表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/132

11ぴきと猫

 11ぴき居る。


 11ぴきは猫を取り囲んでいる。

 11ぴきがかりで囲まれ恐怖でぶるぶる震える猫を眺めながら、11ぴきはそれぞれ(猫かあ……)なんて思っている。

 11ぴきに囲まれながら猫は、どうやってこの状況から抜け出そうか考えている。

 素早く走り抜ければ……いや、流石に11ぴきもの包囲網を抜けるのは困難だろう。

 11ぴきに囲まれた猫はぶるぶる震えながら、か細く「なあ」ととりあえず鳴いてみた。

 11ぴきはそれぞれ(鳴いたなあ)なんて思うだけで、一歩も動こうとはしなかった。

 猫は(何故こんなことになってしまったのだろう?)と思いながら、丸くなってぶるぶる震えるばかり。

 11ぴきはそれぞれ(何で猫が居るのだろう?)と首を傾げるばかり。


 それはさておき、11ぴき居る。

 いや、猫が真ん中で囲まれているので、正確には11ぴきと1ぴき居る。

 11ぴきと1ぴき、全てが現状を理解出来ていない。


 そして誰も、何が11ぴき居るのかがわからない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ