ボイスレコーダーのアプリ
こちらは百物語七十五話になります。
山ン本怪談百物語↓
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高校生の時に友達と「廃病院」へ肝試しに出かけた時の事です。
「この廃病院、大昔に無差別殺人があった病院らしいぜ!」
オカルト好きだった友達は、肝試し中にそんなことを話しながら写真や動画をたくさん撮影していました。
「なにも出てこないじゃん…もう帰ろうぜ…」
1時間近く廃病院を探索してみましたが、心霊現象どころか地元の不良も出てきません。
「今日はこれ使ってみたいんだよ。もう少しだけ付き合ってくれ」
友達が取り出したのは、スマホでダウンロードしたボイスレコーダーのアプリ。友達はこれを使って、幽霊の声を録音すると言い始めたのです。
「おーい、誰かいませんかぁ?いるなら返事お願いしまーす!」
そう言いながら暗闇に向かってスマホを向ける友達。
「男ですか、女ですか?何か話してください!」
もちろん、暗闇から返事は返ってこない。
「…もう帰ろうぜ。くだらねぇ」
その後、俺たちはすぐに廃病院を後にしました。
以下、ボイスレコーダーに録音された音声です。
『おーい、誰かいませんかぁ?いるなら返事お願いしま…』
(ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!)
『男ですか、女ですか?何か話して…』
(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い)
『…もう帰ろうぜ。くだらねぇ』
(逃げるなァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!)
友人はボイスレコーダーのアプリをアンインストールした後、二度と肝試しへ行くことはありませんでした。
どうも 作者の山ン本です!
今年も「夏のホラー2022」に参加する予定です…!
7月12日の夜に投稿する予定なので、よろしくお願いします!