第一話 冒険の始まり
4/10 修正しました。
5/15 誤字の修正、加筆しました。
〔現在〕〈森林〉
「ちょ...ちょっと!早...早いって...」
「ふむ...お主が遅いのではないのか?」
「言った俺が悪かった。」
「ふむ...何故お主は女なのに一人称が『俺』になるのだ?」
「それは...」
私はこれまでの成り行きを説明した。
「ほう、そんな事があったのか。」
「うん...紫苑...」
「そんなに落ち込むでない。また会える気がするんだろ?信じて進めばいいではないか。」
「うん、わかった...フェンリルじゃ呼び辛いし、フェンって呼んでいい?」
「好きにしろ。」
「うん...ありがとう。」
「面倒くさいな...乗れ、連れてってやる。」
「えっ」
「乗れ」
「はい。」
私はフェンに乗って、付近の町、[スタータイト]に向かった。
「あとどれ位で着きそう?」
「ふん、我にかかれば後2分位で着くわ。」
「そっか。ってかフェンの事どう説明しよう...」
「従魔だ。で通じる。」
「わかった、そう言うよ。」
しばらくしてスタータイトの町が見えて来た。
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〔現在〕〈森林/門の近く〉
「うわぁ、やっぱり門番さんとか居るよねぇ…フェン小型化とか出来ない?」
「人の姿をとる事は出来るが?」
「じゃあそれお願い!面倒は起こしたく無いんだよ…」
「うむ…出来ることならやりたくは無いのだがな。」
そして、フェンの体がどんどん、どんどん縮んでいき…白髪の小さい男の子になった。
「えっ…えっ?」
「だから出来ることならやりたくないのだ!」
「声まで可愛くなっちゃって…」
「しょうがないであろう!我はまだ250でフェンリルの中では子供なのだ!」
「狼だとでっかいんだけどねぇ…」
「ほら!行くぞ!」
「はいはい。」
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〔現在〕〈門前〉
「あの~…」
「ん?なんだ?」
「町に入りたいんですが…」
「そうか、なら通行証を提示しろ。持ってないのなら200ケルンだ。」
(200ケルンって大銅貨二枚で良いのかな?でも…)
「すみません持ってません。」
「何?そうか…子供だしな、しょうがないか。」
(そっか、この世界だと成人は16からだっけ。)
「すみません…」
「面倒くさいだろうが、一度詰所まで来てくれ。おーい!ダニーこっち見ててくれ!よし、行くか。」
「はい、わかりました。」(フェン、行くよ。)(小声)
(あぁ。)(小声)
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〔現在〕〈詰所〉
「それじゃあ、この水晶を握ってくれ。」
「これは...?」
「よくわからん。よくわからんが、握ったそいつが犯罪を犯していると黒に鈍く光る魔道具だそうだ。」
「はぁ...。」
私は、その水晶を握った。
「じゃあ、手を開いてくれ。」
「はい。」
「...うん、大丈夫だな。よし、町に入っても大丈夫だ!」
「ありがとうございます!」
「...嬢ちゃん、もしその気があるなら、冒険者ギルドに入るかい?」
「?どうしてですか?」
「あぁ、ギルドカードがあれば、次から町を自由に出入り出来るからな。」
「それなら...入ります!」
「それじゃあ、俺が案内してやる。どうせ場所も判らないんだろ?」
「何から何までありがとうございます!」
「フッ、良いってことよ。」
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〔現在〕〈冒険者ギルド前〉
「それじゃあまたな、何か困った時は声を掛けてくれ。」
「ありがとうございました!」
・・・・・・
「ふう、ようやくついた。後はここで登録して、とりあえずはって感じかな。」
「ふむ、ようやくか。我が話すとどうせややこしくなるのだろう?また黙ってるのか...」
「あはは...ごめんね?」
「まあよい。ほら、さっさと済ませてしまうぞ。」
「わかった。」
(う~ドキドキする。)
私は、ギルドの扉をゆっくりと開いた。
(うわ~何かイメージ通りな感じだなぁ...そうだ、カウンターで登録しなきゃ。)
「あの~すみませ~ん。」
私は、カウンターの女の人に声を掛けた。
「はい?なんでしょう?」
「冒険者登録をしに来たんですけど...」
「了解しました。それでは...この...よいしょ。水晶に手を触れて下さい。」
「あ、はい。」
(重そう)
私が手を触れると、横からカードが出てきた。
(えっ、そっち?横なの?上じゃ無いの?)
「えっと、これで登録は完了です。冒険者ギルドについて説明しましょうか?」
「えっ、あぁはい、お願いします。」
「はい、え~、冒険者ギルドは、その名の通り、冒険者達のギルドです。ギルドには、軽くランクが決められていて、下から順に、F、E、D、C、B、A、S、SS、SSS、と、なっております。ギルドには、特に決まりはありませんが、冒険者間での戦闘は、基本許されておりません。ですが、決闘と宣言され、両者の同意が為されれば、町中でも大丈夫です。それと、クエストについてですが、Eランク迄は、失敗しても特に何もデメリットはございません。Dランクからは、違約金が発生します。クエストは、ボードから剥がし、成功したら依頼人にサインをしてもらい、ここに持ってきて頂ければ成功となります。常時依頼の場合は、ここで私がサインをします。クエストに『受付代理』と書かれている場合もここで大丈夫です。ランクアップはポイント制となっております。最初はFランクのクエストを10回か、Eランクのクエストを5回です。」
「まぁ...こんなところですかね。」
「説明ありがとうございます。」
「いえ、大丈夫です。もしこれから、クエストを受けるのであれば、あちらのクエストボードでお受け下さい。受けられるクエストは、自分より一つランクが上のクエストまでです。」
「ありがとうございました。」
私は、クエストを受けに、クエストボードに向かった。
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