第18話:「戻った日常」
こっくりさんが誤ってくれたせいで
僕たちはこっくりさんに言うことは何もなくなってしまった。
俺たちは声をそろえてこっくりさんに別れの言葉を告げた。
「こっくりさん……さようなら」
誰もアリガトウとは言わなかった。
いや、ありがとうだなんて
言えなかったんだ。
俺たちの大切な人を何人も殺しておいて。
”アリガトウ”
だなんて……。
「こっくりさん、こっくりさん……お帰りになられるのであれば「はい」の方向へ行かれてください」
鉛筆は動き出した
<<ズズズズズ>>
”はい”
終わった。
これで終わった。
これで本当にゲームが終わった。
おびえる生活をしなくてすむんだ。
俺たちはそう思うとホットした。
「おわったな……」
「うん」
「なんか……あっけなかったね」
俺たちはブツブツと呟いていた。
すると
目の前が真っ暗になった。
え・・・?
俺たちはどうなったんだ?
真っ暗の中で誰かが叫んでいる。
こっくりさんだ
「今までアリガトウ、本当にありがとう」
俺は喋れない……。
ただこっくりさんの言う言葉を聞くだけ。
真っ暗闇の中で何故かこっくりさんと二人だ。
光達は何処に行ったんだ?
「あんな事をしてごめんー……」
こっくりさんは俺に必死で言ってくれている。
もういいよ
許せないけど
もういいから。
そう思った瞬間
こっくりさんは消えた。
そして築いたら自宅だった……。
明奈達が居ない。
何で?
さっきまで居たのに。
机の上に置いてあった焦げた本もない。
「翔〜!何やってんの掃除手伝うか、出かけるかにしなさい!」
姉がいつも通り俺に怒鳴りつける。
何で姉ちゃんがいるんだ?
ってか今日何月何日だよ!
カレンダーを見たら
”2006年 4月5日”
こっくりさんを僕たちが始めた日……。
最初に戻っている。
それじゃ
こっくりさんの本は
俺はそう思い小屋に猛ダッシュで走った。
何処を探しても本がない。
終わったんだ……。
そうなんだ
こっくりさんは最初に戻してくれた。
あの世にいけたのかな?
俺はあの時みたいに本屋へ行った。
俺はこっくりさんの本ではなく別の本を読む。
恋愛の小説をあの時みたいに立ち読みしていた。
「翔ー君!」
後ろから驚かしてきたのは俺の女友達「宮本 明奈」(ミヤモト アキナ)だった……。
あの時と同じー……驚かしてきた。
「何読んでるの?」
「恋愛小説」
そう言って俺たち二人は大声で笑う。
「こっくりさん……やっと終わったな?」
俺は明奈に問いかけた。
明奈は不思議とビックリしたような表情で
「こっくりさん……何の事?」
と言ってくる。
え?
忘れたのか?