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ワンピース
「やっぱりこのポーズだな」
「あ、それってあのラストの!」
『ONE PIECE』という漫画が好きだ。
僕らはそれをきっかけに出会い、大切な多くの事を学び、それを糧にどんな苦労も共に乗り越えてきた。
彼女となら、これからも乗り越えて行ける。
そう思えたから、今日という日を迎えられた。
「でも……さ、やっぱり悔しいよね」
「まあ、ね」
僕らは本当に『ONE PIECE』が好きで、主人公たちの諦めない姿がどれだけ胸を打つかを熱く語り合った事もあった。
そう、諦めない事も『ONE PIECE』から学んだ。
なのに、これだけは諦めなくちゃならない。
だから、怖いより悲しいより、悔しい。
彼女が指を差す。
「……来た」
微笑み、差し出した僕の左手は震えている。
握り返す彼女の右手も。
手を繋ぎ、もう一方の手を高く突き挙げる。手首には×印。
そしてそれを睨む。
ミサイルがやって来る。
それは僕らだけではなく、全てを焼き尽くしてしまうだろう。
白い衣装に身を包んだ僕らは、片腕を突き上げたままそれを睨み続ける。
逃げない。
繋いだ手は最期まで離さない。




