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こまったまご

掲載日:2026/08/23

登場人物


● おばあちゃん――帰り道で巨大な卵を拾う。

■ おじいちゃん――おばあちゃんと暮らしている。ツッコミ役。

▲ 孫――二人の孫。ちょっと変わったことをするのが好き。

『こまったまご』



 ある日のこと。


 おばあちゃんは買い物を終え、家へ帰る途中だった。


●「今日は何を作ろうかねぇ」


 そんなことを考えながら歩いていると――


●「ん?」


 道の端に、何か白いものが置かれていた。


 近づいてみる。


●「……卵?」


 そこにあったのは――


 巨大な卵だった。


 普通の卵とは比べものにならない。


 人が一人入れそうなくらい大きい。


●「ずいぶん大きな卵だねぇ」


 おばあちゃんは卵の周りをぐるっと回った。


●「何の卵だろうねぇ……」


 しばらく考えたあと――


●「まあ、おじいさんに見せてみよう」


 おばあちゃんは巨大な卵を家まで持ち帰った。


     *


●「ただいま」


■「おかえり」


 おじいちゃんが玄関へやってくる。


 そして――


■「…………」


 巨大な卵を見て固まった。


■「ばあさん」


●「何だい?」


■「そのでっかいのは何じゃ?」


●「卵」


■「それは見れば分かる!」


 おじいちゃんは巨大な卵を見上げた。


■「どこで拾ってきたんじゃ、こんなもの!」


●「帰り道」


■「そんな普通に答えられても困るわ!」


 おばあちゃんは巨大な卵をポンポンと叩いた。


●「せっかくだから、割ってみようか」


■「食べる気なのか!?」


●「卵なんだから、割らないと中身が分からないだろ?」


■「まあ……それはそうじゃが……」


 二人は巨大な卵を割ってみることにした。


     *


●「いくよ」


■「お、おう」


 コンコン。


 おばあちゃんが卵を叩く。


 すると――


 ピキッ。


 殻にひびが入った。


■「おっ!」


 ピキピキピキ……。


 二人は卵から少し離れた。


 そして――


 パカッ!


 巨大な卵が割れた。


 中から現れたのは――


▲「ばあちゃん! じいちゃん!」


●「…………」


■「…………」


 二人は目を丸くした。


●「孫!?」


■「なんでお前が卵の中におるんじゃ!?」


 中に入っていたのは、二人の孫だった。


 孫は笑いながら卵の中から出てくる。


▲「二人に会いに来た!」


■「普通に玄関から来い!」


▲「でも、びっくりしたでしょ?」


●「びっくりしたよ」


■「びっくりどころじゃないわ!」


 おじいちゃんは、割れた巨大な卵を見る。


■「そもそも、この巨大な卵は何なんじゃ?」


▲「僕が作った工作!」


■「工作!?」


▲「じいちゃんとばあちゃんを驚かせようと思って作ったんだ!」


●「よく作ったねぇ」


■「感心するところか!?」


 どうやら巨大な卵は本物ではなく、孫が作った工作だったらしい。


 孫は二人を驚かせるため、その中に隠れて待っていたのだ。


■「まったく……」


 おじいちゃんは頭を抱えた。


■「困ったまごじゃ」


▲「へへへ」


     *


 すると、孫が何かを思い出した。


▲「あっ! そうだ!」


■「今度は何じゃ?」


▲「卵も持ってきたよ!」


●「卵?」


▲「うん! いっぱい!」


 孫は持ってきていた袋を取り出した。


 中を見ると――


 本物の卵がたくさん入っていた。


■「なんでそんなに卵を持ってきたんじゃ!?」


▲「卵の中から登場するなら、本物の卵も必要かなって」


■「どういう理屈じゃ!」


●「せっかくだから、みんなで食べようか」


▲「食べる!」


■「まあ……それならいいか」


     *


 三人は孫が持ってきた卵を使って料理を作った。


 焼き上がった卵料理を皿に盛る。


 そして仕上げに――


 ごまをパラパラ。


▲「できた!」


●「おいしそうだねぇ」


■「いただくか」


 三人は食卓を囲んだ。


▲「いただきまーす!」


●「いただきます」


■「いただきます」


 三人で一口食べる。


●「おいしいねぇ」


▲「うまい!」


■「うむ。これはなかなかじゃ」


 おじいちゃんは卵を食べながら、孫を見る。


■「しかし、本当に困った孫じゃな」


▲「また巨大な卵を作って入って来ようかな」


■「もうやめてくれ!」


●「ふふふ」


 三人の笑い声が家の中に響いた。


 そして――


 ごまたまごは美味しかった。


『こまったまご』


――終わり――

最後まで見てくれてありがとうございました。

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