乱痴気騒ぎと新たな仲間
マリサ道具店、組合付近にあった魔法道具店であり魔術師向けの道具の販売をする専門店、しかし今回俺は店にではなく中にいる店主に用事があり魔道具店まできた、魔道具店は石造りの建物であり、古めかしい感じもするがかなり綺麗にされている
《カラリン》
魔道具店のドアを開けると軽快なベルの音が響き渡る、店内には杖であったり本であったり、ローブであったりとんがり帽子であったり、魔道士向けの商品がずらりと並んでいる、
ベルの音を聞いて店の奥から店主らしき人が出てきた、背はそう高くもない、髪の毛は金色で、ボサボサだ、無造作に放置された髪の毛はまるで貞子のようになっていて、一瞬ビクッとした
「いらっしゃいませ~、お探しの品は?」
店主はそう言うと髪の毛を後ろで束ねて俺の元へ近づいてきた、髪の毛を束ねると非常に可愛らしい女性であった、白と黒の服に金の髪の毛、まさに魔女と言った感じであろうか
「貴方のお屋敷の方を買い取らせていただきたくてきました、いいでしょうか?」
俺がそう言うと店主は椅子を出してきた、俺はその椅子に座ると店主は空中に座って話を続ける、空中が軽く光っているところを見ると魔法であろう
「そうかい、、、実はあそこ訳あり物件なんだよね、、幽霊が出るのさ、しかも魔法じゃ完治できない」
「幽霊ですか、、、」
幽霊、前の世界じゃ信じられなかっただろうがこの世界では十分信じられる内容である、しかし幽霊がいれば野盗やらなんやらが住み着いていることもないであろう、前向きに考えれば良いことかもしれない
「どんな幽霊なんです?」
「なが~い髪の毛の幽霊でね、『何処だ~』って屋敷を徘徊しているらしいんだ、まあ私は見たことがないんが、、声は聞いたことがある、屋敷に忍び込んだ餓鬼が行ってる話なんだがあまりに目撃例が多すぎてね~、私も見まわってるんだけど、私だけは姿を見たことがないんだよ、、、」
「ふ、ははは、それはいいや、買わせていただきます」
俺はその屋敷を買うことにした、金貨を渡して利権書をもらうと早速組合に向かう、おそらくあの屋敷には幽霊なんていない、そう確信したのだ、長い髪の毛の幽霊、それは見回りしている店主であろう、俺だってあの髪の毛最初見た時は驚いたぐらいだ屋敷の見回りをしている店主はさぞかし恐ろしいだろう、で、忍びこんでる子供の声が店主さんの幽霊だと思っているもの、で、子供の見た幽霊というのは店主さんと見てまず間違いはないであろう、全く滑稽な話だ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
組合の中のドアを開けて組合の中に入ると、席につくまもなくラビットが泣きながら俺の足にしがみついてきた、一体何ごとかと思っいラビットにどうしたかと尋ねた
「どうしたのラビット?」
「リュウタ様ーーーーーーー、ごめんんしゃいいいいいいいいい、お金全部博打で溶かしちゃいましたああああああああ」
「え、、、い、いくら?」
博打、そんなものやれば金がいくらあっても足りないのは目に見えている、恐らく彼女の手元は皆無なのであろう、まあ彼女のおかげで俺もお金があるわけだし手持ちから少しぐらい分けようと思った
「金貨45枚、、、」
「45枚も使ったのか、、、」
俺は麻袋から金貨を出そうと思うと、ふとおかしなことに気がついた、、、俺の手持ちは使う前で67枚、彼女の使用金額は45枚、合わないのだ、収入金額と支出金額が、、、
「45枚ってなに?」
「借金です」
、、、俺の手持ちは金貨43枚、足りない、銀貨1,500枚=金貨1枚、冒険者にその金額を普通に稼ぐ能力なんてない、、、どうしたものか
「取り敢えず少し待っててください、あ、誰から借りたかも教えて下さい」
「ごめんんさいいいいい」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
結果としては、組合から金貨二枚を借りて高利貸しに全額金を返済した、しかしクリーンな借金が未だ手元にあるのと、ラビットのレベルじゃ金貨1枚しか借りられなかったため俺も1枚借りて返しているためお互いに借金が残っている
「ラビットさん、、、次やったら怒りますよ、、、」
「ごめんなさい」
「どうします、ゴブリンじゃ返済できませんし」
「。。。一人仲間を増やして、、危ない依頼をこなすしかない」
借金まみれの奴らの仲間に成るアホなんて居るのであろうか、否、居るわきゃない、、、取り敢えず仲間募集の張り紙をして組合所の机に二人して伏せていた、借金は心にも大きな不可を与えている
「ラビットさん、、、報酬は新しい人が来たら3分割、1割を新しい人、1割借金返済、残りが僕達ですからね、、、、」
「わかりました、、、、」
それからしばらくした頃、ようやく一人募集をみて人がやってきた、ロン毛の男だ、ちゃらそうな感じがにじみ出ていて個人的には嫌な感じであった
「ちょりーす、まじうけるんですけど~、みたいな?、テメエらみたいなのが募集かけてるとかまじわろすみたいな?」
ただの冷やかしであった、借金で心に余裕のない人間にそれをやればキレられるのは必然であろう、ラビットは目を赤くしてゆらりと立ち上がる、そして舌打ちをした後に惨劇は膜を開けた
「てめえ冷やかしか、、、この抜作が!!!!!!!!!!!!!!」
《ガン!!!》
ラビットは男の頭を掴んで持ち上げた、悶える男をそのまま机に叩きつけると耳元に口を近づけた
「いてえええ、この三流冒険者が、放せ!!!」
「いきがるなこの田舎者が、割れた皿の代わりにテメエの頭繰り抜いて飯を食ってやろうか、そのいい音が鳴る頭でな、おい」
周囲は大盛り上がり、喧嘩は冒険者の華と言われていて、組合でこういった喧嘩が始まるととたんに周りが野次馬に来る、暇なんだなみんなも、、、、
きしむテーブルに悲痛に顔を歪める男、そして完全に切れてるラビット、状況は最悪であった、こんな物を見せつけては仲間募集が遠のくことは目に見える、しかしあのラビットをどうにかできるほど俺に力はない
「すまなかった、たすけて」
「くたばれ!!!!!!!!!!!!!!!!!」
男がギブアップをしようとすると、その声は受理されずに男の頭はテーブルにめり込んだ、周囲の冒険者は大笑いしている、なんという民度の低さ、、、まあこれもこういう世界ならではの光景なのであろう、
この乱痴気騒ぎのなか、赤いローブに赤いとんがり帽子の少女が俺に話しかけて来た、少女の背丈は中学生ほどであり内巻きの黒い髪は喉元まで伸びている
「あなた達のパーティーとても楽しそうなので、、参加させて欲しいです、、いいでしょうか?」
「いまのが楽しそう、、、はぁ」
今の乱痴気騒ぎで楽しそうに見えるのであろうか、、、まあこの世界であれば今のは最大級の娯楽なのであろうが、こんな少女までもが、、、すごい世界だ
「ラビット~、本気の募集希望者さんだよ~」
「お、まじですかいリュウタ!、今行くよ~」
俺達は席について話をする、取り敢えずビールを3人分頼むと早速本題に入った
「私はホムランというです、、、職業は属性魔法士、火炎魔法使いです、レベルは3、能力値は、、、今ステ紙出しますね」
----------------------------------------------
攻撃 50 魔力 1000 魔力量 120
防御 50 速力 20
スキル
MAX;火炎魔法《火炎放射》 MAX;補助スキル《火炎強化》
Lv3;補助スキル《火炎持続》
取得可能スキル スキルP0
(各種5)初級魔法、(3)補助《被害拡大》、(12)火炎球
----------------------------------------------
まあ根っからの火炎魔法使いだこと、、、火炎放射MAXってすごいな、、、
「俺は大歓迎だけどどうする?」
「いいに決まってる、と言うかお願いしますだよ、早速オーガ狩り行こうぜ」
「有難うございますです、、、お願いします!」
かくして俺達に新たな仲間と借金ができた、しかしこのホムラン、実は相当な曲者であることをこのオーガ討伐で思い知ることになるのであった、、、乱痴気騒ぎに釣られて来たという時点で気づきべきであったのだが、、、