表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/132

ポケット

「ポケットの中には何かがひとつ♪」

 何かって……何だ?

「ポケットを叩くと何かがふたつ♪」

 いやだから何かって何だ?

「何かが増えれば世界が終わる♪」

 ……え?

「ポケットを叩くと何かが4つ♪」

 ちょっと待て。

 楽しそうに歌う彼女のポケットが、歌に合わせて叩かれる度に、何だか膨らんでいくような気がするんですけど?

 ……歌の通りだとしたら、ヤバいんじゃねえのか?

「なあ、そのポケット、何が入ってんだ?」

「何かが何かはその時わかる♪」

 そんなふうに歌いながらまたポケットを叩き、ポケットはまた一回り大きく膨らむ。

 そして俺の中では不安が膨らむ……ってごめん、上手いこと言ってる場合じゃなかった。

 そうこうしている間にも、彼女のポケットは尋常じゃない大きさになっていく。

 それでも彼女は笑顔を崩さず、歌いながらポケットを叩き、ポケットの中では何かが増え続けている。

 もうすぐポケットは彼女の背丈を越しそうだ。

 世界が終わるのも、きっと時間の問題なんだろう。


 ただ、ポケットの中には何が入っているのか、それだけが心残りだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ