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ようこそ子供戦争へ

今でも思う。

あれは、なんだったのか…と。



私、竹宮美羽が通う

私立聖名学院高等学校は

超がつくほどのエリート学校だ。

つまりガリ勉が通う学校なのである。



私達の制服を見ると、

「聖名がいる~」

と嫌な目線をおくってくる。



そういう学校なのだ。



けど、私はガリ勉にはなりたくなかった。だから、数少ない部活動にも参加していた。




そんなある日の事だった。



普通通り学校に行くと、

玄関ホールでみんな集まってザワザワしていた。


「どうしたの?」

と同じクラスの真田結衣に話しかけた。すると、結衣は静かに床を指した。


そこには、


カラスの羽なのか、

黒い羽が沢山散らばっていた。



「何これ…。気持ち悪い」

といろんな所から聞こえくる。




その時だった。





キキーッ

車の急ブレーキ音と共に軍部服を着た集団が学校の窓ガラスを割って入ってきた。




何がなんだか分からなかった。


「キャーーー」

「ワァーーー」


玄関ホールは大混乱。


みんなとにかく走り出した。



しかし、生徒達がどんどん捕まっていく。ガスか何かをかがされて気を失って倒れていく。


こんなに騒いでいるのに、

なんで、先生達は1人も来ないのか。

不思議な出来事に頭がついていかなかった。




「美羽!」



後ろから呼ばれ振り向くと、結衣が捕まりそうになっていた。



「結衣!」



私は無我夢中で結衣に手をのばした。



その瞬間私は後ろから、ガスをかがされ倒れた。






気がつくとそこは、

暗い洞窟のような所だった。



「気がついた?」

誰かに話しかけられた。


「誰?」

私は恐る恐る聞いた。

すると、その人が近づいてくるのが分かった。そして、私の目の前に来た。


「徳陽高校の柳瀬陸です。はじめまして。聖名学院の竹宮美羽さん。」


その男の子はニコッと笑った。


「なっなんで私の名前…。」


男の子は私に生徒手帳を渡した。


「落ちてたよ。それにしても、なんなんだろここ…。」



徳陽高校とは、カナリの馬鹿がいく学校だ。聖名学院では、この学校の者にはかかわらないようになんて言う先生もいる。とにかく、不良が多く、誰にでも手を出すという噂もある。




私は少し変な気がした。

制服のボタンが3つもあいている。

恐る恐る男の子を見ると、


笑いながら言った。

「少し見ただけだから。」



見ただけ…?



「えっ???えぇーー!ちょっちょっと、信じられない!本当噂通りの学校ね!信じられない…。」



「噂通り?そんな俺らの学校有名なの?てか、見たのは怪我ないか見ただけだから。変な意味じゃない。」



陸という男の子は、

少しふてくされた顔でこっちを見た。


その時、


ウーーーーーー‼

ウーーーーー‼

サイレンのような音が聞こえてきた。


慌てて外へ出ると、そこは見た事のない土地だった。夢なのか現実なのか、全く分からない。



「ただいまより、子供による子供のための子供戦争を開始いたします。」



どこからか、放送のようなものが聞こえてきた。


「子供戦争?」



「あなた達は選ばれぬかれた戦士なのです。近くに1人1つずつ銃が用意されています。それで敵を撃てばよいのです。生き残りは1人。1人になった時点で戦争終了です。戦争中であれば何をしてもかまいません。さぁ、殺すのです。名もなき戦士達よ。」



ウーーーーー‼

またサイレンが鳴り放送が終わった。




「子供戦争…?殺すって…。」


その時だった。



バンッ‼‼‼




目の前で同じクラスの高山君が血をふいて倒れた。そして、殺したのもまた同じクラスの山下君だった。



信じられない状況に私は膝をついた。


「えっ……。」


私の声に気づいて山下君がこっちに向かって走ってきた。その表情はいつもとは違い憎しみに満ちあふれているように見えた。

私はもう動けなかった。


殺される。


そう思った瞬間


「来い‼」

陸が私の手を引っ張って走った。


陸は私の手をしっかり握ってくれた。私はなぜか助かったと確信した。



そして私達2人は小屋みたいな所に入りなんとか逃げきった。



「大丈夫か?」


私はもう立っていられず陸の足元に座りこんだ。


「さっきの…私のクラスの人なの…。殺した方も…殺された方も…。」



「そっか。辛かったな。」



「もう分かんない。なんなのここ…。どうして友達を殺さなきゃいけないの…。なんで私達がこんな目に…」



泣いている私を陸はそっと抱きしめた。



「俺も分かんない。何が何だか…。けど決めた。お前の事守ってやるよ。俺がお前を守る。」





そして、私達の子供戦争が

始まった。

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