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神様日和
「こんにちは。神様です」
神様は女の子で、差し出された名刺にはなるほど「神様」とだけ書いてあった。
「神様なので偉いのですが、腰が低いことでも有名です。まあ何ですか、今日は天気も良くて絶好の神様日和ですね」
そう言って神様はうーんと伸びをした。
神様日和。何だそれ?
「神様日和、知りませんか? こんなふうに天気の良い日のことで、神様が散歩しに降りて来るんだと昔から言われているそうですよ」
はあ、そうですか。神様日和。
「まあ実際、私がこうして散歩しに降りて来てるわけですから」
昔の人も上手く言ったものですね。
そう言うと神様は再びうーんと伸びをして、目を細めながらふくふくと微笑んだ。じゃあ、近くの公園でも散歩しませんかと誘ってみる。
「いえ、私は本日カラオケに挑戦するのです」
さあ行きましょう。神様は手を差し出した。
神様の柔らかい手を握り返しながら、いったい神様は何を歌うのかしらん? とそんなことを考えていた。
「聖飢魔Ⅱで100点を出したいのです」
やだどうしよう、恋をしてしまいそうです。