とある組織の新人研修開始
書き直すかも
世界は大きく変わった。
科学技術は進歩し、科学の力を借りれば超能力に匹敵する技術が発展した。
その最中、魔法や魔術は実現する! と本当に実現させる者達も現れれば。
その影響か、それこそ科学では証明出来ないような超能力、魔術にも劣らない異能力を持つ奴がいたっておかしくないだろうと超能力者だと名を上げる者まで現れた。
魔法も科学も異能力さえ何でもありになった地球は更に数百年の時を得て。
誰もが夢見るファンタジー世界とまるで変わらなくなった現在
そんな世界だからこそ危険な物も多いだろうと言うことで、そんな危険な物を管理する組織も出来上がった。
そんな組織の1つに新人として配属された少女は、先輩の操縦するヘリの中、新人研修用と書かれたファイルの中の資料に目を通していた。
「……あ、あの……もう少し揺れないように操縦は………で、でで出来ませんか……か……?」
「なんだ? 酔ったか?」
「の……乗り物の中で、で……書物に目を通すだけでもく、く……苦痛なのに、こっこ……!?」
「舌噛むぞ?」
「~~~~~~~~!?」
「もう、噛んだか……」
舌を噛んで悶絶してる新人にやれやれと先輩は首を傾げながら、目的地に着いたのを確認しヘリを降下させる準備に入る。
「降りる準備しとけよ? そろそろ研修開始だ」
先輩の言葉に舌を噛んだ激痛に顔をしかめながら窓から外を伺うと、そこは砂漠のど真ん中にある城の廃墟だった。
「新人研修にしては……凄いところに来てしまった……」
ヘリから降りて周囲を見渡す新人は面喰らった顔をしながら田舎者が都会に来たかのように必要以上にキョロキョロ見渡す。
「ほら、行くぞ? 腕章はちゃんと着けたか? 渡した資料もあるな?」
「あ、はい! 腕章もちゃんと着けてます。資料もあります!」
日常だと言わんばかりに当たり前のように、さっさと廃墟の入口に向かう先輩を慌てて新人は追い掛ける。
「そうだ新人、名前聞いてなかったな。何て言う?」
廃墟の入口である門前で思い出したように先輩は新人に尋ねた。
「え? 先輩、ヘリに入る前に自己紹介したじゃないですか……」
「そうだったか? ……サイドテール?」
新人の方をチラッと見て先輩は曖昧に答える。
「それは……私の髪型ですよね?」
「あー、ミニマム?」
「それは……確かに小さいんですけど、一応気にしてるんで……あまり……」
「ん? 貧乳がなんだって?」
「……ミニマムってそっちですか?」
「え? おっぱいのことじゃないの? 身長も小さいけど」
会話のキャッチボールってなんだっけ? ってよりこの人殴って良いかなー。
そんな言葉が新人から聞こえてきそうなオーラを放ちながら先輩から返ってくる言葉に新人は怒りのボルテージを上げていた。
「さて、緊張はほぐれたか?」
「ふぇ?」
不意に掛けられたその言葉に今燃やしていた怒りはヒュッっと引っ込んだ。
「いや、緊張してると思って吹っ掛けてみたんだが、どうだ? 落ち着いたか?」
「あ……えーと……はい」
すっかり毒を抜かれたような、そんな表情で勝手にカッと怒っていた自分が馬鹿みたいだと新人は思い始めた……
「よし、で、名前なんだっけ?」
が、先輩のその言葉で前言撤回と新人は一発先輩におみまいした。