9話 テンプレ
前回のあらすじ
ギルドへ→文字の書き方→到着→想像以上→ワケありそうな受付へ
「あのー」
「は、はい」
受付の人は俺を見てとても驚いた様な顔をしていた。
「冒険者になりたいんですけど」
「は、はい。ではこちらにご記入してください」
もらった紙には名前、年齢、武器、特技を書く場所があった。
心の声(あっぶねー文字の書き方やっといて良かった。こんな美人の前で恥かきたくねーし)
「名前優人、17歳、武器は剣かな、特技は音楽の授業でうまいって言われていた歌と毎日やってたし家事でいいか」
書き終わったものを渡し少しの間待つと。
「ユート様後は少し説明をさせていただきこの印を持つと冒険者と認められます」
そう受付の人の手に目を向けると銀色のカードの様なプレートを持っていた。
「おいやばいぞあいつ帰って来た」
「あの新人死んだな」
急にそんな声が聞こえた。受付の人の顔を見るとその綺麗な顔を真っ青にしていた。
入り口に目を向けると身長190はありそうな豚の様な顔をした大男が立っていた。その大男はこちらを見ると近ずいて来た。
「おい小僧、お前その女がこのピッグ様の物と分かって近ずいたんじゃないだろうな」
心の声(え……豚の顔をした奴の名前がピッグってプププや、やべえ笑いがくく、心の中では治んねえくくく、やべえコイツポーカーファイスが得意な俺をここまで苦しめるとはや、やばい限界)
「ビビって声も出ないか」
「くくく、あーっはっはっは。ピッグって豚の顔してピッグってやばいツボったあーははは……ふう。あー久しぶりにこんな笑った。おっさんやるなぁ俺を笑わすなんてあー面白かった」
「……おい貴様。お前は俺をバカにしてるのか。殺してやるから覚悟しろ」
単に面白かっただけなのに何をそんなに怒っているんだろ?
「ちょ、ちょっと待ってください一般人に手を出すのはギルドの規則により禁止されています。」
「一般人? 冒険者じゃないのかこいつは」
「いま登録しにこられた方でプレートはここにあります」
「っち。今回だけは許してやろう次俺の女に手出したらお前が誰であっても殺す」
「受付嬢さん。2つ質問いいかな?」
「は、はい。何でしょう?」
「あいつがさっきから俺の女とか言ってるけど本当?」
「あ、えーとそれは」
とても言いにくそうにしている。本人の前では言いにくいのだろうか。すると隣の受付嬢さんが紙にその男が言ってるだけと書き見せてくれていた。
「やっぱいいや。じゃあ次に冒険者同士の喧嘩に関してのギルドの規則は?」
「えーと喧嘩しているものの自己責任でギルドとしては一般人に被害が及ばなければ一切関与しません」
「ありがとうよく分かった」
「話は終わったかさっさと消えろ小僧今回だけは見逃してやる」
「豚さんびっびてんの?」
俺は受付嬢からプレートを奪い言った。
「これを持った時点で俺は冒険者あんたみたいな雑魚なんか敵じゃないね」
「お前よっぽど死にたい様だな。決闘だ地下に来い闘技場でやる」
「分かった」
ピッグは先に闘技場へ向かった。
「ユートさん何してるんです! 今からでも謝りましょう。相手はこのギルドで1番Bランクに近い人ですよ。新人のあなたが敵う相手ではないんです」
「そんなに心配しなくてもいいですよ絶対に勝ちますから」
そう言い優人は闘技場へと向かって行った。
「絶対ですよ、ユートさん」
見学しに行きほとんどの人がいなくなり活気が無くなったギルドにはその声がとても響いていた。