ハルマ式スライム誘導経験値トラップ
「せいやっ!」
またセリアの背後に迫っていたスライムに消臭剤の青い粒を投げつける。すると、当たったところから炭酸のようにシュワシュワと音を立てながら溶けていく。終いにはスライムのジェルのような物が残った。
「スライムがこんなに簡単に…ハルマこれはお前の魔法か?」
「うん、まあそんな物かな」
実際自分でもあまりのネタ具合に良くわかってないしな。
「ハルマ、それを拾っておけ。袋はやる」
そう言って袋をこちらに投げてきたのでそれを受け取り中に入れる。
「ドロップアイテムか。金になれば良いな」
何しろ現状無一文だしな。出来ればもっと集めてまとまったお金を…。なんて事を考えているうちにセリアの背後からまたスライムがやってきた。
「セリア、後ろスライムいるけど大丈夫?」
「へっ?来るな!さっきからなんで私のところに来るんだ。あっちに行けぇ!」
実はセリアはスライムをおびき寄せるフェロモンでも持っているんじゃ無いか。ん?セリアがいればスライムが集まって来る?
「ハハハハハ、試してみるか」
「おい待て、ハルマ。誰が見ても物凄く悪い顔をしているぞお前。一体何を考えてる、吐け、吐くんだハルマ!」
セリアの背後にいたスライムに青い粒を落としながら言う。
「なあに、セリア。君は何もしなくて良い、ただあの草原の一部だけ草むらがあまり無い見渡しの良いところがあるだろう。あそこに立っていて欲しいんだ」
「待て、腕を引っ張るな!私はまだやるとは言っていないぞ!」
セリアの腕を引っ張り草原の周りをよく見渡せる位置に立ってもらう。
「ハルマ、お前これを狙っていたのでは無いだろうな!仲間をエサに使うんじゃ無い!」
セリアもどうやら分かってしまったようだ。スライムAが現れた。スライムBが現れた。スライムCが現れた。そう、セリアでスライムをおびき寄せると言う事を!!
「そう、名付けるならハルマ式スライム誘導経験値トラップ!!ああ、なんて素晴らしい響きだ」
「スライムがいっぱい出てきてるじゃ無いか!責任を取って早く助けろ!」
セリアが何か言っているような気がするが気にしない。まあ、一言だけ言うなら
「安心して、君の事は僕が絶対に守るから!」
「何故だろう、普通なら言われて嬉しいのに今は全くそう感じない」
さあ、始めようレベリングを。
「ヒャッハー!今日も良いスライム狩り日和だぜ!」
読書お疲れ様です。笑って頂ければ幸いです。