 瀬川さんと吉田くんが学校を去り、いつものように鷹宮さんとじゃれていた時。


「ずりーぞ、有村」


 私が鷹宮さん、そして瀬川さんに言われたように、今度はシュウが『ずるい』と詰られた。


「女二人を侍らせていい気になってんじゃねーよ」


 彼に突っかかって来たのは、木村拓海。

 度々キーマンのように現れる彼は、進級時に同じクラスとなっていた。

 しかも、2年生の時に行われた生徒会長選挙において出馬し、見事当選。

 そんな生徒会長殿が、シュウの振る舞いを見咎めた形だ。

 無論、シュウには侍らせているつもりはなく、反論すると言い争いに発展。

 取っ組み合いの喧嘩となり、進級早々に大変な騒ぎを巻き起こした。


 そんな木村拓海は、実は鷹宮さんのことが好きだったらしく、紆余曲折を経て付き合うことに。


 もちろん、今日の結婚式にも招いていて、二人揃って出席している。

 是非とも鷹宮さんにはブーケを受け取って頂いて、次の花嫁となることを切に願う。

 もっとも、30歳を過ぎても独身のままの菊花姫あたりも必死だろうが、絶対に渡してなるものか。


 時間が来た。

 父に連れられて、チャペルへ向かう。

 その道中、母親のことを思った。


「大きくなったわね、ナオ」


 あれは、高校の卒業式が終わった時のことだ。

 父がお祝い用の酒を買ってくると、近所のコンビニに向かった直後、母が家を訪ねてきた。

 玄関のドアを開けたとき、私は鏡を見ているのではないかと思ったことを、よく覚えている。

 もちろん、年齢は母のほうがずっと年上であり、まるで将来の自分と出会ったかのような感覚。

 それだけ似ていたこともあり、すぐに来訪した女性が自分の母親だとわかった。


「お母さん……?」

「たしかに、あなたは私が産んだ娘だけど、残念ながら、母親ではないわ」


 返って来たのは、矛盾を含んだ要領の得ない遠まわしな返答。

 明らかに嘘だとわかる否定をしてから、その訳を説明する母。


「自分が育てていない娘に母親と呼ばせるほど、私は面の皮が厚いわけじゃない」


 そう言って、土足のまま、母は家に上がった。

 そして私が愛用している、母が家に置いていったブランド物のバッグを手に取って、中を物色。


「こんな古いバッグ、さっさと捨てなさい」


 そう吐き捨ててゴミ箱にぶち込まれたバッグを慌てて回収。

 捨てられてなるものかと胸に抱きつつ、駄々をこねた。


「私にとってはこれが、たったひとつのお母さんの面影だから……」


 母は、私のことをじっと見つめ、そして踵を返して立ち去る素振り。

 まだ、全然話し足りない。ずっと会えなかった母と話したいことは山ほどあった。

 このまま帰してなるものかと、その後を追って、玄関まで向かうと、母はこちらに背を向けたまま自虐的なことを口にした。


「ナオ、あなたの母親は負け犬よ」

「負け、犬……?」

「そう。お父さんはまだ会社の上司と仲が良いの?」

「上司って、専務さんのこと? 最近は余り見ないけど……」

「なるほどね。私が出て行った途端に干渉をやめたわけか……あの女らしいわ」


 会社勤めの父には、当然上司が居て、公私共々世話になっている。

 とはいえ、それは私が幼かった頃のことで、最近は見かけていない。

 言動を鑑みるに、その専務さんと母には確執があるようで、気になって追求してみる。


「専務さんが、どうかしたの?」

「別に。どうもしないわ」

「でも、その口ぶりだと、そのせいでお母さんが出て行ったように聞こえるけど、違うの?」

「その通りよ」


 やはり、そこに母が失踪した理由が隠されているらしい。

 しかし、この話の流れから察するに、嫌な予感しかしない。

 たとえば、その専務と父が……いや、勝手な憶測はやめて、当事者に直接聞こう。


「……やっぱり、何かあったの?」

「ああ、誤解しないで。別にお父さんがあの女と浮気したとか、そういうわけじゃないから、安心しなさい」


 娘の思考を見透かした母は、きっぱり否定したが、余計に謎は深まった。


「だったらどうして、お母さんは出て行ったの?」

「負けたから」

「どういう意味?」

「言葉通りの意味よ。あの女に、私は負けた」


 そういわれてもわからず、困惑していると端的に母は説明をした。


「あなたがまだ赤ちゃんだった頃、あの女は頻繁にこの家にやって来て、家事や育児を手伝ってくれた。そして、私の居場所を奪った」

「居場所って、なんのこと?」

「母親としての、そして妻としてのポジションって言えば、わかる?」


 母は決してこちらを振り返らない。

 玄関のドアに向かって語り、その表情を伺い知ることは出来ない。

 しかしながら、その悲痛な声だけで、母の恨みは充分伝わった。


「あの女は私よりも家事が上手くて、そして私よりも子供に懐かれた」


 だから、家を出るしかなかったと、母は告白した。

 正直なところ、その真偽は判断がつかない。

 私が母よりも専務さんに懐いていたことが要因ならば、幼い自分にも責任があると言えた。

 もしそれが本当ならば、大問題だ。


 しかし、覚えていないのだ。

 これだけは断言できるが、今ならば、きっと私は専務さんよりも実の母親を選ぶだろう。

 だが、幼い頃の自分は、専務さんを選んだ。

 どうしてそうしたのかはわからないが、わかることもある。


 きっと、幼い自分の振る舞いが、母を追い込んだのだ。

 そう思うと、居た堪れなくなって、思わず謝罪しようとして。


「こんなこと、言うべきではなかったわね」


 ようやく振り向いた母の顔に、初めて見る困った表情が浮かんでいた。

 ずっと無表情だった母が始めて見せた、人の親である片鱗。

 それを見て私は、謝罪ではなく、お礼を言うことに決めた。


「ううん……話してくれて嬉しかったし、会えて良かった。ありがとう、お母さん」


 すると、母は私を強めに抱きしめて、耳元で囁いた。


「高校卒業おめでとう、ナオ」


 それだけ言って、再び踵を返して、玄関から出る間際。


「会えて良かったわ」

「またいつか、帰ってくる?」

「いえ、もうここへは来ない。私は、あなたの母親でも家族でもないから」


 そんな悲しいことをいう母の背に、私は思ったまま気持ちをぶつけた。


「お母さんは私のお母さんで、家族だよ」

「いいから、忘れなさい。そしてあなたが結婚するときは、今日の私の失敗談を思い出して、気を引き締めなさい。私のように、負け犬にならないように、充分注意して、幸せになりなさい」


 それは早乙女先生が残した三大悪人に対する注意喚起に良く似ていた。

 母なりに、私を案じてくれたのだろう。

 その証拠に、ゴミ箱へと投げ入れたバッグに、同じブランドのものらしきピアスが入っていた。

 高校の卒業祝いと思しきそのプレゼントは、今も大事に身に付けている。


 それっきり、母とは会っていない。後にも先にも、母と会ったのはこれが最後。


 母が再び出て行った直後、呼び鈴が鳴った。

 もしかしてまた戻って来たのかと思って扉を開けると、そこには件の専務さんが立っていた。


「おや? ナオちゃん、君だけかい?」

「なにしに……来たんですか?」

「君が高校を卒業したと聞いて、そのお祝いと、あとはちょっとした野暮用も兼ねて、ね」

「野暮用とは、母のことですか?」

「ああ……やっぱり。その様子だと、お母さんが来てたみたいだね。もう帰ったのかな?」

「ええ、つい先ほど」

「そりゃ残念。でもこうして久しぶりに彼女の残り香を嗅げたから、ひとまず満足しておこう」


 父よりも数歳年上の筈だが、妖艶な美貌で微笑む、専務さん。

 クンクンと玄関先で匂いを嗅いで、逃げられたかと口にする彼女に、ぞっとした。


「母から全てを聞きました」

「んー? 全て? いや、あの子は何もわかっちゃいないさ」

「あなたが母を追い出したんでしょう?」


 私が恨みを込めて詰問しても、専務はどこ吹く風。


「そんなつもりはなかったけど、結果としてそうなっただけだよ」


 ついやり過ぎてしまったんだと、専務は不可抗力を主張した。


「母に、何か恨みでもあったのですか?」

「あはは。むしろその逆さ。私はね、ナオちゃん。君のお母さんのことが大好きだったんだよ」

「は?」


 意表を突かれて、目を白黒させる私を見て、専務は邪悪にほくそ笑んだ。


「何もわかっていないってのは、そういうことだよ」

「母はそれに気づいていないと?」

「そう、ナオちゃんが他人の好意に気づかないようにね。君のそんなところが、お母さんと良く似ている」


 まるで品定めをするかのようにずいっと顔を近づけて。


「君たち親子は鈍感だから、せいぜい悪い女には気をつけたまえよ」


 はっはっはっと高笑いをして去って行く専務は、どこか大学の先輩と似ている気がした。


 おっと、いけない。

 また、嫌なことを思い出してしまった。

 回想を打ち切り、チャペルにて私を待っていたシュウの前へと立つ。


 タキシードを着た彼は、いつもよりも凜々しくて、格好いい。

 無論、私の好みではないが、勿体ないくらい良い男である。

 優しいし、思いやりもあるし、節操もある。

 浮気などせず、私を愛してくれた。


「綺麗だよ、ナオ」


 そう言われて、あの場面を思い出す。

 高校で初めて会話した時に言われた、その言葉を言って欲しかった。

 なので、ちょっと拗ねた振りをして、おねだりすることに。


「あの時みたく、かわいいって言って」


 するとお人好しの彼はやれやれと首を振り、鉄花姫の我儘を聞き入れた。


「かわいいよ」

「ありがと。あなたも格好いいわ」


 その間に神父様が口にしていた説教などまるで耳に入ってなどおらず。

 我々は誓いのキスを交わして、晴れて夫婦となった。

 式場の庭園で高らかに鐘を鳴らして、記念撮影。

 ブーケトスは成功して、鷹宮さんが次の花嫁候補に。

 争奪戦に敗れた早乙女茜(独身)は悔し紛れに披露宴にて酒を飲みまくり、ぐでんぐでん。


 吉田くんも、瀬川さんも、鷹宮さんも、木村くんも、皆祝福してくれた。


 そんな彼らへのお礼とサプラズを兼ねて、会場にこの曲を流した。


「覚えてる、シュウ?」

「この曲は、まさか……」

「そう、中学の時の合唱曲よ」


 この演出はシュウにも伝えていない。

 出席した友達に視線を向けると、彼らも驚いた様子。

 もっとも、吉田くんと早乙女先生は何がなんだかわからない様子。

 それもその筈、これは中学時代のあの事件の当事者への刺激的なメッセージであった。


「覚えてたのか?」

「ええ、もちろん」

「つまり、わかってて知らんぷりしてたんだな?」

「私は新しい関係を作りたかったのよ」

「まったく、本当に勝手な女だな」

「でも、それが成功したからこそ、こうして仲直りして、この場に揃っている」


 瀬川灯。

 鷹宮玲奈。

 木村拓海。

 

 そして、私の夫である、有村秋。


 中学時代に喧嘩をして、壊れた関係。

 高校に進学してから、それを再びいちから再構築した。

 それが成功したからこそ、彼らは一同にこの場に集まることが出来た。


「さすが、仲直りの直、だな」

「でしょ? それで、あの時は、その……」

「謝らなくていいよ。喧嘩したからこそ、今がある」

「ありがとう」

「こちらこそ、ありがとう」


 謝罪はいらなかった。

 二人で感謝を言い合うと、瀬川さんがおもむろに席を立って、会場に置かれていたピアノを演奏。

 もちろんそれは、先程流した合唱曲の伴奏であり、我々は共に歌い合った。


 それを見て、吉田くんは温かな眼差しを送ってくれたのだが。


「おーい、てめーら。このあたしを除け者とは、いい度胸じゃねーか」


 飲んだくれの早乙女先生に絡まれ、恨み言を聞く羽目に。

 そして最後は飲み過ぎた早乙女茜に至近距離で盛大に嘔吐されて、せっかくの衣装が台無しに。

 それでも、その刺激臭に包まれながら、私は幸せを感じたのだった。


 この日、私はひとつの区切りへ迎えた。

 ゴールインの言葉の通り、これはゴールである。

 最後まで刺激臭と共に私とその周囲を取り巻いたラブコメディは、ひとまずこれで終わり。


 しかし、それは同時に始まりでもある。

 なにせ、私の前にはまだ一人の悪人しか現れていない。

 早乙女茜は、あと二人現れると予言していた。


 それは職場の同僚かも知れないし、もしかしたら教え子の中に潜んでいるかも知れない。


「せんせーって、ずるいよね」


 そんな風に過去のトラウマを呼び起こす発言をする、物静かな女子生徒だったり。


「私はあなたをお母さんだと認めない」


 もしかすると、将来生まれる娘もまた、自分の敵になるやも知れない。


 それでも、どんな未来が待っていようとも、私は今日という節目の日を後悔せずに生きていく。


 様々な刺激臭に翻弄されながら、これからも。

これにて完結となります。

ご読了、本当にありがとうございました!

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