7話 町の中へ
前回のあらすじ
森を出る→町発見→容姿の確認→いざ町へ
町へ向かい歩いていた俺は異世界で定番の身分証がない時の言い訳を考えていた。
「うーん今思いついてるのは遠くの村から来たので持っていないか記憶喪失それと人里離れたところで修行してたとかかなぁ。まあ俺の種族は強いみたいだし最後のにしとこうかな」
そんなことを考えていると列のすぐ近くまで来ていた。
「町に入るためにはたぶん並ばないと行けないんだな。それにしても何だろうみんなこっちを見ているな」
俺が列に並んでいるとザワザワし始め何故かこっちを見ていた。
「もしかして龍人の特徴でも出ているのか?いやでも他の人と変わりないはず……ん?そういえばあっちの世界でもこんな感じで見られてたよなこっちの世界でもなのか?いやそれにしてもなんでみんな見てくるんだろう?でも女子率が高い気がするんだよな気のせいかな。まあいいやそろそろ俺の番だしな」
そんなことを考えていると次が俺の番になっていた。俺は神様がくれた銀貨を3枚程度ポケットに入れておいた。
「アイテムボックスは珍しいかもしれないしもし入る時にお金が必要でも大丈夫かな」
「次の人ー」
呼ばれたので行くと鎧をつけた騎士みたいな人が門番をしていた。騎士の人は俺を見ると固まってしまった。
「あのー」
「! す、すまん。えーと身分証を出してくれ」
「すいません今までずっと森の中で修行していたので持っていないんです」
「そうなのか、じゃあ金はあるか?この町のスラムの人を増やさぬよう身分証を持っていない人からは金を取るルールなんだ」
「いくらですか?」
「銀貨3枚だ。なくても入れるが一週間以内に払わなければ指名手配になる」
「ちょうどです」
俺は銀貨3枚をポケットから出し渡した。
「確かに。近いうちに冒険者ギルドなどで身分証を作ったほうがいいぞ」
ラノベ好きな俺はそれを聞きすぐに質問した。
「どこにありますか?」
「この道をずっと真っ直ぐ行けばいいぞ」
「ありがとうございます。それでは」
「ああ」
俺は冒険者ギルドへ向かい歩き出した。
「あいつものすごい大物になる気がするな。強さがわからなかった。期待しておくか。次の人ー」
この門番の男は国中で探されている人だった。王都で騎士団長をしていたが仕事に疲れ少し休んでくるという書き置きを残し半年くらい戻っていない。王都で張り紙がされており結構の人が気付いているがここで門番をしているわけが無いと考えを否定しいまだに見つかっていない。