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異世界大泥棒~異世界での泥棒生活~  作者: カミキリ怪盗
序章 【麒麟強奪と兎の仲間】
1/7

プロローグ前半~麒麟強奪作戦~

「いやっほ~、悔しかったらこっちまで来るんだな!!」

「まて!!!、この泥棒!」


 空に星が散る夜、魔物の討伐証拠を奪われ、奪ったやつを捉えようとする冒険者、そしてそれに負けじと全力で逃げる泥棒、この話はファンタジーな世界を泥棒とユカイな仲間が繰り広げる喜劇であり悲劇でありそして何より、一つの物語である、この話はこの星散る夜より3日前の昼間から始まった



=================================================================



 時は遡り、酒場の中から話は始まる、俺、リュウタは数日前から異世界からやってきた、俺の元いた世界は日本と呼ばれるところであり、どういうことか気が付くとこの世界にきていた、しかもここに来た経緯の記憶が無いときたもんだから困ったもの、しかし記憶が無いせいで混乱もなく数日間でだいぶこの世界にも馴染んできたところであった


 ここ数日でこの世界について分かったことがある、それは『魔物』の存在だ、魔物という凶暴な生物にこの世界の住民は日々怯えさせられている、そして魔物を討伐することで冒険者組合と呼ばれる場所で死骸とかねを換金してもらえる、そして俺みたいな流れ者は冒険者以外の職業をやるのは厳しいという現実であった


「おい、そこにお兄さん、なあに黄昏れてるんだ?、ソロか?」


 どうやって生活をしていこうかと考えていると、軽装備の冒険者が話しかけて来た、金色の髪の毛で背丈は大きく、背中に大きな剣を刺した女性、彼女はこの後俺とパーティーを組むことになる


「私はラビット・サミ、どうだい?、そんな黄昏れているなら魔物退治行かないか?」


 彼女は笑いながらは仕掛けてきた、


「俺は冒険者登録していないので、登録からですがいいですか?」

「構わないさ、私も事情があって、戦力にならなくてもいいから仲間がほしいんだ!頼むよ~」


 かくして俺達は冒険者組合所と呼ばれる酒場に移動することになった


・ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 冒険者組合所、魔物退治や用心棒、富豪の猫探しまで引き受ける何でも屋、組合の中は木製のテーブルやら椅子が置かれていて冒険者が酒を飲み交わしている、流石は魔物退治屋というだけあって大半の人はイカツイ感じで大きな剣やでっかい鎧を身に着けている、無論魔法使いもいる、杖を持ってローブを羽織ったまさに魔法使いという感じだ


 冒険者登録を済ませるために組合の受付に行くと若い娘が登録準備をしてくれた、受け付けの前の椅子に座るといくつか書類を出されてその紙にサインをした、その様子はまるでハロワである


「えっと、ではレベルに付いての説明をしますね、レベルはこなした依頼=レベルとなります、レベル次第で受けられる依頼が変わることを理解してください、次にステータス、こちらのステータスペーパーに念じるとステータスが出てきます、こちらは多くの方はレベルが上がると数値が上昇しますが、こなした依頼や体質で上がり方に斑があります、ご理解いただけましかか?」


 わからないところは多々あったが、別に知らないままでもいいかと思って俺はステータスを計測した、するとステータスペーパーはキラリと光って文字が浮かび上がる、


----------------------------------------------

攻撃 100 魔力 100 魔力量 1,000

防御 100 速力  50 


スキル

未取得


取得可能スキル スキルP 100

(各種5)初級魔法、(10)隠密スキル、(20)索敵スキル、(50)変装スキル、

----------------------------------------------


 ステータスを見ると受け付けの娘は少し考えこんだ後に俺に説明をしてきた


「え~っと、ステータスは非常に低いですが、魔力量と初期スキルポイントがかなり多いので、取り敢えず全部スキル取ればある程度はステの低さは補填できると思います、スキルは他者に教えてもらうかスキルブックという本を読めば習得可能になりますので、沢山スキル覚えてがんばってください」


 その後一般的な男性のステータスを見てみたが、平均は全ステ500程度、魔力量平均100が平均であった、要するに魔力量以外のステが低い、俺は取り敢えず初期魔法以外の全スキルを取得することにした、


----------------------------------------------

攻撃 100 魔力 100 魔力量 1,000

防御 100 速力  50 


スキル

レベル1隠密スキル、レベル1索敵スキル、MAX変装スキル、


取得可能スキル スキルP 20

(各種5)初級魔法、

----------------------------------------------


 変装スキルにはレベルがないらしくすぐにMAX表記が出た、手続きが終わりラビットの元まで戻ると、彼女はもはやいっぱい引っ掛けていた


「やあ遅かったな~、まあいい、じゃあ早速仕事に行こうか~、手始めにゴブリン討伐、5匹で銀貨2枚、安いけどあいつらたっくさんいるから100匹狩ればそこそこな値段に成るぞ~」

「100!?」

「大丈夫、8時間ぐらいやればすぐだ!」


 まあそう言われると納得だ、8時間勤務だと思えば普通に仕事するようなものだし、この世界の物価は未だに分からないが200枚銀貨があればそこそこ1日は生活ができるのであろう


・ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ゴブリンの沢山いる草原にやってきた、俺がこの世界でこなす最初の仕事はゴブリン討伐であった、こういった大量討伐依頼には役割分担があるらしい、ラビットが討伐、討伐した死骸を俺が拾って荷車に乗せて冒険者組合所まで運ぶ、これを繰り返す


「ふぁ!!、これ結構キツイぞ!」


 鬼神のごとくゴブリンを斬り殺すラビット、そしてそれを荷車に乗せて大体10匹程度で一度街まで戻り組合に提出、金を貰って戻ってくる、これを繰り返すと言う作業、案外辛かった、最初はゴブリン気持ち悪いなとか、自然の景色キレイだなとか、色々思っていたがもはやゴブリンを拾う事で精一杯だ


「ははは、やっぱりゴブリンをぶちのめすのは楽しいな!!!!!!!!」


 しかもラビットは凄く楽しそう、切るペースはどんどん上がっていく、ゴブリンの大きさは1mほどでそう重くもないが数が数である、50を超えた時からは思考回路が停止した


《ゴト!、ゴト!》

《ズバ!ズバ!》


 そこには無慈悲な剣の音と荷台に積み込まれる音のみが響き渡った、

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 日がだいぶ沈みかけ、夕焼けで周りが赤く染まった頃にようやくゴブリン討伐数が100を超えた、もう俺もラビットも血まみれだ、、、


「はははははは、いやぁ、楽しかった、お前も疲れただろ、組合所の酒はうまいぞ~」

「はぁ、、、それは楽しみです、、、、」



・ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 組合所まで戻ると俺達は早速酒と肉を頼んだ、ラビット曰く、冒険者の小銭はその日に使いきらないと盗られてしまう可能性があるから使ってしまうのが基本なのだとか、俺達は今回稼いだ金を酒と肉につぎ込んだ、テーブルには所狭しと食事が並んでいる


「いや~、初仕事にしてはいい効率だったよ!、お疲れ様!」

「いえいえ、俺は物運びしていただけなので、、、」


 テーブの肉を消化しつつ、ラビットは少々小声で俺にある仕事の提案をしてきた


「ここだけの話なんだがね、上級冒険者が伝説の魔獣、麒麟を討伐したらしくてな、それを2日後に持ってくるらしいんだ、麒麟の素材といえば誰もが欲しがる超一級品、誰も強くて倒せなかった物だ、きっと高値で売れる、どうだい、、、奪っちゃわないか?」


 何というか、、、凄く汚い話だが魅力的にも感じる話だ、俺は話を続けてもらうことにした


「お前って確か変装と隠密と索敵付いてたでしょ、、お前なら盗むのは簡単、しかも今回の上級パーティーには索敵能力者がいない、つまり盗むのも簡単で逃げ出せるときたもんだ」

「でも、麒麟より強い冒険者ですよ?、秒殺じゃないですか?」


 そう言うとラビットは頬を上げて作戦の説明を開始した


「確かに、確かに普通にやれば無理だ、でも変装で近づいて強奪するのは極めて簡単、馬車ゴト盗めばいいからね~、で、近くの森で私と合流、私はここらへんの地理には詳しいから後は私が逃げ切る!、どうだ~、簡単だろ?」



 なるほど、、確かに逃げ切るだけなら簡単かもしれない、一旦外に出て人気の少ないところに行くとラビットは本格的な作戦を説明し始めた、夜だけあって暗く、少し肌寒い、月はレモン形に出ていて月明かりは俺達を照らしている


「じゃあ作戦の詳細を言うよ~、まずお前が変装スキルで馬車を強奪、そこから2km先の蛍川っていう川掛かる橋まで移動、そしてそこで私と馬車交代、後は橋を渡りきったら私が橋に火をかけるからそれで終了!、後は次の日にとなり町で売り捌けば~、うちらは金持ってわけ」

「う~ん、馬車は交代じゃなくて一緒に行かない?」

「ああ、うんそうだね、確かにお前の身の安全的にも私が裏切る可能性てきにもソッチのほうが安心だ」


 かくして俺達の【麒麟強奪作戦】が始まる、胸がドキドキすると同時に、何というか怪盗になったような気分で少し胸が踊った、そしてこれが俺のろくでもない異世界生活の幕開けであったのだ

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