時は遡る〜女神様〜
キャラクター紹介みたいなエピソードです!
真っ暗な世界
まさしく【無】と言うに相応しい何も無い世界
そんな中で
目の前には一冊の
革張りでオレンジ色の本が
淡く光っていた。
しばらく見ていると
風も無い世界で不意にページが捲れ始める。
ー
ーー
天乃 剛
高校2年生 現在16歳
○好きな食べ物
梅干し(はちみつ漬け)
○好きな事
俺つえー、と目立つ事
甘やかされる事
そんな彼が、まだ8歳位の幼い頃
彼の家は神職を生業にする家系だった
幼い頃から大切に育てられた彼は
朝早くから真面目に境内を掃除していた
とても素晴らしい少年だった
【ある事を覗いて】
「ふぅ、もうすぐ10月だし、そろそろ落ち葉も落ち着くかな〜」
彼は5歳の時から毎日掃除の後に
神様に【真剣】に【大真面目】に
お願い事をしていた
それは
「(超美少女、超美人の人に死ぬほど溺愛されて甘やかされたい!!)」
残念な少年である。
「あっ、次いでに世界で最強になるのも良いかも」
本当に残念な少年である。
そして
その願いを聴いている神様はというと。
「だぁーーーーこの少年、毎日毎日毎日毎日毎日!!欲望ダダ漏れで願い事を言いおって、大音量で脳内に直接響いてきおる、はぁ〜〜」
と、おじさんの姿をした神様が
ながぁ〜〜〜い溜息を漏らした
3年間休まずに朝早くから
欲望に満ちた願いを脳内に語り掛けてくる
しかも最初の内は数秒だったのだが
今は長い時には数十分語り掛けてくるのだ
「これは……あの御方に、ご相談せねば……」
10月
神様は、あの御方に謁見していた
「モモ様………と言う訳で御座いまして…」
そういうと、あの御方と呼ばれた
白髪ロングに碧眼の19歳位の容姿に見える美人が、そこにいた
あの御方、モモ様と言われた神様が「ふむぅ…」と悩み
その後【素晴らしい事を思い付いた】と言わんばかりの笑顔で
「では、私が見に行きましょう!!」とニコッとした笑顔で答えたのだった
そして数日が経ち
モモ様が立会の元、少年を待っていた
「来ました、あの男の子です」
と神様がモモ様に、お伝えした
「さて、君の願いを聴きましょう」
とモモ様が目を閉じた瞬間
本坪鈴の音が鳴り響いた
そして
「(超美少女、超美人の人に死ぬほど溺愛されて甘やかされたい!!膝枕とか耳かきとか最高だ!何だったらイチャイチャするのもイイよね!そして…………)」
本当に残念な少年だった
とてつもなく残念だった
だが
実は神様に届く願いというのは
邪な欲望は届かなくなる
そもそも邪悪な物は本坪鈴に祓われたりする
また純度が高く本当に叶えたい望みでないと神様の耳に入らないのだ
つまり【音量が大きい程純度の高い願いと言える】
モモ様は、とても驚いた
「こんなにも、こんなにも、純度の高い………」
そして息を呑み
「(ダメ男なんてぇ〜〜〜♡♡♡)」
とモモ様が恍惚な表情で男の子を見ていた
「(次いでに最強無敵になりたいです)」と少年は思った
そして横にいた神様が男の子からモモ様に視線をチラリと向けると、いつもと違う雰囲気を出している事に気が付き
「モモ様申し訳ありませんでした、私めがお伝えしたばかりに、このような不浄な願いを聴かせてしまい、しかし彼はまだ年端も行かぬ少年、何卒ご容赦を!」
と神様は男の子の願いがモモ様を怒らせてしまい
男の子に神罰が下ると思い謝罪とフォローをした
「えっ?あっいや私はその様な事…………」
怒ったりしてませんし、その様な事は全く考えて…と言おうと思ったのだが
「(ん?でも待って、もしかして、これって私にはチャンスじゃない?)」
ー
ーー
モモ様は今までの生活を思い出す
父様と母様はとても理想的な方々だ
他の神様方達の上に立つ者として
素晴らしい、信頼もされている
私の周りは素晴らしい人格者の者しかいない
そんな一人娘の私は教養も身につけ素晴らしいと言われる
でも【生きるという実感が無かった】
私に相談される人間達の願い事は
とても素晴らしい、崇高な願い事だけだった
【間引かれていた願い】は駄目なのか
勿論、悪い願いもある
そういった物が駄目なのは理解出来ている
しかしそういった願いは神には届かない
ある日、とある神社、境内に
雨に濡れたボロボロの分厚い本が落ちていた
所謂コミックだった
タイトルは【溺愛した男がダメ男だったけど凄かった】
モモ様は【ダメ】と言う言葉に
興味を抱き見てしまった
内容は、ご想像にお任せする事にするが要約すると
【ダメ男を溺愛しているヒロインが、ダメ男の良い所を伸ばしダメな所を更生させて、健全にして行く】という流れだった
モモ様は「コレだーー!!」
と歓喜しダメ男を求めていた
勿論ダメ男を求めて居たのであって
悪人を求めている訳では無い
そもそも【溺愛出来る対象】でないと成り立たない
ーー
ー
「…モ様、モモ様、お気を確かに」
思い耽っていたモモ様に神様が心配そうに、こちらを見ていた
「しっ、心配はいりません。あの男の子は私自ら【更生】させて願いを叶えさせましょう。」
とモモ様が言うと
「えっ!?あの少年の、ねっ、願いを、お聴きになるのですか??!」
「えぇ男の子の願いは、とても純度が高く邪悪な願いでは無いのですから叶えても問題は無いのでは?」
とモモ様は、とても驚いている神様は【至極当然でしょ?】と言わんばかりの毅然とした態度で言い放った
本当は【あの男の子を甘やかしたい!デレデレさせたい!イチャイチャしたい!何でも言う事をしてあげたい!】と
もしかしたら少年以上にヤバそうな事を考えていたが
モモ様がそんな事を考えているとは露知らず
神様は【なんと慈悲深く、御心の広い方なのだ】と考えていた
「では私が自ら人間の姿を取り人間の世に行き(色々な意味で)更生させましょう♪!!(やったぁーーコレで私は………ムフフフフ)」
と表情は、とても清楚で美しい笑みを浮かべていたが
心の中では神様より上の存在だとは思えない程の悪そうな笑みを浮かべていた
「そうですか流石モモ様です、ご存知の通り人間の世に下りる際は、その者に神である私達が語り掛けてる事は禁止されています何故なら人間の世にて力が抑制出来ずに言葉を紡ぐと、それは【御告げ】になってしまいます」
と神様がモモ様に説明してきたモモ様は「(えっ嘘でしょ??)」と焦り始めたが続けて神様が
「力が制御出来るまでは、あの少年の守護神として見守る事しか出来ない上、更生させる事が出来るまでは神の世には帰れない…その様な事を踏まえた上で、あの少年をお救けになるとは………素晴らしいです」
モモ様は「(ウソウソウソ、そんな事知らなかったのですが!?)」と内心焦っていたが体裁を取り繕う為に毅然とした態度で
「そっそうですね、今直ぐにでも手を差し伸べたいのですが、もう少し考……」
と言ってる合間にも神様が
「流石で御座います何の躊躇いもなく、その様な慈悲深い御言葉、あの少年が帰ってしまいます、【善は急げ】モモ様今直ぐ私めの力を使いモモ様をお送りさせて頂きます!険しい道程ですが、モモ様なら大丈夫で御座いましょう!」
と羨望の眼差しをモモ様に向けると青白い光がモモ様に纏い、そして強く黄色の光に変わった瞬間、モモ様の視界を奪い光が収まってくると男の子の背後に【浮いていた】
境内からは離れ、何処かへ向かう
男の子に【触れる事も出来ず】【声を掛けてと気付かれず】【離れる事も出来ない】
…
……
「こっこんなの……」
モモ様は声を大にして叫んだ
「どうやってイチャイチャしたり、更生させたりすればイイのよーーーーーー」
と誰にも聞こえない大きな声で叫び続けるのだった。
「あぁーーこんな事なら、もっと激しい本をお楽しみに取っておくんじゃなくて読んでからにすれば良かったーーー」
……男の子に聞こえなくて良かったのかも知れない。
もう少し書き込みたい箇所はあるのですが
文章的に、ややこしくなりそうだったので
こんな感じになっております。
基本的に【おじさん神様】が神様していて男の子は少年と呼ぶ事が多いです
【モモ様】と言われていて【神様より上】と言われているが実質【力】はあるけど神様の、お務めは両親が万能過ぎて基本何もしていなかったしお手伝い程度知識しかなかったので今回の様な事に
主人公が変態なら
モモ様は、どんどんエスカレートして行くド変態です。
ド変態だけど誰にも今の所気付かずなので
ある意味無害