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おかえりなさいと少女は言う

 人類はほとんど滅亡したので女の子はひとりでした。


 もしかするとその女の子以外全て滅んでしまっているのかも知れませんが、残念ながら地球は広いのでわかりません。とにかく女の子が歩いて行ける範囲には誰もいませんでした。


 女の子は毎朝、スコップを持って出掛けます。

 最初は毎日一人ずつ、慣れてからは三人ずつ、骨になった遺体を埋めるのが日課になっていました。

 今日も誰かだった骨を丁寧に埋めて、近くの家から剥した木の板や棒を立てます。

 はじめ、女の子は寂しさに泣いてばかりでした。けれどもこうしてお墓を作っていく内に、まるでそのお墓が増える度に誰かが帰って来るような、板や棒の数だけ少しずつ賑やかになっていくようなそんな気がして、だから女の子はひとつお墓を作る度に、そのお墓に向かって「おかえりなさい」と笑うことを欠かさないようにしています。


 いつか町中のお墓を作り終えたら、女の子はようやく「いってきます」と旅立つのかも知れません。


 それまで生きられないかも知れません。

 けれどそれまでは。

 女の子は今日もお墓を作って、そしてひとつ笑って言うのです。


 おかえりなさい。

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