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異世界大泥棒~異世界での泥棒生活~  作者: カミキリ怪盗
1章【そうだ、脱税屋敷を燃やしちゃおう】
4/7

放火魔道士と脱税放火

 阿鼻叫喚、赤い炎はオーガの肉を焼きつくす、それは火炎放射器を使う軍人のように淡々と草原に居るオーガを焼いていく。


 現在俺達はオーガ討伐のため街より北に数キロの【茨草原】と呼ばれる草原に居る、茨草原には多くのオーガとゴブリンが出現する、しかしここで取れる茨を煮詰めた液体は回復薬に使用するため、茨草原の魔物がリハ非常に金がいい、しかし、そのメインである茨ごと焼き払う魔道士が一人、俺達の新たな仲間であるホムランであった


「はははははは、焼けて消えちまえ!!!!!!!!!!!」


 彼女は人が変わったかのように周囲のオーガを焼きつくす、もうそれはまさに鬼のよう、杖から出てくる炎を振り回しゴブリンもオーガも焼きつくしていた


「ラビット、、、あれ凄いくない?」

「ああ、でも大半が回収不可だから報酬にならないがな、水汲んできて燃え尽きる前にぶっかけないとあれじゃ無駄働きだ、水汲んできな」

「了解」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 近くの川で水を汲んでくると、もはや茨草原はほぼ全焼していた、ラビットの周りには火種がくすぶるオーガの焼死体が山積みになっている、ここ一体が焼け野原になる前に移動させておいたのであろう、その数はゆうに50はあるであろう


「遅いぞリュウタ!!!、危なく全部消し炭になるところだった!!」

「ごめ~ん」


 消し炭寸前のオーガに水をかけると、オーガ特有の牙を抜き取って麻袋にぶち込んだ、証拠品はゴブリンであれば全身だが、肉体に特徴のある魔物は切り取る事でそれを証拠品とすることができるらしく、前回のように街と往復する必要はなかった、さて問題は、、、


「はははははははは、燃えろ燃えろ!!!!!!!!!!!!!」


 あそこの放火魔をどうするか、まずさっさと逃げないと恐らく兵隊にとっ捕まる、早く逃げなければならない、、、、


「ホムラン!!、そろそろ撤退だ~」


 ラビットがそう言うと、ホムランは魔法をとめてこちらに合流した、案外話は通じるようだ、しかし顔がツヤツヤで物凄い笑顔なものだから、、、やばい人なのではないかとこの瞬間に思った


「いや~、燃やすのは楽しいですね~、最高です~、はははは」

「やり過ぎだ!、はあ、まあ逃げるぞ」

「ははは、大惨事ですね」


 かくして俺達三人で行う初依頼が終了した、結果としては貴重な茨を大量に燃やし尽くし、本末転倒な依頼のこなし方でオーガもろとも全てを焼き払ったのであった。。。勿論のこと次の日から依頼のすべてに【破損禁止対象】というものが提示されることになるのであった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 組合に戻ると普段は騒がしい冒険者が全員机に伏していた、その姿は借金こさえた瞬間の俺とラビットのようであった、もうその光景は酷いものであり、例えるのであれば、、、、高校の自主時間なんかを思い出す光景である、全員等しく頭を伏せているあれだ


「どうしたんだこれ?」

「なんだろうね~」


 受付まで行き報酬を手に入れると、いつも一番騒がしいおっさんの冒険者がこの世の終わりみたいな顔で俺達に話しかけて来た


「人はそれぞれ『正義』がある、しかし税務官は不正で動いてるとしか思えない、、、」

「どうしたんですか?」


 世界の終わりのような表情で男は崩れ落ちると、床に這いつくばって現状を説明してくれた


「今日ラビっさんがぶっ飛ばしたクズ、、、あいつコネを使ってウチラの脱税を取り締まるように税務官動かしようったんや、、、うちらこのままじゃ素寒貧や」


 いや、脱税している奴が悪いだろと思いラビットの方を向くと、彼女もまたこの世の終わりみたいな顔をしている、ホムランは杖を握りしめ赤い瞳をゆらりと揺らして表情を曇らせた、、、もしや冒険者って全員脱税しているのであろうか


「ああ、、、リュウタは冒険者なりたてだからわからないだろうけど、報酬の90%は税金に持ってかれるからね、、、」

「9割!?、なんじゃそれ!!」

「昔王家が敷いた税金がそのまんまなんだ、まあ税務官も見て見ぬふりで通常は3%で済んでいるんだが、、、あのボンボンめ9割徴収させるようにして全員から金取りやがったんだ、、、」


 こういう世界ならではなのであろう、9割も盗られれば生活できない、なんという横暴なのであろう、、、このままでは俺達の金もとられることが目に見える


「ごめんホムラン、報酬全部俺達の借金に当てるね、、、」

「構わないです、税務官に盗られるぐらいならお二方のためにどうぞです」


 渋々銀貨700枚つぎ込むと入れたちは重い空気の組合所の席についた、この時点でもうラビットもホムランもブチ切れた表情だ


「よし、どうするよ」


 ラビットがそう言うと、ホムランは机に手をついてドスの利いた声と鋭い目で言い放った


「あいつの家を燃やしてしまいましょう」


 このままでは焼き討ちになってしまう、まあ焼き討ちでもいい気がするが、それでは一切儲けが出ない、儲けを出すにはどうするか、、、、そうだな


「ラビット、あのボンボンの家って脱税したかねある?」

「商人の息子だ、絶対にあるよ?、なに、それをぶんどる?」

「それもそうだけど、まずは税務官の元へ行くよ」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 かくして俺達は税務署へ行った、税務署は石造りの役所であり、扉付近には槍を持った兵士がいる、兵士はこちらへ向かうと要件を聞いてきた


「用事はなんですか?」

「税務のトップに話をしたいのです、警備が居ても構いませんしこちらは無論武装解除します、いいですか?」

「はぁ、、、まあ構わないと思います」


 兵士についていき税務省長官の部屋に入った、部屋では槍をずっと頭に向けられている状態だ、正直落ち着かない、長官はかなり綺麗なお姉さんで、紫色のドレスを着込んでいて、髪の毛は物凄く長い、、、いや本当に綺麗な人だ


「ご用件は?」

「冒険者の9割取り立て、あれは本意ですか?、いままで徴収していなかったものを急に徴収したんです、何かわけがあったのでしょう」

「圧力です、、、ふふ、わかりましたよ~、グランハイム商人の館が襲われたらもしかしたら今回の徴収分の金額の半分を落としてしまうかもしれませんね~、後半分はなぜかグランハイム商人の家に行っていしまっていますので落ちませんが」

「有難うございます」


 交渉は成立だ、ラビットはくすくすと笑い、ホムランはなんのこっちゃと言う表情だ、俺達が外に出るとホムランが不思議そうに聞いてきた


「今の何だったの?」

「はは、今のは税務署としては今回の徴収は本意では無いので、徴収の半分はグランハイムの屋敷にあるからそれを盗めれば半分もお返ししますということだよ」


 税務署とて、こんな圧力に不満を覚えないわけはないのだ、なので今回はあっけなく交渉が成立した、あとはグランハイム邸を襲えば終わり、俺達は近くの個室タイプのバーに入ると早速作戦会議を行った


 バーの中はすごくお洒落な雰囲気であり、少し狭めだが周囲の目がないというのは魅力的なバーであった、席に座ると早速作戦を練る


「まずどうやって金を探すかだよな~、どうする?、リュウタ何かある?」

「う~ん、ホムランは、、、」

「燃やせば?」


 なかなかいい作戦が出てこない、、、燃やす、、あ


「燃やそう!!」

「リュウタ殿も遂に燃やす快楽に目覚めたですか!!」

「はぁ、説明しな」

「まず、豪邸の周りを燃やして屋敷が燃えるまでのタイムリミットを作る、そうすれば中の人間は金を持って逃走するだろよ、それを俺が盗む、ラビットは街角にある井戸の中に入っていてくれ、俺がそこに金を投げ入れるからそれを回収、その後俺は急いで組合所に逃げ込めば終わりだ、ここで重要なのはホムランの燻り出すような放火技術とラビットの貰った後の逃げ方が重要だけど、行けるかな?」

「「了解!!」」


 かくして俺達3人で行う最初の強盗が始まった、俺達は早速豪邸に向かい移動をする、またあの時の緊張感が心臓を無理やり動かした、やはり俺は強盗が好きなようでニヤつきが止まらない


「ははは、次の宴会場は何処にしようかな」




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