第二十一章:「五香再臨 ― 決戦前夜、味覚の同盟 ―」
【牌楼・中華皇都・五覇塔】
最上階にそびえる「龍厨の間」に、再び五派閥の代表たちが集結する。
かつては互いに皿を投げ合い、ソースで喧嘩していた面々が、今は違う。
雷 雲白(餃子鉄衛派)
「……あの時の味は、忘れられねえ。ヒカリ、もう一度食わせろ」
聖湯 清蓮(湯麺聖教派)
「我らの味は“癒し”だ。戦うだけが料理ではないはず」
燕 紫鈴(八珍宮廷派)
「時に、古典も更新されねばならぬ。私はそれを恐れない」
火連 紅蓮(麻辣革新派)
「刺激とは一瞬の閃き。でも、残るものは……熱だ」
馮 海鮮(海鮮外資派)
「融合だ、未来は融合にある。もう誰の料理が“上”かなど、意味はない」
五人がそろって、中心の“黄金の鍋”に手を伸ばす。
「世界料理戦争・最終審査」──そのテーマはまだ明かされていない。
だが、全員の視線はただ一人を見ていた。
ヒカリ、覚醒。
再成長の旅を終え、ヒカリは戻ってきた。
その手にあるのは、たった一杯の塩ラーメン。
ごくごく普通の、透き通ったスープ。
焼豚もなく、卵もなく、トッピングは刻み葱と梅干しのみ。
…しかし、五派閥の舌が一瞬で沈黙する。
雷 雲白
「塩だけの味…じゃねぇ。これは、“全部”だ…!」
燕 紫鈴
「誇り、痛み、希望…この中にあるのは、あなた自身の人生ね」
聖湯 清蓮
「この塩は、人を赦す味だ」
ヒカリ
「俺の新レシピは、“他人を赦せる料理”だよ」
決戦の地、決定。
羅 飛天が新たに示した最終決戦の舞台は、世界料理塔「厨界」。
浮遊する塔の各階で、国ごとの料理魂が具現化するという伝説の構造体。
ヒカリたちは、五派閥連合チーム「五香連合」を結成。
その旗印に掲げられたのは――
“調和と混沌、すべてを受け入れる一皿”
サイドイベント:出陣前夜の掛け合い
ヒカリ × リンミン
ヒカリ
「なんか変わったな、ミン。前より…辛くて優しい」
リンミン(ぽっ)
「ば、馬鹿じゃないの!? 辛いのは変わってないし! …でも、ありがと」
ヒカリ
「それ、俺にだけは甘口で言ってくれない?」
リンミン
「殴るわよ」
ライスバーグ × シノブ
ライスバーグ
「オレさ、ずっと派手で豪快な料理が正義だと思ってた。でも今は…ちっせえ厨房が好きなんだ」
シノブ
「私は……あんたの、そういうとこ、少しだけ嫌いじゃない」
ライスバーグ
「……じゃ、俺の餃子、一個あげる」
シノブ
「二個にして」




