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エイプリルの愚者

「嘘ついたら針千本飲ーます」


 4月1日。エイプリルフールである本日。

 たった今、彼女に無理矢理させられた指きり自体が嘘である可能性について考えてみようか。

 そう思った矢先。


「……何それ?」

「針千本だけど?」


 そう言ってパカッと開けられた箱の中には確かに針が……恐らく千本なんだろう……大量に入っていた。

 えーと……嘘である可能性が激減したな。

 だがしかし! 毎回ギリギリなことをする彼女のことだ、今回も針千本用意することで俺をギリギリまで追い詰めようって魂胆なのだろう。騙されるか!


 よし……。


「えーっとだな……実は俺、浮気をしています」


 その瞬間の彼女の顔ったら、もう。

 目を大きく見開いて完全にびっくりしたって顔だな。


「……驚いた」


 ほれ見ろ。俺を甘く見てもらっては困る。


「ここまで馬鹿だったなんて」


 ……え?


「まあいいわ。とりあえず……」


 そう言うと、彼女はにっこり笑ってこう告げた。


「もし今の言葉が嘘だったら、約束通り針千本。本当だったとしたら私、怒り狂ってあなたに針を千本飲ませちゃうかも」


 ……あ。

 彼女の右手に、針の箱

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