Session 00 航海の旅の幕開け?
ある一室にて。
有紀「さて、私のGMの番が回ってきたわけだけど。何しようかなあ…先輩たちのセッションって王道RPGだしなあ…」
有紀は綺麗に整頓された机に突っ伏していた。
有紀「ちょっと変わったセッションなんてよさそうだけど…うーむ。」
丁寧に磨かれた盾、正直意味の分からない勉強道具、そして買ってもらったノートパソコン。なんとなく眺めていた。日々仲良く話す友と一緒に書いているリレー小説。前の展開を私が書いてからずいぶんと飛躍した話になったなあ。と思いながら頭に浮かんだ文章を突っ伏したまま書いていく。
その時だ。不意に画面が固まったと思ったら青い画面が表示された。ブルースクリーンだ。
有紀「…またブルースクリーンか。買い替えてもらおうかなぁ…ぁ?」
目の前には青い背景に白い無数の文字。半目で眺める有紀の目にはちょうどよくぼやけて白波が立った海のように…
有紀「…閃いた!!」
―この瞬間から伝説は始まった。
城門高校TRPG同好会Ⅱ~いざ、海の上の冒険へ!!~
GM 辻井 有紀 {つじい ゆうき}
スカウトで新米アイドルにされた高校2年生。本人はあんまり乗り気ではない模様。
SM 日向 照 {ひなた てる}
有紀の先輩の高校3年生。後輩とチェスをするのが趣味だがあんまり強くない。
PL1 御在間 朧絵 {おざま るえ}
転校してきてわずか3日で同好会になじんでしまった高校3年生。進路も確定し、穏やかな日々を送っている。
PL2 御在間 真絵{おざま まえ}
朧絵の双子の高校3年生。姉の朧絵と瓜二つ。とくに部活には所属していなかった所を朧絵につかまった。
PL3 伊刈 沙綾 {いかり さや}
有紀の親友でほぼすべてのキャンペーンで「ピンゾロ娘」「ツイン太陽神召喚士」などという不名誉を被っている高校2年生。汚名返上なるか。
PL4 水落 賓登{みずおち くると}
TRPG大好き少女、芽流の兄である高校3年。TRPGは初めてではないがS.W2.0は初めての模様。
PL5 颯真 偉智{そうま いち}
転校組の高校1年生。もともと無口らしくTRPGは苦手…と思いきやその手のRPが得意だったりする。
有紀「…照さん、と言うわけでこんなキャンペーン思いついたんですけど。」
コトン
照「…えっ。凄い斬新だねぇ。それ。ユキ的にまとめる自身あるの?」
カタン
有紀「まあ特性上NPC大目ですかねえ。これ。だからSMがいれば相当楽になりそうですよ。これ。」
カン
照「そんなもんか。あとユキ、それ悪手な。そのビショップは此処でとらせてもらうよ。」
コトン
有紀「じゃあよろしくお願いしますよ。あと悪手なのはそちらです。チェック。」
トントン
照「えっ…あ。」
コン
有紀「…パーベチュアルチェックですね。こっちはポーン3、ビショップ1、ルーク1。そちらはポーン6、クイーン、ルーク1。勝ち目がないので引き分けに持ち込ませてもらいました。」
照「えー…ステールメイトといいパーベチュアルチェックといい引き分けに持ち込むのうますぎる…」
―数日後、部室にて―
有紀「じゃあ今日からのセッションでGM担当の有紀と」
照「SMの照です。」
一同「よろしくお願いします!!」
有紀「で。私はGM経験3回目、照さんは単発含め2回目。というわけで今回は!!」
沙綾「どよよ…どよよ…」
有紀「特殊レギュレーションで行きます!!」
真絵・朧絵「おー☆」
賓登「具体的には?」
照「今回皆には…」
有紀「…海を冒険してもらう!!」
沙綾「把握。」
真絵「…海?てことはライダーあんまり役に立たない?」
照「いや、空中騎乗とればペガサス辺りで行けないこともないけど…」
偉智「じゃあその詳細なシチュエーションをお願いします。」
有紀「OK。じゃあ今回の舞台の説明を…」
―今回の舞台はオリジナル地方「フィラルド」の沖合、絶海の孤島にある小さな村。と言っても近くに村が無いわけではない。海を挟んで点々と同じような村から比較的大きな都市、そして南下すれば巨大な魔法都市「アイルーン」、北上すればこれまた大きな交易都市の「ヘリン」が存在する。今回はその小さな村の一つである「ティン」の村からスタートする―
有紀「で。技能作っちゃったから。今回それぐらい特殊ルール盛りだくさんなので。」
沙綾「とりあえずはキャラ作ろうか。」
有紀「そうだね。まずはキャラを作ってからだね。」
朧絵・真絵「じゃあ一番手いきまーす!!」
照「素晴らしいシンクロ具合だ。だがどちらかからで頼む。」
真絵「朧絵から先やって。」
朧絵「じゃあ…何にしようかな…」
偉智「妖精使いなんてどうでしょ?」
朧絵「あ、それ採用。」
有紀「おっと、一つルール補足。今回は金属鎧に特殊加工を施してもらえます。具体的にはこんな感じ。」
「浮き加工」金属鎧の値段の10%G
防護点を1点減少させる代わりに水の中では浮くようになります。但し潜ることができなくなります。
朧絵「把握。じゃあ…これで行こう。ナイトメアの神官Ⅰ。」
偉智「えっ」
朧絵「えっ」
偉智「先輩がいきなりAA技能やる気満々です。」
朧絵「…普通じゃない?」{※ここでは横伸ばしが主流です。}
ニコラ・ダリン{16,♀}
ナイトメア 神官Ⅰ
器用 6+{2,4}=12
敏捷 6+{5,5}=16
筋力 14+{2}=16
生命 14+{5}=19
知力 10+{5,2}=17
精神 10+{6,5}=21
{ポイント +45}
経歴
高レベルの魔法をかけられたことがある
身体に傷跡がある
物心がついたときには一人だった
真絵「あっ…」
沙綾「いきなりヒロイン候補爆誕じゃないですかー」
朧絵「うっさい。無駄にポイント高いのに知力が低い!!」
照「3回振って 3,6,7って…」
賓登「経歴事故りすぎでしょ…」
偉智「でも妖精魔法使える口実は手に入れたわけで。{変人的な意味で}」
朧絵「あっ、良いこと思いついた。次どうぞ。」
真絵「朧絵に続いて私が。WTを見れば妖精魔法は契約によって全然違うタイプになれるみたいだから2人いても大丈夫…かな。エルフの妖精Ⅰ行きまーす」
ビアンカ・ティオ{20,♀}
エルフ 妖精使い1
器用10+{5,6}=21
敏捷10+{6,6}=22
筋力4+{3}=7
生命4+{5,4}=13
知力12+{6,6}=24
精神12+{4,5}=21
{ポイント +195}
経歴
物心ついたときには一人だった
一定期間の記憶がない
引きこもっていたことがある
真絵「ひぎぃ。」
有紀「…えーと。姉妹二人そろって何してんすか。」
照「驚異のポイント+195。なんじゃこりゃ。」
賓登「ヒロイン候補その2。うわぁ…」
有紀「GMですが経歴が重いキャラ2人目です。」
真絵「よし。回避マリョップラーにするか。」
沙綾「じゃあ次は私ですね。…たまには後衛やってみますか。海の上ということなので…ジェザイルさんを召喚すべく、マギジュー…だけど圧倒的硬い前衛不足なので重装マギなんてやってみよーかな。」
デイジー・クロワイヤ{6 ♀}
ルーンフォーク 射手Ⅰ
器用12+{3,6}=21
敏捷12+{1}=13
筋力8+{4,3}=15
生命8+{6,5}=19
知力6+{1}=7
精神6+{4,5}=15
{ポイント +20}
経歴
高レベルの魔法をかけられたことがある
一定期間の記憶がない
過去に使えた主がいた
一同「死んでるー!?」
沙綾「mjk。」
賓登「えーと、リプレイ見て勉強したから分かるんだけど…マギジューできるの?これ。」
沙綾「十分できますよ。安定してダメージを与えられるのでね。けど…弓も面白いし純シューにします。せっかくの変換生かすなら…ん、海の上か。時間たっぷりありそうだしコンジャでゴーレムもアリかも。」
有紀「沙綾=ピン」
沙綾「うっさい。」
賓登「さて、そろそろ前衛が欲しいところ?となれば…盾じゃ!!すなわちドワのファイマギでぇぇぇ…」
レーヴェル・デルクール{28 ♂}
ドワーフ 戦士Ⅱ
器用3+{5,5}+6=19
敏捷3+{2}=5
筋力12+{3,3}=18
生命12+{4,4}=20
知力5+{5}=10
精神5+{6,4}=15
{ポイント +20}
経歴
{選択}異種族の街で育った
才能を絶賛されたことがある
家族に魔法使いがいる
有紀「よっしゃ!!普通の人来た!!」
沙綾「ユキポン…」
賓登「これはなかなか良さげだねえ。経歴も落ち着いてるし能力も高い。回避なんかする気もなければ器用も高い。筋力が期待値以下だけど…これ以上を求めるのは野暮か。」
偉智「ふむ…いまのところ妖精神官、マリョップラー、硬いシューコン、硬いマギファイですか。ちなみにB技能の割り振りどうします?それで決めますけど。」
朧絵・真絵「セージとバードかな。」「セージとスカウトかな。」
沙綾「私知力系以外は割と何でもできそうなんだよね。だから合わせるつもり。」
賓登「レンジャーとアルケミ。」
偉智「…もうみなさんだけでいい気が。まあいいや。となれば人間冒険者ジャー」
ハワード・トリトニート{24 ♂}
心技体ダイス 技5 体12 心11
5+{1,1}=7
5+{6,2}=13
12+{5,4}=21
12+{6,4}=22
11+{6,6}=23
11+{5,1}=17
{ポイント総計 220+90=310}
経歴
守りの剣を手に持ったことがある
国王にあったことがある
毒を飲んだことがある
一同「ロイヤルラインだー!?」
真絵「上には上がいたか…うん。」
偉智「えーと…はい。」
照「能力値が能力値すぎて何でもできそう。」
有紀「いや、致命的なレベルで器用が低いので出来ること限られますよ。これ。他の能力に目を瞑れば。」
偉智「じゃあどうしようかなあ…器用が低いから戦士系はなあ…」
朧絵「wizなんてどう?」
偉智「あ、それいいですね。」
有紀「さて、ダイスを一通り振ったところで。オリジナル要素を発表します!!」
照「まだバランス調整段階だから修正はいる可能性あるけど。」
天の声
どうもこんにちは。著者のたーじと検閲担当の四重六角です。
今回はオリジナル要素満載のキャンペーンとなります。従いまして常識が通用しない世界となりますのでよろしくお願いします。もしも何かございましたら感想で一言つけてくださればありがたいです。なお本ルールは完全に独自のルールとなっています。万が一ルール借用等ございましたら基本的に自由ですがこの小説をリンクしていただければありがたいです。
有紀「まずはオリジナル技能!!セイラー技能です。」
セイラー {テーブルB}
・行える判定
船の装備を利用した命中力/行使判定
操舵による船の回避判定
海上限定 先制判定
海上限定 探索判定
危機感知判定
天候予測判定
聞き耳判定
魔物知識判定(弱点看破不可)
海図限定 地図作成判定
船修理判定 セイラー+器用度B+2d6 12時間
船のHPを達成値だけ回復できます。
その他GM判断による
解説
海の上の情報収集、船の操作、船上での行動などに長けています。船の特長を生かすにはこの技能をもった船員は必要不可欠でしょう。
船に載っている装備は必要船レベル-2にセイラー技能レベルが達していなければ動かすことができません。{平目なら大砲すら動かせません}陸上にあればこの限りではありません。
自動習得
Lv5【低級兵装適正】
自身のレベルよりも必要船レベルが1以上低い兵装を使用する場合、命中力/行使判定に+1のボーナスを受けます。
Lv7【弾道予測】
相手が船に搭載できる装備による攻撃に巻き込まれた時防御対応に+2のボーナスを受けます。
Lv9【海の知識】
水泳判定に自動成功します。また水中にいることによる各種ペナルティが消失します。
Lv12【海上の知恵】
船上で白兵戦を行っているときに敵エネミーに対しての命中/回避判定に+2のボーナスを受けます。
Lv15【水蹴り】
通常移動で移動できる距離であれば海の上を自由自在に移動できます。但し水上にとどまることはできません。
※必要船レベル、防御対応、白兵戦などの専用用語については後述
有紀「どんどん行くよ。次は船についてのルール。」
船にはレベルがあり、このレベルによって規模が変化します。目安としては
1 普通の小舟
4 小型の旅客船程度の規模
10中型戦艦
14大型戦艦
です。
原則船は1部位とします。船は一切の動作を行いませんが、船員が装備を起動することで船員の主動作を用いることで攻撃します。
船の基本HPは船レベル×6+24です。HPを底上げする装備などがあれば底上げされます。
船の基本防護点は船レベル、生命、精神抵抗力基準値は船レベル*1.5です。
基本回避力は操舵者に依存します。
船は魔法生物扱いとします。但し以下の例外があります。
通常の方法では回復できません。
生死の概念があります。{生死判定成功で頓挫、失敗で沈没}
船の装備の使用について
装備には以下のステータスがあります。
必要船レベル{装備を付けるためのレベルです}
搭載限界数{装備を付けられる限界数です}
基本ガメル{装備の値段を求めるための係数です}
維持費{航海時間が2週間たつごとに発生する維持費です}
スペック{そのまま}
有紀「とりあえず第一セッションで知っておけばいいことはこんなとこですね。」
照「ちなみにまだ全データ量の半分も行ってないのは秘密。」
沙綾「3行で。」
有紀「セイラー技能は海の上に特化した技能だよ。
船にはレベルがあって、それで能力が決まるよ。
船には装備があるよ。」
沙綾「大体わかった。」
有紀「じゃあ初期経験点は7000点でレベルキャップは2で。成長は3000点ごとに1回許可します。但し経験点は1500点以上残さないでくださいね。」
沙綾「強制的に横伸ばしさせにきたでござる。」
有紀「いいからやる。」
はじめましての方ははじめまして。そうでない方はお久しぶりです。たーじです。まさかのⅠが終わる前にⅡが始動です。どうしてこうなった。元SMよ。原稿をYOKOSE。
今回は世界観の紹介をしてからお開きにします。
有紀は前作のライト=ユークを担当していたキャラクターです。今作ではGMとして奮闘してもらいます。
朧絵は人狼編で登場したっきりのキャラでしたがレギュラー化しました。
真絵は完全に新キャラクターです。勝手に設定を生やしました。社交的な姉妹という解釈でOKです。
沙綾は前作でイオ=アスナを担当していたキャラクターです。前作では中の人がピンゾロを連発していましたが今回はそんなことが無いように…
賓登は完全に新キャラクターです。人狼編の芽流の兄と言う設定です。一応設定としてはS.W2.0は初めてだがリプレイをたくさん見て勉強したということになってます。
偉智は人狼編で影が薄かった人です。今回レギュラー化しました。
城門高校の設定集はこんなところですか。
今回のキャンペーンは実際に行ったキャンペーンと同じ条件で全く違う冒険をさせてみます。よって前作は完全再現でしたが、今作はたーじの脳内でプレイしていきます。すべてはダイスのおぼしめしですが。
それでは検閲担当の一言を。
どうも、四重六角です。
今回、キャラたちの言動に{おもにGM視点の}メタが混じってないかの担当を受けさせていただきました。
今回出番なしですが。
実は実プレイ経験はないです。近いうちにGMとしてセッションやる予定なのですが…。
うん。ここで言ってもしかたないっすね。
今回、海上セッションということで、正直検閲係である自分もどんな内容になるか楽しみです。
たーじさん、期待してますよ{ニヤリ
<おう。鬼畜で出迎えてやる。
文章修正
セイラー技能での魔物知識判定に「弱点看破不可」を追加