表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/132

かさぎさん

 かさぎさんの仕事を手伝うようになってから、かなりの年月が過ぎた。

「……この仕事って、続ければ続けるほどやりづらくなりますね」

「ええ。でもキズキくんはまだ楽でしょ? 私なんてもう大変」

 そう言ってかさぎさんは長い黒髪を揺らした。彼女はどこか古風で穏やかな物腰をしている。

「でも良かった。キズキくんが手伝ってくれるようになってから随分楽になったのよ?」

 そう言ってほんわりと微笑む。

 初めて会った時にもこの笑顔を見せられて、僕は一発で恋に落ちてしまった。だからこの仕事はずっと続けていたいと思っている。

 一緒に、その終わりまで。


「今日はここね」

 そう言って指し示された名前には見覚えがあった。

「僕が行きます」

 ドアをノックする。程なく出て来た老婆は、僕を見ると目を見開いた。

「……お兄ちゃん!?」

「老けたなマユ」

 僕の後ろでかさぎさんが言った。

「お迎えに来ましたよ」

 若くして死んだ者は一族の為の死神となる。

 期限は、その血筋が絶えるまで。


 僕は御先祖様に恋をしている。

 いつか血筋が絶えて仕事が終わったら、かさぎさんに想いを伝えようと思っている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ