第十章:「炊きたての継承者たち」
世界各地に広がった**“最後の白米”の種**。
それを食べた者は、皆、口々にこう言った。
「……この味……泣きそうだ……」
そして、奇跡が起こる。
その一膳から、“料理の力”が目覚めた者たちがいた――
◆第一の継承者:羽釜 ヒカリ(はがま ひかり)
年齢:15歳。梅三郎の遺灰が混じった“炊飯土”で育った米農家の娘。
彼女の炊く米は、“どんな食材とも調和”する。
「私はただ、炊いて待ってただけ……でも、みんな笑ってくれた」
必殺技:「炊界調和」
→ 世界中の料理を“おにぎり化”し、争いを終わらせる。
◆第二の継承者:ビリー・ライスバーグJr.
年齢:17歳。アメリカの軍事炊飯研究所にて、梅三郎の最後の炊飯映像から“兵器ではなく、食を学んだ”少年。
「俺の祖国は“フードバトル”で負け続けた。でも、彼はこう言ったんだ。
“戦うより、まず食わせろ”って」
必殺技:「カロリースマイル・デリバリー」
→ 高カロリー高栄養食で味方の胃袋と心を一斉強化する。
◆第三の継承者:チャン・リンミン
年齢:12歳。かつて中華帝国に仕えていた“天才点心少女”。
だが、梅三郎の最後の炊飯を見て心を変えた。
「あたし……“勝つための料理”しか知らなかった。でも、“生きるための料理”を教えてもらったの」
必殺技:「包・オン・ハグ」
→ 蒸籠から出した点心で敵を包みこみ、心を温める(物理的に)。
◆そして現れる、新たな脅威――
人々が再び食卓を囲み始めたそのとき。
空が割れた。
そこに現れたのは――かつてグルタ魔神の奥深くに封じられていた、“もうひとつの人工調味生命体”。
その名も、
MSGカオス・Ω(オメガ)
「梅三郎が滅びた今、旨味の抑制装置は解除された――
これからは、“味の破壊”だけが進化の道だ……!」
◆継承者たち、集結!
羽釜ヒカリ:「でも、私たちは“誰かのために炊く”。その想いが、梅三郎さんの遺した“火”だから!」
ライスバーグJr.:「食わせて、生かす!それが俺たちのフード・ジャスティス!」
チャン・リンミン:「包んで、温めて、癒す!あたしの点心、もう誰も傷つけない!」
彼らが立ち上がるとき――世界の厨房は、再び燃え上がる!